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公開:2020-04-01 更新:2020-04-01

摂食障害のカウンセリング

目次

  1. 摂食障害とは
  2. 摂食障害のタイプ
    1. 神経性無食欲症
    2. 神経性過食症
  3. 摂食障害の実態
    1. 疫学
    2. 予後
    3. 合併症
  4. 摂食障害の原因
    1. 遺伝・生物学的な要因
    2. 文化・社会的な要因
    3. 心理・性格的な要因
      1. ボディイメージ障害
      2. 嗜癖
      3. 低い自尊感情
      4. 強迫性
      5. 極端な対人関係
      6. 家族関係
      7. 極端な思考
    4. 摂食の問題は結果にすぎない
  5. 摂食障害の治療
    1. 薬物療法
    2. 入院治療
    3. 家族の支援
    4. カウンセリング
      1. 動機づけ面接
      2. 認知行動療法
      3. 対人関係療法
      4. 精神分析的心理療法
      5. 日常臨床の視点から
  6. カウンセリングやSVを受けるには

1.摂食障害とは

 摂食障害(Eating Disorders)とは、過食嘔吐したり、拒食したりするなど食行動の異常が見られる病気のことです。食行動を強迫的にコントロールしようとし、その度合いが極端に偏っており、そして、そのことにより、社会生活や職業生活、学校生活に支障をきたしてしまいます。また、過度な体重の増減が見られ、時には生命が危機に瀕することもあります。

 性別では圧倒的に女性に多く見られますが、男性でも発症することはあります。多くは思春期前後に発症することが多く、中年期以降での発症は稀です。

2.摂食障害のタイプ

 摂食障害には3つのタイプがあり、神経性無食欲症と神経性過食症と特定不能の摂食障害に分けることができます。

(1)神経性無食欲症

 昔には拒食症と言われていたタイプです。食べることを拒否したり、回避したりします。食べてもほんの少ししか口にいれなかったり、「食べた」と言って、こっそりとトイレやゴミ箱に捨ててしまったりすることもあります。こうしたことから生命維持に必要なカロリーや栄養が欠乏し、体重が低下してしまいます。女性では生理が来なかったり、止まってしまうこともしばしばです。

 身体はガリガリになりますが、本人はそれでも太っていると言い張ることもあります。中には体重が低下しているにも関わらず、非常に躁的に、活動的になり、走り回ったりすることもあります。早い人では小学校高学年ぐらいから発症することもあります。

 また、概ねですが、BMI指数によって重症度をランク付けしています。BMI指数とは体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で表されます。その値が18~25が通常と言われています。

BMI指数からみた重症度

図1 BMI指数からみた重症度

 神経性無食欲症のDSM-5(アメリカ精神障害の診断と統計マニュアル)とICD-10(WHO疾病及び関連保健問題の国際統計分類)の診断基準では以下の通りです。

DSM-5における神経性無食欲症の診断基準

  1. 必要量と比べてカロリー摂取を制限し、年齢、性別、成長曲線、身体的健康状態に対する有意に低い体重に至る。有意に低い体重とは、正常の下限を下回る体重で、子どもまたは青年の場合は、期待される量低体重を下回ると定義される。
  2. 有意に低い体重であるにもかかわらず、体重増加または肥満になることに対する強い恐怖、または体重増加を妨げる持続する行動がある。
  3. 自分の体重または体型の体験の仕方における障害、自己評価に対する体重や体型の不相応な影響、または現在の低体重の深刻さに対する認識の持続的欠如。

ICD-10における神経性無食欲症の診断基準

  1. 体重減少、あるいは子どもの場合には体重増加の欠如により、年齢と身長による正常体重を少なくとも15%下回る体重となる。
  2. 体重減少は自己誘発性で、太りやすい食物を避ける。
  3. 自らが太っていると知覚しており、肥満への強迫的な恐怖が存在する。それにより自ら体重の閾値を低く決めている。
  4. 視床下部-下垂体-性腺系の広範な内分泌障害。女性では無月経、男性では性的関心や能力の低下(例外として、避妊薬などホルモン補充療法を受けていて、性器出血が持続している場合)。
  5. 神経性過食症のA(過食エピソード)およびB(食べたいという強い欲求)の診断基準を満たさない。

(2)神経性過食症

 食べたいという強い欲求があり、それをコントロールすることができず、多量の食べ物を食べてしまいます。しかし、食べてしまった後に強い罪悪感や肥満への恐怖を感じ、そのため、嘔吐したり、下剤を使用したりして、カロリーとして消費しないような行動をとってしまいます。神経性無食欲症に比べると体重の減少はあまり見られません。

 神経性過食症のDSM-5とICD-10の診断基準では以下の通りです。

DSM-5における神経性過食症の診断基準

  • 反復する過食エピソード、過食エピソードは以下の両方によって特徴づけられる。
    1. 他とははっきり区別される時間帯に(例:任意の2時間の間の中で)、ほとんどの人が同様の状況で同様の時間内に食べる量よりも明らかに多い食物を食べる。
    2. そのエピソードの間は、食べることを抑制できないという感覚(例:食べるのをやめることができない、または、食べる物の種類や量を抑制できないという感覚)
  • 体重の増加を防ぐための反復する不適切な代償行動、例えば、自己誘発性嘔吐;緩下剤、利尿薬、その他の医薬品の乱用;絶食;過剰な運動など
  • 過食と不適切な代償行動がともに平均して3ヶ月にわたって少なくとも週1回は起こっている。
  • 自己評価が体型および体重の影響を過度に受けている E.その障害は、神経性やせ症のエピソードの期間にのみ起こるものではない。

ICD-10における神経性過食症の診断基準

  1. 短時間内に大量の食物を食べる過食のエピソード(少なくとも週2回以上、3ヶ月間にわたって)が存在する。
  2. 持続的な摂食へのこだわりと、食べたいという強い欲求や衝動(渇望)が存在する。
  3. 以下の1つかそれ以上の方法で、食物による太る効果を打ち消そうとする。
    1. 自己誘発性嘔吐
    2. 自己誘発性の排出
    3. 過食と交互に現れる絶食の期間
    4. 食欲抑制薬や甲状腺末、利尿薬などの使用。糖尿病の患者の場合に過食が生じれば、インスリン治療を怠ることがある
  4. 自ら太っていると知覚しており、肥満への強迫的な恐怖が存在する(通常、低体重に導く)。

3.摂食障害の実態

(1)疫学

 疫学とは集団を対象として病気の発生原因や流行状態、予防などを研究することです。その疫学から摂食障害をみていきます。

 性差では、圧倒的に女性が多く、女性10~15人に対して男性1人ぐらいの比率で摂食障害が発症します。

 発症年齢は神経性無食欲症では10代前半から次第に多くなります。神経性過食症では10代後半から20代が多いようです。

 有病率は女性の場合には1.5%~10%で、神経性過食症の方がやや多いようです。

(2)予後

 全ての摂食障害の約1/3は5年以上の治療によっても症状が変わらないようです。しかし、約50%の摂食障害は5年以下で大きな改善を示すデータがあります。また、神経性無食欲症では自殺や栄養障害による致死率が他の精神障害よりも高い値となっています。

 治療効果としては、未治療群よりも治療群の方が数倍程度、治癒率が高いようです。

 予後不良を予測するいくつかの要因としては神経性無食欲症では、低いBMI指数、身体的合併症がある、パーソナリティ障害の併発、家族の機能不全、低い社会適応などがあります。また、神経性過食症では、薬物乱用、重度の過食嘔吐、対人関係の問題、低い社会階層、低収入、パーソナリティ障害の併発などがあります。

(3)合併症

 神経性無食欲症では合併症として、パーソナリティ障害大うつ病性障害、強迫性障害などの不安障害が多く見られます。また、神経性過食症では、いじめ、不登校、性的逸脱、物質乱用、パニック障害、不安障害、うつ病などが多くみられるようです。合併症が見られる場合には、何を治療ターゲットとするのかの見極めが大切です。

4.摂食障害の原因

(1)遺伝・生物学的な要因

 これまでの双子研究、家系研究、分子遺伝の研究により遺伝要因が作用していることが明らかにされています。ただ、神経性無食欲症と神経性過食症では遺伝子が異なることも発見されており、両者は同じ食行動の異常ではあるが、別の疾患ではないかとも言われています。

 また、若い女性の発症率が高いことから、ホルモンの変化の要因が示唆されています。

(2)文化・社会的な要因

 モデルのように痩せていることが好ましいとされることが多いのが現代です。そのことがダイエットに女性を駆り立てたりもします。また、痩せることが女性の間での性的競争によるものと示唆する研究もあります。そうしたことが摂食障害の発症に関わっていると言われています。

(3)心理・性格的な要因

a.ボディイメージ障害

 自分自身の体型をどのように知覚しているのか、というのがボディイメージです。実際の体型と想像している体型がある程度合致していることが通常です。しかし、その乖離が大きいとボディイメージ障害となります。例えば、実際の体型が非常に細いにも関わらず、自分の体型は太っていると知覚・認識していることなどは典型例です。こうしたボディイメージ障害があると、痩せているにも関わらず、それでも痩せようとしてしまい、摂食障害へと至ってしまいます。

b.嗜癖

 過食をすることで脳内物質の分泌に異常をきたします。そのことにより、過食や拒食、排出に快感が結びつき、何度も繰り返してしまいます。それが嗜癖といわれる状態となります。タバコやアルコール、薬物を求めるのと同じように、衝動をコントロールすることができなくなってしまい、過食や拒食、排出を繰り返します。

c.低い自尊感情

 摂食障害の方は自尊感情が非常に低く、自分自身を良いものとして見ることができないようです。そのため、モデルのように痩せていることが良いことであり、痩せると他者からの注目を集めることができ、自分自身が良いものとして感じられるのではないかと誤認してしまいます。そうしたことが過度なダイエットとなったり、摂食障害への至ったりしてしまいます。

 しかし、もちろん、そうしたことで自尊感情が高まることはなく、ますます自分自身を醜く感じてしまい、自尊感情は反対に低下してしまいます。

d.強迫性

 強迫性とは強いこだわりのことです。食事の事ばかりにこだわってしまい、食事の事ばかりを考えてしまいます。仕事をしていても、遊んでいても、寝ていても考えることは食事です。他のことに興味関心を持てず、そのため生活を楽しむということができなくなってしまいます。こうしたことが過食や拒食へとつながってしまいます。

e.極端な対人関係

 摂食障害は症状を通して他者を巻き込んだり、コントロールしたりします。人間関係が一面的であったり、一方通行であったりし、友好で良好な人間関係を保ちにくいようです。中には、過度に社交的で、明るい人もいますが、往々にしてそれは自然な振舞いというよりは、人工的で、演技的で、自分を押し殺して、他者に合わせているような関係です。そのため、非常に疲れてしまったり、不満など本当に言いたいことは言えないのです。

f.家族関係

 家族の中で虐待的なことがあったり、非常に冷たく、交流の少ない家族関係であることがしばしばあるようです。支配的だったり、葛藤的だったりする家族の中の歪みが摂食障害の要因となっていることもあります。

g.極端な思考

 良いと悪いが極端に分裂しており、その中間であるグレーを認識しにくい傾向があります。そのことが自分自身をとてつもなく悪い存在としてみてしまったりすることもあれば、他者に対して強い攻撃や怒りとなってしまうこともあります。また、思い込みの強さから、人から笑われている、変な風に見られていると被害的になってしまい、そのことが心を不安定にさせてしまいます。

(4)摂食の問題は結果にすぎない

 摂食障害は食行動の問題という症状がありますが、それは結果にしかすぎません。その症状の元となる原因や要因がいくつかあり、そのことを解決したり、解消したりすることが必要となります。つまり、食行動だけを変化させようとしても多くは失敗に終わります。そうではなく、摂食障害へと至ってしまうその原因や背景を取り扱っていく必要があると言えます。

5.摂食障害の治療

(1)薬物療法

 様々な研究から摂食障害の治療における第一選択は常にカウンセリングであることが示されています。しかし、いくつかの薬物療法が補助的に使用できることもあります。神経性過食症にはフルオキセチン(日本では未承認)が再発予防には効果があることが示されています。また、神経性無食欲症にはオランザピン(商品名:ジプレキサ)が焦燥感や反芻思考に効果があるとされています。

 一方で、こうした薬物療法は改善には効果があったとしても、治療完了を阻害させているという研究もあり、慎重に使用する方が良いでしょう。

(2)入院治療

 神経性無食欲症などで体重が25~30kgを下回り、生命に危機が生じたときなどは入院治療が必要になります。その他の身体的、精神的な合併症があり、通所・外来での治療が困難であるときにも入院治療が検討されます。こうした時には、カウンセリングよりも行動制限や強制的な栄養摂取といった生命維持が優先されるでしょう。

(3)家族の支援

 摂食障害は他者をコントロールしたり、巻き込んだりすることが往々にしてあります。特に身近な家族はそれによって大変疲弊してしまいます。摂食障害の治療において家族がクライエントを支えねばならないことがあります。しかし、疲弊していたり、これまでの巻き込み行動で否定的な感情をもってしまっていると、そうした支えの機能が発揮できません。こうしたとき、摂食障害の家族に対して適切に支援し、支えの機能を回復してもらうことが必要となってきます。家族療法をするほどのことはしなくても、カウンセラーが家族を支え、支援し、抱えていくことで、間接的に摂食障害の治療を有効にしていくことができるでしょう。

(4)カウンセリング

 上にも書いた通り、摂食障害の治療の第一選択はカウンセリングとなります。カウンセリングといっても様々な種類があります。その中でも摂食障害に効果的なものをいくつか挙げていきます。

a.動機づけ面接

 動機づけ面接とは元々はアルコール依存や薬物依存といった治療への動機づけが低い人に対して、どのように治療に乗せ、効果を上げるかといった観点から開発されたカウンセリングです。詳しくは「動機づけ面接をめぐって」をご覧ください。

 摂食障害の場合にも治療への動機づけが低い場合が往々にしてあります。体重が減りさえすれば全ての問題が解決するからダイエットをしているだけ、という強い認識があります。そのため、本人ではなく、周りの家族が最初に相談に訪れることがしばしばです。

 動機づけ面接では摂食障害の両価性を尊重し、質問と傾聴を用いて、チェインジトークを引き出していきます。その中で摂食障害であることの不都合さや治療することの意義について気付いていってもらいます。こうした動機づけ面接は治療の初期に導入することで、予後が良くなることが示されています。

b.認知行動療法

 様々な疾患において、多数のエビデンスを示してきているのが認知行動療法です。詳しくは「認知行動療法の詳細について」をご覧ください。摂食障害においても治療効果があることが示されています。認知行動療法においては、主に体重のコントロールやこだわりの減少、非機能的な認知の改善などを目指します。

c.対人関係療法

 最近注目され始めたカウンセリングの一種です。名前から分かる通り、対人関係の改善を通して、症状や問題を解決する治療方法です。ストレスには様々な原因がありますが、常に対人関係はその上位を占めています。その対人関係を取り扱うことは非常に理にかなっていることです。摂食障害では単に食行動の異常だけではなく、様々な対人関係上のトラブルが発生しますので、それを取り扱うことで摂食障害の治療を行います。

d.精神分析的心理療法

 今ある全てのカウンセリングの技法の中でも歴史がもっとも長く、そのため、知見や理解がもっとも広くて、深く積み重なっているのが精神分析、精神分析的心理療法です。詳しくは「精神分析的心理療法-歴史-の詳細について」や「精神分析的心理療法-理論と実践-の詳細について」をご覧ください。

 摂食障害には、極端な思考や他者の巻き込みといった特徴的なことがあります。それらは特にカウンセリング場面において、カウンセラーとの関係において展開します。精神分析ではそれを転移と言います。カウンセラーとの間で、今ここで展開するからこそ、生々しく感じることができ、リアルに理解していくことができます。カウンセラーと一緒に今ここで起こっていることを丹念に話し合い、扱うことによって変化させていくことができます。

 また、精神分析、精神分析的心理療法では通常は他のカウンセリングの技法よりも長期にわたることが多いです。長期にわたるということは負担は確かに大きくなるかもしれませんが、そうしたデメリットだけではなく、根本から、そして様々な側面について取り扱っていくことができますし、それがメリットであるともいえます。いくつかの研究、エビデンスでは、精神分析的心理療法は認知行動療法などの他のカウンセリング技法よりも治療が終わってからの再発率の低さや改善の維持が優れていると示されています。

e.日常臨床の視点から

 上記のような専門的なカウンセリング技法を系統的に使用するのではなく、必要に応じ、部分的に活用しながら、目の前の摂食障害のクライエントに即しながらカウンセリングをしていくということは可能です。

 摂食障害の場合、異常な食行動が華々しいため、どうしてもそこに着目し、何とかして食べさせよう、吐かせないようにしようといった症状に直接働きかけてしまいがちです。しかし、これまで書いたように、摂食障害における食行動の異常という症状は結果にしかすぎません。根本の原因であるボディイメージ障害や低い自尊感情、極端な思考などの改善を目指すことが必要になります。

 初回面接や治療初期にはアセスメントをしつつ、可能であればラポールを築くことを心掛ける必要があります。そして、ある程度の治療目標を共有し、治療契約を結びます。この時にはカウンセリングの頻度は週に1回や週に2回といった頻回のカウンセリングに設定できると良いでしょう。単純に何度も会うことで分かり合えたり、つながりあえたりすることは日常的な関係でも同じです。また、時に応じて摂食障害の家族にも会い、協力体制を作る努力をしても良いかもしれません。

 そして、治療が展開すると、必ず精神分析でいうところの転移が活発に作動します。つまり、カウンセリング関係の中で病理があらわに展開します。例えば、カウンセラーを巻き込んだりもします。または、カウンセラーを非常に理想化したと思えば、強い怒りや攻撃性を向けてきたりします。そうしたことがコロコロとうつりかわり、一定しないこともしばしばです。カウンセラーに対して太っていない保証を何度も求めて依存的になることもありますし、それに応じないと、手のひらを返したように極悪非道なカウンセラーであると罵倒してきたりもします。こうした事態について転移という概念を知っているとある程度、耐え忍んで、抱えていくことができるでしょう。知らないと焦ってしまって安易な保証をしたり、場当たり的なことをしてしまったりして、失敗します。

 こうした治療展開は非常に苦しいですが、ある程度の嵐が過ぎ去り、それでも関係を維持し続けると、それが本当の意味でのラポールとなっていきます。この時に、これまで食べ吐きや拒食で誤魔化していた心の中の苦しい葛藤や苦悩がしみじみと語られることも増えていきます。幼少期からの傷つきやトラウマが浮き彫りになるのもこの時期が多いかもしれません。

 その後に、徐々に問題行動も少なくなり、前向きに考えられるようになり、食行動以外への興味関心が次第に増えていきます。友人関係が豊かになることもあるでしょうし、仕事をこなせるようになることもあるでしょう。そこまでではなくても、デイケアや作業所で時間を過ごせるようになるかもしれません。この時期になると、しばしばカウンセリングを終えることについて話題に上ります。カウンセリングを終えることは嬉しい反面、悲しくて、寂しい気持ちになることもあります。いわゆるカウンセラーに対する分離不安と言えるでしょう。その心痛に耐え切れず、一時的にカウンセラーから捨てられたと被害的になったり、問題行動が再燃したりするかもしれません。それでも分離の不安と痛みを乗り越えることにより、さらにタフさが増してくるでしょう。

 そうして、ストレスや苦痛を過食や嘔吐、拒食で誤魔化すことをしなくても乗り越えられる強さが身についていくとカウンセリングはもう終了となるでしょう。

 こうしたプロセスは、しかし、一直線に進むものではなく、行きつ戻りつしながら進むものです。スポーツで言えば、スランプのような何の進展も見られない時期も訪れるかもしれません。それでも辛抱強くこらえながらカウンセリングを取り組むことはとても価値のあることだと私は考えています。

6.カウンセリングやSVを受けるには

 摂食障害といっても様々な病態があり、症状も多彩です。また各個人のパーソナリティの要因や生育歴、生活環境も全く違うため、実際の臨床ではアセスメントを経て、オーダーメイドの治療を行っていく必要があります。上記に書いた摂食障害の概要や治療方法は典型例や一般論であり、必ずしもすべての摂食障害に当てはまるものではありません。

 だからこそ、まずは実際にお会いし、何回か面接をし、そのクライエントに合ったものは何か?というものを見出して、提供していきます。こうしたカウンセリングを希望される方は「予約申し込み」からご連絡ください。

 また、臨床心理士や公認心理師、心理職、カウンセラーなどで摂食障害のカウンセリングに当たって困難に直面していたり、行き詰っていたり、膠着してどうしようもないという時にはスーパービジョンを受けると良いでしょう。特に摂食障害のカウンセリングでは困難に陥ってしまいやすいようです。スーパービジョンをご希望する方も「予約申し込み」からご連絡ください。


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