アルコール依存症の自助グループとエビデンスに基づいたカウンセリング

飲みすぎでは収まらない

AA日本出版局(訳)「アルコホーリクス・アノニマス-無名のアルコホーリクたち-(ポケット版)」 NPO法人AAゼネラルサービス 発行 2003年を読みました。その上での感想や今日のアルコール依存、アルコール使用障害についての研究や治療方法について書きました。

はじめに

上記の書籍を読み終えました。カウンセラーという仕事柄、AA(アルコホーリクス・アノニマス)についてはそれなりに知っていましたが、こうやって原典を読むのは初めてで、知らなかったことを色々と知ることができたように思います。

AAと霊的体験

AAというと、アルコール依存症患者の自助グループで、メンバーが集まって、自身の体験を話し合うというところのイメージが強いと思いますが、本書を読むと、それだけではないことが分かります。他のアルコール依存症患者に手助けをすることや、奉仕活動をすること、霊的な体験を通してアルコール依存症を克服することなど、多岐に渡っています。

特に霊的な体験については、何度も繰り返し話題にされていますので、非常に重要度の高い事柄とAAには認識されているのでしょう。霊的な体験というとオカルト的なことを想起しがちですが、どうやらそういった類のものではないようです。一般的な意味での「神」との対話や、人間を超えた力による救済、ある種の解脱的な体験のようで、そうした力がアルコール依存症を脱す方法であると示されています。そこにキリスト教を背景としたAAの在り方が色濃く示されているようです。

しかし、そうかといって、今まで自身の持っている信仰を捨てねばならないとか、キリスト教に帰依せねばならないとか、超常現象を体験せねばならないといったことではありません。どういった宗教でも、どういった信仰でも、どういった信念を持っていても良いことも強調されています。

アルコール依存症治療の進歩

AAが作られたのは1930年代で、非常に古くて、伝統があります。当時の精神医学は未発達で、アルコール依存症についての治療方法はまだ確立されてはいませんでした。そうした歴史的背景の中でAAはできました。

しかし、昨今ではアルコール依存症についてかなりのことが分かってきました。診断基準も整備され、かつ、治療方法についてのエビデンスも徐々に蓄積してきました。

アルコール依存症、アルコール使用障害についての疫学や治療方法についてはアルコール依存症・アルコール使用障害に対する心理療法・カウンセリングをご覧ください。

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