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会食恐怖症のカウンセリングと治し方

本当は楽しく食べたいのに

会食恐怖症は、社交場で他の人と食事することに強い抵抗感を感じる状態を意味します。会食恐怖症を抱えている人は、他の人と一緒に食事することに対して過剰に緊張して、食べ物がのどに詰まってこぼしたりするのではないかという不安感、あるいは自分が周囲から笑われたりするのではないかという恐怖感に襲われる症状をきたします。

今回は、そのような会食恐怖症の特徴や治療法などについて説明していきます。

1.会食恐怖症とは

食卓を囲む人たち会食恐怖症とは、他の人と食事が出来なくなる病気です。会食恐怖症の症状は、嘔気、めまい、動悸、あるいは食べ物を飲み込めなくなる嚥下障害など多岐にわたって認められます

中には、家族と会食すること自体難しくなる場合もありますし、親しい友人の前では大きな問題を抱えることなく食事できるパターンもあって、症状が出現する状況や場面、重症度などはケースバイケースです。

会食恐怖症は、不安症の一種である社交不安症に分類されている疾患として位置づけられていて、社交不安症は一般的に他人の前で恥ずかしい思いをすることに過度に緊張して恐怖感を感じる病気です。社交不安症のなかで、会食という限定的な場面で不安感や恐怖感を自覚する病気が会食恐怖症であり、主に性格的に生真面目で不安を感じやすいタイプの方において発症リスクが高いと考えられます

社交不安障害の詳細は以下のページをご覧ください。

特に、これまでの学校給食や部活動での「完食指導」が、会食恐怖症の発症の引き金となるケースが多いと言われています。例えば、小学校や中学校の時代に、給食やクラブ活動での食事の場面で、完食できなくて叱られた経験を持っていると、同様の場面に遭遇した際に、全部食べなければまた叱られるといった過度な思い込みを自動的に考えてしまう習性が形作られます。

会食恐怖症の人の脳内では、恐怖感情に深く関与している扁桃体という部分が過敏に反応していて、会食の予定があるというだけで極度に不安を感じて、自然と会食には行かないといった場面回避行動を選択する傾向があります。

ちなみに会食恐怖症の上位カテゴリーである不安障害については以下のページをご覧ください。

2.会食恐怖症の特徴と症状

頭を抱える男性

(1)特徴

会食恐怖症においては、他人と一緒に食事することに対して、強度の不安感や緊張感、恐怖心を抱くことで、誰かとの会食場面を避けるようになり、人間関係や社会生活、あるいは日常生活に一定の支障が出現します。

会食恐怖症の有病率は、一般的には低いと考えられていて、女性の方が男性よりも会食恐怖症を発症しやすく、子どもや若年者に多く見られることが知られています。また、会食恐怖症の有病率に関しては正確な統計値を得ることが難しく、会食恐怖症を含めた社交不安スペクトラムについての詳細な統計データはまだまだ不足しており、会食恐怖症の症状とともに社交不安障害などを含めて他疾患と混同されることも少なくありません。

(2)3つの症状

会食恐怖症は、社交不安症の一部として捉えられていますが、典型的な症状の特徴としては主に3種類のパターンが挙げられます。

  1. 社交不安症(対人恐怖)によるものであり、食事中に音を出す、食事マナーが悪い、食べているものをこぼすことなどによって、他者に不快な思いをさせてしまうのではないかと恐れて相手からの評価を気にし過ぎることによって強い不安感が出てきます。
  2. パニック症(広場恐怖症)によるものであり、食事中に自分の体調が悪化した場合などに、人間関係における束縛感が背景にあって相手にとって失礼になるのではないかと不安感を自覚することが挙げられます。
  3. 吐き気恐怖によるものがあり、自分や他人が食事内容物を吐いてしまうことを極端に恐れて、十分に食事が出来ない、あるいは食事する場面を過度に恐れてしまう状態が出現することもあります。

これらのパターンは、会食恐怖症として同じ症状に見えますが、その根底に存在する恐怖の対象や種類は若干異なりますので、それらの特徴をしっかり見定めて症状を評価することは大切なポイントとなります。

3.会食恐怖症の診断

会食恐怖症を診断する上で必要な問診内容や特徴を知っておく必要があります。

例えば、対人恐怖の有無を調べるために、食事中に本人が他者とどう接していいかわからずに他人とのコミュニケーション方法が判断できず、疎外感を強めて緊張感や苦痛を感じている場合には会食恐怖症を疑うことになります

また、食事の際中に自分の表情や容姿などを他者から注目されていると意識すればするほど顔が赤くなって、人前に出るのが苦手になり、大勢の人が集まる会食会場などを避けるようになる場合にも会食恐怖症を疑うきっかけとなります。

そして、他人の前で食事をすることに対して極端に恐怖心を持つようになりますし、会食恐怖症を抱える人は恋人や婚約者など自分にとって大切な人の前ほど不安感など症状が強くなり、食事がこわくて会食できないなどの症状を認めるケースが多く見受けられます。

若い女性に多く認められる視線恐怖も同時に認められることもあり、自分が食べている光景を他人に見られて緊張して食べられない、あるいは自分が食べる音が気になって同席している方に申し訳ないと深く悩む場合にも会食恐怖症を念頭に置く必要があります。

4.会食恐怖症を克服するための治療法と対処法

(1)自分でできること

会食恐怖症では、食事をすることに対して極度の不安や恐怖を感じるため、他者との食事機会を避けて、食事そのものを楽しむことが困難な場合があります。

会食恐怖症を克服して、少しずつ食事を楽しめるようになるためには、自分が落ち着く食事場所や食事するタイミングや時間帯、食べる量や食材などを事前に考慮するとともに、周囲の方に自分の状況を伝えて、理解してもらうことが重要です。

実際の食事の場面では、準備することに十分時間をかけて、自分が緊張せずに食べられるように調理する、あるいは食事をする場所や食器の種類、音楽の有無なども考えながらできるだけ自分がリラックスできる環境を整えるように努めましょう。

(2)医学的な治療

会食恐怖症に対する治療の基本は、脳と心の過敏さを取り除くことが重要であり、医学的な治療の一つとして挙げられる薬物治療では、抗うつ薬の一種である選択的セロトニン再取り込み阻害薬やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬を使用します

これらの選択的セロトニン再取り込み阻害薬など抗うつ薬を服用することによってセロトニンの働きを高めることができれば、神経過敏を抑制できて会食恐怖症の症状が改善できる可能性があります。

専門医によっては、不安症状に対してベンゾジアゼピン系薬剤(アルプラゾラム、クロナゼパム、ロラゼパムなど)など抗不安薬を用いて対症療法を実施して様子を見る場合もあります。

ただし、これらの薬剤は、一時的に不安や緊張などの症状を緩和する効果を発揮しますが、長期間続けて使用すると依存症や副作用のリスクが一定程度あるため、注意を払う必要があります。

会食恐怖症の症状を緩和できる可能性を持つ薬物療法は、認知行動療法やエクスポージャーと併用して行われることもあります。

(3)カウンセリング

会食恐怖症の症状を克服するためには、専門家のサポートを受けることも大事な要素となります。

会食恐怖症は、心理療法やカウンセリングなど専門家のサポートを受けながら、自分自身の感情や思考過程を整理して、食事に対する不安や緊張を和らげることで症状が改善される場合があります。

カウンセリングの詳細は以下をご参照ください。

(4)認知行動療法

認知行動療法とは、会食恐怖症に対する考え方や行動パターンを自分なりに頭で考えながら変えることで、恐怖心を克服する治療法のひとつです。

特に、会食恐怖症の場合には、自分が不必要なストレスを所有しているという考え方そのものや、他人の評価や視線が過剰に気になって緊張するという行動パターンを修正して、安心感を徐々に得られるように導いていきます

また、苦手な状況に徐々に慣れる練習をするエクスポージャーという方法では、恐怖の対象となる会食シーンなどに患者本人を直面させることで、恐怖感を徐々に軽減していく治療法となります。こうしたエクスポージャーによって、カウンセラーの指導のもとで、外食を行って、会食や食事そのものに対する不安感や恐怖心を軽減させることが期待されています。

認知行動療法の詳しいことについては以下が参考になります。

5.まとめ

通常、他人との会食の場を、緊張するから苦手だと感じる人は一定数いると思いますが、「会食恐怖症」を抱えている方々の悩みはもっと深刻であり、日常生活や仕事場面など社会生活にも大きな支障を来すことがあります。会食恐怖症は、本人の気の持ちようで簡単に治る病気ではありません

心配であれば、精神科や心療内科など専門医療機関を受診して、薬物治療や認知行動療法などを上手く組み合わせながら症状を緩和することが期待できます。

また、日々の生活で自己肯定感を高めてセルフケアを実施しながら、カウンセリングを受けてエクスポージャーなど心理的なアプローチでカウンセラーとともに適切に治療を実践していくことが会食恐怖症を克服するために効果的であると考えられます。

弊社でも会食恐怖症のカウンセリングや認知行動療法を行っています。ご希望の方は以下の申し込みフォームからお問い合せください。