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リラクゼーション法

身体から心を解きほぐす

リラクゼーション法とは身体の緊張をほぐすことで心理的な調子も整えるリラックス方法です。「リラックスしよう」「もっと肩の力を抜いて」と言われても実行はなかなか難しいもの。

本記事ではリラクゼーション法について、効果や種類、簡単なやり方を解説します。気持ちの不安定さのほか、身体の疲労や力む感覚なども感じる方は是非ご覧ください。

1.リラクゼーション法とは

風船を飛ばす少女リラクゼーション法とは、不安や緊張と拮抗する筋肉の弛緩状態を作り出し、ストレスをほぐす方法です

生物学的には、人の身体は強い不安や恐怖を感じ続けると自律神経系の交感神経系が優位となり、心拍数の増加や発汗、血圧の上昇などの身体症状が見られ、緊張状態となります。緊張状態となることでストレスフルな状況に対処する姿勢を作れるメリットもありますが、この状態が続くと心身は疲れ切ってしまうでしょう。身体を整えたり緊張をほぐしたりするには副交感神経系を優位にすることが重要であり、リラクゼーション法では呼吸法や筋弛緩法を用いたアプローチで心身を和らげることを目的とします

また、リラクゼーション法は学習理論の考えをベースにした行動療法と関連がある方法です。行動療法では不適切な行動を学習した結果問題行動が生じると考えており、適切な行動の再学習を目指します。学習理論の中でも、リラックスした状態と不安や緊張などの相反する状態は同時に感じられないという古典的条件づけ(レスポンデント条件づけ)の逆制止の考えに注目し、緊張する場面でもあえてリラックスする新たな条件づけをして心身を緩めていきます。

ストレスや身体の緊張状態は心だけでなく身体にも問題が生じることが多いです。リラクゼーション法では身体に焦点を当てつつ心理的な安定を学習していくこと、手順を知れば1人でも実践できる手軽さが特徴的といえます

ちなみにリラクゼーション法は広い意味では認知行動療法の技法の一つであると言えます。その認知行動療法については以下に詳細がありますので、ご参照ください。

2.リラクゼーション法の効果

伸びをする子どもリラクゼーション法を試してみることで身体的な変化のほか、心理的・社会的な要因による不安や緊張を緩和し、心身共にリラックスした状態を期待できます

身体的な変化であれば、副交感神経系を刺激して自律神経系のバランスを保ち、身体を十分に休ませることが可能です。筋弛緩のほか、血行促進、ストレスの軽減、免疫力の向上などにもつながるでしょう。身体を十分に休ませて調子を整えることで、不眠や耳鳴りなどの身体症状の緩和や、気分の落ち込みや不安といった心の不調のケアにもなり得ます。

また、多くのリラクゼーション法は身体に焦点を当てています。自分の身体の状態や感覚に意識を向けることで、心身の調子や些細な変化に気づきやすくなるメリットも考えられます。意識的に身体を弛緩させられることで、自分で自分の状態を多少でもコントロールできるという達成感や心の余裕も生まれるかもしれません。リラクゼーション法は不安や緊張を感じたときにその都度実施しても効果を感じられますが、日常的に取り入れることで心身の健康状態を保ち、日々を快適に過ごせるきっかけにもなるでしょう。

なお、リラクゼーション法は心身のリラックスによりポジティブな効果が期待できますが、場合によっては急な筋弛緩で身体にあまり力が入らず、実施後に身体をぶつけるケガや怠さを感じることもあります。なるべく静かな環境で行い、実施後はゆったりする時間を過ごすことが望ましいです。

3.リラクゼーション法の種類と方法

腹筋をする女性身体の緊張状態をほぐしてストレスを緩和する意味では、広義にはヨガや体操、散歩などの軽い運動もリラクゼーション法の一種と言えますが、ここでは呼吸法、漸進的筋弛緩法、自律訓練法の方法を紹介します。

これらは外部の協力を借りることなくセルフケアとして利用可能ですが、無理に挑戦するものではありません。やってみようと思えることを、自分のペースで試してみてください。また、どのリラクゼーション法も安全に終えるために、実施後は身体を伸ばすなど軽い運動を取り入れることが望ましいです。

(1)呼吸法

呼吸は誰もが無意識に行っていることですが、意識的に呼吸法を行えば自律神経系を多少はコントロールすることが可能です。特に、胸部ではなく腹部に注意を向ける腹式呼吸が心身をリラックスさせます。腹式呼吸のやり方は以下を参考にしてみてください。

  1. 身体の力を抜くイメージで口から息を吐く
  2. 息を吐ききったら、肩に力が入らないように鼻からゆっくりと息を吸う
  3. 息を吸い終えたら2,3秒ほど息を止める
  4. ゆっくりと口から息を吐く

2~4のセットを数回繰り返すと、心身が落ち着きリラックス状態を感じられるでしょう。腹式呼吸を行う場合はへその下(丹田)に意識を向けて、息を吐くときに腹部を凹ませ、息を吸うときに腹部を膨らませることがポイントです。心身が緊張していると呼吸が浅くなりやすいため、深呼吸は難しいかもしれません。呼吸に合わせて、風船を膨らませたりしぼませたりするイメージを持つと実施しやすくなります。腹式呼吸が難しいと感じる場合は、仰向けになって腹部の動きを意識して呼吸をするとスムーズに行えます。

呼吸法は場所を選ばず、1人で少しの時間があれば手軽に行えるメリットがありますが、人によっては呼吸が苦しく感じることもあります。目的は心身の緊張をほぐすためなので、苦しい場合は無理に続けず他のリラクゼーション法を試してください。

(2)漸進的筋弛緩法

漸進的筋弛緩法は、身体に意識を向けてわざと緊張させた後に脱力することで筋弛緩を感じさせるリラクゼーション法です。アメリカの精神科医のE. ジェイコブソンによって開発された方法で、身体の緊張がほぐれた状態を知れる他に、力んだ状態との違いを実感できるため身体の感覚を把握しやすくなります。漸進的筋弛緩法のやり方は以下を参考にしてください。

  1. 実施前にはベルトを外すなどリラックスしやすい環境を作る
  2. 手を握って10秒ほど力を入れてから力を抜く
  3. 手が終わったら腕、顔、首、肩、胸部、背部、腹部、太もも、足など各部位で順に実施する
  4. 緊張がとれたか体の状態を確認する

身体に力を入れるときは痛みを感じるほど全力で行う必要はありません。50~60%ほどの感覚で力を入れてみてください。力む際は息を吸い、脱力する際は息を吐くとより違いを感じやすいでしょう。

身体を使うリラクゼーション法なので、怪我や痛みのある部位は実施を控えてください。漸進的筋弛緩法を行うことで、普段の身体の緊張に気づきやすくなれるメリットもあります

(3)自律訓練法

自律訓練法は、身体の状態を指す「公式」を順に唱えて全身の緊張を段階的にほぐしていくリラクゼーション法です

ドイツの精神科医のJ. H. シュルツによって体系化されており、「気持ちが落ち着いている」など自己暗示を続けることで緊張や不安、疲労、ストレスの軽減を目指します。公式を唱える際は身体の状態を変化させようと意識するのではなく、「受動的注意集中」といって公式を唱えているうちに身体の変化に気づいていく受け身の態度がポイントです。

公式によっては身体疾患を悪化させる可能性があるため、何かしらの身体疾患のある人は医療機関で相談して行うことを推奨します。

自律訓練法の詳細は以下のページをご覧ください。

4.まとめ

悩む女性忙しくストレスの多い現代では「リラックス」や「ストレス発散」と言っても具体的に何をすれば心身安らげるのか分からない人も多いでしょう。気づかないうちに身体に力が入り緊張することで、心への影響も見られます。普段意識をしないからこそ、リラクゼーション法で身体に意識を向けて心身の状態を把握し、快適な日常生活を送りましょう

(株)心理オフィスKでは一部、リラクゼーションを取り入れてカウンセリングを行っています。当オフィスでカウンセリングをご希望の方は以下の申し込みフォームからご連絡ください。

文献


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