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復職支援・リワークに対するカウンセリング-退職してしまったら-

目次

  1. 職場ストレス
  2. 休職する
  3. 休職中の生活費や経済的支援
    3.1 傷病手当金
    3.2 障害年金
    3.3 自立支援医療
  4. 休職中の精神科的な治療
    4.1 薬物療法
    4.2 入院治療
  5. 休職中のカウンセリングや心理療法
  6. 休職中のグループワークへの参加
    6.1 デイケアやショートケア
    6.2 復職支援(リワーク)プログラム
  7. 休職中の体調と生活リズムの整え方
    7.1 食事
    7.2 睡眠
    7.3 日中の過ごし方
    7.4 活動性を上げていく
  8. 復職する際のリハビリ出勤
    8.1 リハビリ出勤とは
    8.2 リハビリ出勤を開始するタイミング
    8.3 リハビリ出勤の期間
    8.4 リハビリ出勤の時の業務
    8.5 職場内での人間関係
    8.6 復帰する部署
    8.7 リハビリ出勤時の給金と保険
    8.8 リハビリ出勤から通常勤務へ
  9. 退職したら
  10. 失業中の生活費と経済的支援
    10.1 傷病手当
    10.2 雇用保険による失業手当
    10.3 障害年金
    10.4 税金・健康保険料の減額
    10.5 生活保護
    10.6 就業促進手当
  11. 就労するための訓練と就職活動
    11.1 就労移行センター
    11.2 若者サポートステーション
    11.3 職業訓練
    11.4 就労支援センター
    11.5 就労継続支援事業
    11.6 ハローワーク
  12. 雇用形態
    12.1 正社員
    12.2 契約社員
    12.3 派遣社員
    12.4 パート・アルバイト
    12.5 障害者雇用
  13. 家族ができる支援について
  14. 終わりに

 

復職支援・リワークに対するカウンセリング-休職からリハビリ出勤まで-からの続き

9 退職したら

 休職からリハビリ出勤を経て復職に至ることができると良いのでしょうが、残念ながら退職になってしまう場合もあります。

 事業所の就業規則で、休職が規定の年月を経過すると自動的に退職になってしまうと明記しているところもあります。そのような規定がなくても、ある程度の年月で退職を勧められることもあります。また、病気療養中、休職期間中の解雇は法的には相当困難なようですが、ありえる場合もあるようです。

 もしくは、本人の考えやキャリア、将来性から退職を判断することもあるでしょう。消極的な判断として、引け目や居たたまれなさ、申し訳なさ、罪悪感から退職を決めてしまうこともあるかもしれません。特にうつ病などの場合には物事を否定的、悲観的に考えてしまう傾向があるので、その影響の場合もあるでしょう。

 いずれにしても、退職という判断は不可逆的で、元に戻すことは基本的にはできません。ですので、退職の判断は慎重にし、家族及び専門家と十分に相談し、時間をかけて決めていく方が無難です。

 それでも退職となった場合、ほとんどの場合で経済的な問題が即座に発生します。当面の生活費の確保をし、うつ病などの疾病があるのであれば治療をし、中長期的には再度就労をしていくことになるでしょう。それをどのようにしていくのかについて、下記に説明していきます。

10 失業中の生活費と経済的支援

 失業した場合、無収入になってしまいます。よほど貯金や資産があれば生活に困らないでしょうが、そうした人は一部なので、ほとんどの場合が生活費が途端に困ってしまいます。また両親などの家族が健在であれば、実家に戻るなどで生活費を少なくしていく必要もあるでしょう。それも抵抗のある方もおられるかもしれませんが。

 いずれにしろ、公的なサービスとしての経済的支援がいくつかあるので、それをまずは利用すると良いでしょう。経済的基盤があることで、安定して復職支援・リワークに取り組めます。

10.1 傷病手当

 3.1 傷病手当金に書いていますので、参照してください。

 退職後にも傷病手当を受給できますが、その条件は、会社に雇用されている時期に障害や疾病に罹患していることです。退職後に障害や疾病に罹患した時には対象外となってしまいます。

 ちなみに傷病手当は健康保険から出ています。退職と同時に通常は健康保険組合から退会することになりますが、傷病手当を受けている場合には任意継続をして、そのまま加入しておかねばなりません。

 これらのことの詳しくは加入している健康保険の団体に問い合わせてみたほうが良いでしょう。

10.2 雇用保険による失業手当

 退職後、失業状態である時に受け取れるのが失業手当です。これは就業時に雇用保険に加入していることが条件です。加入条件は1週間に20時間以上の労働時間があり、かつ31日以上勤務していることです。

 まず、退職後に傷病手当を受給していると、傷病手当が優先されます。傷病手当の受給が終わり、かつその時点で失業状態であると雇用保険の失業手当が受けれます。

 通常、退職が離職票に書かれている退職理由が自己都合などの場合には、待期期間7日間と受給制限期間が3ヵ月間あります。しかし、退職時に精神科や心療内科に通院しており、かつ主治医の意見書・診断書があれば、待期期間7日間のみとなり、受給制限期間3ヵ月はなくなります。3ヵ月の無収入期間があるのとないのとでは大きな違いですね。

 また、失業手当の受給期間ですが、病気や障害のための退職であれば、延長することが可能です。例えば、雇用保険の加入期間が1年未満であれば、通常90日しか失業手当を受給することはできません。しかし、病気による退職であれば150日になります。年齢や加入期間にもよりますが、最大360日までになります。ほぼ1年ですね。

 雇用保険の加入期間と年齢による詳細な受給期間は以下に詳しくあります。

 ハローワーク「基本手当の所定給付日数」外部リンク

 そして、この中の就職困難者がそれに該当するわけですが、そのためには障害者手帳が必要になります。各自治体での判断が違うのか、障害者手帳の申請をしているだけで就職困難者としてくれるところもあれば、手帳取得しなければ就職困難者としてくれないところもあるようです。リスクを避けるなら、手帳を取得してから雇用保険の失業手当の申請をするほうが無難かもしれません。

10.3 障害年金

 3.2 障害年金に書きましたので、それを参照してもらえたらと思います。

10.4 税金・健康保険料の減額

 失業状態であれば、前年度の収入なども関係してきますが、保険・税金面の減額・減免が受けられる場合があります。

 所得税については、確定申告をすることで戻ってくる場合があります。会社員の場合には会社がこれまで代わりにしてくれていたことです。それを個人でするのが確定申告です。3月中旬が例年の締切りです。その時期までに多少は面倒ですが、確定申告をすることでお金が返ってくるので、可能なら手続きをした方が良いでしょう。

 住民税については、役所の税務窓口に行って相談してください。離職票や雇用保険受給者証、診断書、障害者手帳もろもろの書類を持っていくと話が早いかと思います。ここでも面倒な書類を何枚も書かされる可能性はありますが、それによって減免・減額・分割などの処置がなされると経済的に非常に助かります。

 国民健康保険については、雇用保険受給者証などで失業中であることが認められると、保険料が減額されます。社会保険の任意継続をするよりも国民健康保険に切り替え、減額をしてもらう方が安くなることがあります。このあたり、社会保険の任意継続をする方が安いのか、それとも国民健康保険に切り替えて保険料の減額をする方が安いのか、を役所などに問い合わせ、調べて、比較検討し、決定されると良いかと思います。

 国民年金については、失業を理由にして、減額や免除、納付猶予の措置を取ってもらえます。それにより受給できる老齢基礎年金が減ってしまいますが、当面の生活費を優先したいのであれば申請すると良いでしょう。年金制度には色々と不備もありますが、未納だけはしない方が良いでしょう。国民年金には老後に受け取れる老齢基礎年金だけではなく、障害を負った時に受給できる障害基礎年金や、遺族基礎年金といったものもあります。未納であると、そうしたことが受けられなくなってしまいます。詳しくは下記のホームページをご参照ください。

 日本年金機構「保険料を納めることが、経済的に難しいとき」外部リンク

10.5 生活保護

 さまざまな理由で健康で文化的な最低限度の生活を営めない時には生活保護を受給外部リンクすることができます。生活保護を受けるための条件や支給額は、家族構成・居住地域・障害者手帳の有無などにより変わってくるため、詳しくはお住まいの役所に相談してもらえたらと思います。

 生活保護の受給は世間からの厳しい目もあるようですし、自尊感情を刺激されたりしますので、決して安穏とした生活が送れるわけではないようです。さまざまなプレッシャーや引け目、焦りなどもあり、受給すること自体が精神衛生によろしくない影響があるようです。

 また、受給すると、労働することのメリットよりも、現状を維持することのメリットが上回ってしまい、結果的に労働意欲を低下させてしまうこともあるようです。だからといって、受給しない方が良いということではなく、生活や人生の計画を立て、どういうことに価値を置いて、そのためにどのような努力をするのかを考えていくことが大事かもしれません。

10.6 就業促進手当

 就職活動の進捗によっては国から就業促進手当を受け取ることができます。具体的には以下の4つとなります。

 以上の4つですが、それぞれ支給される額や支給制限に違いなどがあるので、詳しくはハローワーク就職促進給付外部リンクをご覧になり、窓口担当者に質問してみてください。

11 就労するための訓練と就職活動

 うつ病や適応障害など、その他の精神障害により生活機能、認知機能、作業能力が低下してしまうことがあります。一般的な精神科治療やカウンセリングにより回復していくでしょう。そして、就労するための能力に焦点を当てて、そうしたトレーニングを受けて、さらに回復を早めていくことも可能です。

 また、人によっては労働していない時期が長期間続いていると、なかなか仕事をしていくことに躊躇し、実際に困難に見舞われることもあります。

 そうした時、復職支援・リワークなど、以下のような就労するためのトレーニングや、就職活動のサポートを受けられると良いでしょう。

11.1 就労移行センター

 障害者総合支援法外部リンクに基づき、障害者の方が就労できるようにサポートする機関が就労移行センターです。最近はあちらこちらで設置されているようで、よく耳にするようになりました。

 事業所によってその特色は違いますが、就労し続けるために必要なPCスキル、事務作業スキル、人間関係スキル、ビジネスマナースキルなどのトレーニングが受けられます。また、就職活動をする上で有利になるように、履歴書や職務経歴書の作成や就職面接への対策などのサポートもあります。

 必要な費用については以下の通りです。

 申し込みについては、まずは行きたいセンターに直接問い合わせて、説明会や相談会、見学に行かれると良いかと思います。正式な申し込みは役所になります。自治体によっては障害者手帳が必要だったり、主治医の診断書や意見書でも大丈夫だったりしますので、これも窓口に問い合わせてもらえたらと思います。

 そして、通所がはじまると、最大2年間は継続できます。また、就職後も定着支援ということで3年のサポートを受けることができます。人によっては、離転職を繰り返す方も中にはおられるので、こうした定着支援は受けられるに越したことはないでしょう。

11.2 若者サポートステーション

 15歳から39歳までの若年層を対象にした、就労をサポートする施設です。特にいわゆるニートやひきこもりといった方々が社会に出て、自立し、健康的な生活を送れるように支援しています。

 そのために、職業的自立を目指したキャリアカウンセリング、職場体験などの就職支援プログラム、就職セミナーなどがあります。

 以前は日中の居場所的な機能が強かったようですが、最近では就職支援の機能を強化しているようです。

サポートステーションネット外部リンク

神奈川県内の若者サポートステーション一覧外部リンク

11.3 職業訓練

 特定の資格や技術を習得するための機関です。短いもので数ヶ月、長いもので数年のものもあります。基本的には無料で受講できますし、特定の条件では給料が発生するものもあるようです。

 ある程度の今後の方向性やキャリアが明確になっているのであれば、利用すると良いかと思います。

神奈川県内の職業訓練校一覧外部リンク

11.4 就労支援センター

 「就労移行支援」と名前が非常に似通っていますが、別物です。このセンターは就職活動を手助けしてくれることに特化した機関です。主に、キャリアカウンセリングや就職セミナー、各種講座、履歴書経歴書添削などをしてくれます。就労移行センターのように通所訓練機関ではありませんので、毎日通うような感じにはならないでしょう。

 就職活動をしていくにも助言してもらえる人がいる方が心強いと思います。また、時代と共に就職活動の方法なども結構変化してきます。例えば、履歴書は以前は完全手書きが主流でしたが、最近ではパソコンで作成したものも結構使用されるようになってきています。時代と業界に応じた就職活動をしていくためにも、こうした機関を利用すると良いでしょう。

神奈川県内就労支援機関一覧外部リンク

横浜市内就労支援機関一覧外部リンク

11.5 就労継続支援事業

 こちらも就労移行支援や就労支援センターと混同しやすいですが、これも別物です。就労継続支援事業とは、通常の就労が困難な障害者のための事業です。就労の機会を提供し、能力開発や就労のための技術訓練を行っています。この就労継続支援事業にはA型とB型の2種類があります。

 A型は雇用契約があるタイプです。一方、B型は雇用契約がないタイプです。

 A型は一般の就労は困難であるが、比較的負担の少ない雇用契約であれば就労できる障害者を対象にしています。B型は雇用契約を結ぶ就労も難しい比較的障害の程度が重たい方を対象にしています。

 両方とも作業をすることで給料はもらえるものの、A型よりもB型の方が労働内容も単純で、負担も少ない分、もらえる額も少なくなります。

 病気の度合いに応じて、こうした機関・施設を利用して、リハビリ的に就労することをしていくことも必要な場合もあります。

11.6 ハローワーク

 昔は公共職業安定所と言われていた機関です。ハローワーク外部リンクと言われるようになって久しくなり、社会的知名度も定着したといえるでしょう。

 あらためて説明するほどのものもないかもしれませんが、求人情報の検索、求人の紹介などを主な業務とする機関です。その他に、雇用保険の失業手当についての手続きや教育訓練の給付なども扱っています。その他に、就職活動をサポートするセミナーや講座なども単発的に開いているところもあるようです。

 基本的には求職者として登録することで利用できるようになります。ただ、インターネットでの求人検索の一部など、登録せずとも利用することもできます。

 ハローワーク外部リンクでの就職活動は基本的には一人ですることになりますし、相談員がいるとはいえ、単発での相談が主になるので、継続性はないようです。ただ、最近では就職困難者に対するサポートを充実する方向で動いており、その関連で一部のハローワーク外部リンクでは臨床心理士が勤務しているところもあるようですので、希望者は一度問い合わせてみると良いかもしれません。

神奈川県内のハローワーク一覧外部リンク

12 雇用形態

 就職と一口にいってもさまざまな雇用形態があります。雇用形態によって労働時間や給料、待遇がかなり違います。一般的に正社員が一番待遇や給料は良いですが、それだけの労働負担と責任も多くなります。さらに最近ではブラック企業と揶揄される職場もあります。そうしたところで身体的にも精神的にもボロボロになり、再起するまでに相当の時間と金銭をかけないといけない場合もあるようです。

 現在の体調面、精神面と相談しながら、時には給料を犠牲にして軽い負担の労働に従事することで、働ける身体作りをし、ステップアップを目指していくことも必要な場合があります。

12.1 正社員

 雇用形態としては一番安定し、一番高待遇となります。同時に労働時間や責任、業務内容などの負担が大きくなります。

 待遇面では、健康保険や年金は会社負担があるので、個人での支払いが比較的安くなります。雇用保険もあるので、退職となったとしても多少は助かります。さらに、法定で有給休暇が定められていますので、それを使用することも可能です。その他にも会社によって相当違いますが、保養所などの福利厚生が利用できたりもします。また、一定年数以上の勤務をしていると退職金などももらえます。契約期限がないことも重要でしょう。

 一方で、総合職・一般職などで違いもありますが、転勤がある職場もあるでしょうし、急な異動を命じられることもあるので、それ相当の覚悟も必要かもしれません。

12.2 契約社員

 一定の期間ごとに区切って、契約を更新しながら勤務することになります。そのため、昇給や退職金がないことが多いようです。また、特段の事情がなく、会社都合で契約更新をしてくれない場合もあるので、不安定な立場になります。

 しかし、会社によっては中途採用の場合には、まず契約社員で雇用してから、その後正社員への登用をすることもあるようです。それが良いかどうかは別として、そうした事情をどのように考慮し、策を練っていくことも必要かもしれません。

12.3 派遣社員

 派遣労働法外部リンクの下に制定された比較的新しい雇用形態になります。もともとは自由な就労を目指して、労働者側の利益のために作られたものですが、最近では会社が都合よく労働力を搾取するために使用されている面は否めないかもしれません。

 それはさておき、当面の生活費を稼ぐため、短い期間に区切って就労をすることを希望する人にとっては都合の良い制度かもしれません。特に精神的・身体的に長期間の就労が負担になる場合には積極的に活用しても良いでしょう。契約期間自体が短いので、退職しやすいことは利点とも言えます。ちなみに2015年の改正で最大3年間となっているようです。

12.4 パート・アルバイト

 労働時間を短く区切って就労する形態です。労働時間が短いので、精神障害によって退職した人が、再びフルタイムで働けるようになるための繋ぎ、及びリハビリとして利用することができます。当面の生活費を稼ぐことも可能です。最初は短い時間で働き、体調の回復具合に応じて労働時間を長くしたり、契約社員・正社員への就職を目指したりすることもできます。そういう意味でも使い勝手が良いです。

 そしてここは重要ですが、労働時間や年収によって保険や年金が変わってきます。

週20時間以上の労働があれば、雇用保険に加入できます。 年収130万円以上ある場合には健康保険に加入しなければなりません。 年収103万円以上ある場合には年金に加入しなければなりません。

 よくあるのは、配偶者が正社員で働いている場合には、上記の時間・年収の範囲の中で働くことです。もちろん、これによって月々の保険料・年金料の支払いが免除されるのは大きなメリットですが、反対に社会保険に加入するほうがメリットになる部分もあります。

 例えば、自身で社会保険に加入すると出産一時金、育児休業給付がもらえます。また厚生年金などに加入できれば、老齢年金が増えますし、障害年金の基準がやや緩くなります。

 保険・年金関係はややこしいので、きちんと調べていく方が良いでしょう。

12.5 障害者雇用

 一般就職ではなく、障害者枠での雇用で就職するという雇用形態です。この障害者雇用での就職をする際には障害者手帳が必要となります。

 一般枠よりも、労働時間・労働量・業務内容などの負担は軽く、また労働環境などに配慮があります。その分といってよいかどうか分かりませんが、給料は一般枠よりも低くなっています。

 障害者雇用促進法外部リンクでは、会社の従業員の中で2%は障害者がいることが義務付けられおり、50人規模以上の会社では報告義務があります。2%よりも下回っていれば罰則が、上回っていれば報奨金が支払われるので、会社としては積極的に障害者を雇用しようとします。

 また特例子会社というものもあります。これは従来は一つの会社に2%の障害者を雇用しなければならないのですが、一定の要件を満たした上で、障害者に特別の配慮をした子会社を設立し、そこで雇用されている障害者をグループ企業全体で雇用されているものとして算定できます。そのため、障害者としては労働環境に対する配慮があるので、比較的働きやすい職場であると言えます。

 この枠で就労できると負担も少ないので、障害者にとっては働きやすいですが、反面では就職しにくい面もあります。特に精神障害の場合には会社もやや敬遠しがちであるようです。それが許されないことではあると同時に、事情も分からなくはないところもあります。

 知的障害や身体障害の場合には技能不足や配慮はありつつも、それ以外は基本的に労働に従事できます。しかし、精神障害の場合、体調の波や気分の変動が人によっては顕著であり、パフォーマンスが一定にならない場合があります。そうしたことが労働をする上でネックになってしまいます。

 このようなところから、精神障害者が障害者雇用を目指す際には就職が難しいという現状があるようです。

13 家族ができる支援について

 配偶者や親、子どもが精神障害になり、休職したり、失業したりすると家族に多かれ少なかれ影響を及ぼします。一番は収入面です。生活水準を落とさざるをえなくなったり、時によっては持ち家を売ったりして転居せねばならなくなることもあります。また、休職・失業によって日中にずっと寝ていたり、ブラブラしたりしているのを見ると、心配や不安、絶望、失望、悲しみを引き起こされますし、そうした感情を引き起こす当人に対して酷い憎しみと怒りを感じることもあるでしょう。

 もちろん、そうしたことはある意味では自然の感情なので、悪いものではありません。ただ、そうしたことを当人にぶつけてしまうことによって、ますます状態が悪化してしまう場合もあります。

 当人はブラブラとして何も考えていないように見えても、ほとんどの場合が焦りや不安、罪悪感にさいなまれています。ですので、状態や状況にもよるでしょうが、基本的にはプレッシャーをかけず、普段どおりに接してあげると、結果的には良い方向に進んでいくようです。

 あまりにも心配であれば、当人が通院している主治医や、受けているカウンセリングのカウンセラーに家族で相談に行ってみても良いでしょう。専門家の見立てや見通しが分かることで、家族の気持ちにも余裕が生まれるでしょう。

 当人を敵にして、家族同士で敵対的にならないようにしてください。それよりも、精神障害、休職、失業を敵にして、家族で協同してその敵に対する対処を一緒に検討できるような立ち位置を意識されると良いかと思います。

14 終わりに

 復職支援・リワークとは、一般的には休職している人が元の職場に戻ることを意味しています。しかし、ここではもう少し広く意味をとり、失業してしまった人が、元の職場ではなかったとしても何らかの仕事に従事できるようになることも含めて書きました。

 お金が無いこと自体が非常に強いストレスや負担となり、それが精神障害をさらに悪化させていきます。ですので、精神障害の医学的な治療、カウンセリング的な対応だけではなく、同時進行で仕事に従事することも考えていくことにより、全体的な回復を目指していくことが必要となってきます。

 この復職支援・リワークの項目ではそうしたことの参考や何らかのヒントが得られたら幸いに思います。

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