HSP(The Highly Sensitive Person)とは、日本語では繊細な人、過敏な人、敏感な人という意味です。最近では繊細さんと呼ばれることもあります。ここではHSPの原因、特徴、診断テスト、改善方法、カウンセリング、問題点などについてまとめています。
目次
1.HSPとは
(1)HSPの概要
HSPとは、Highly Sensitive Person(繊細な人)の略で、感受性が高い人のことを指します。周囲の刺激に過敏に反応し、情報処理能力が高いという特徴があります。HSPは、適切な環境や自己管理の方法を知ることで、ストレスを軽減することができます。また、多くの場合、創造性や洞察力に優れ、人間関係を大切にする傾向があります。周囲の理解やサポートが重要です。HSPは、疲れやすかったり、不安定になったりすることがありますが、自分を受け入れ、自分に合った生き方を見つけることが大切です。
また、子どものHSPをHSC(The Highly Sensitive Child)と呼びます。
HSPは、ちょっとした物音や出来事などに強く反応してしまい、それによって苦痛や問題が生じてしまう人たちを指します。
例えば、救急車や消防車などがサイレンを鳴らして道を走っているとしましょう。普通の人であれば、そういった音については聞こえているな、ぐらいの認識でしょう。しかし、HSPの場合には、そのサイレンの音が非常に大きく聞こえたり、針で突き刺されるような苦痛として体験されたりします。
または、服の素材がザラザラしていたり、ベタベタしていたりすると、それだけでHSPは不快になり、そうした服を着ることができなくなってしまいます。
その他にも、味や臭いに非常に鋭く、普通の人であれば、分からないぐらいの味や臭いを敏感に感じ取ったりもします。
こうした五感(聴覚、触覚、味覚、嗅覚、視覚)が非常に鋭いのが特徴で、その鋭さゆえに苦しんでしまっている人です。そして、それが高じて生きづらさになってしまうこともあります。
(2)HSPの原因
HSPの原因についてはまだ解明されていませんが、生物学的な素質、遺伝、元々の生まれ等によるものといわれています。そして、HSPの特徴である感覚過敏や感受性が強いのは偏桃体に原因があるといわれています。
偏桃体とはアーモンドの形をした神経細胞の集まりで、感情の処理の機能があります。HSPはこの偏桃体の働きが一般人よりも強いようです。これが感受性の強さや感覚過敏の原因ではないかといわれています。
こうしたことがあるので、HSPを病院などで医学的に治す、ということが難しいのが現状です。治すのではなく、HSPがより生きやすいように対処法を身に付けていくことが大事になります。カウンセリングも対処法の一つです。
2.HSPのチェックリスト
以下はHSPに関する23項目のチェックリストです。自分でHSPかどうかを確認できるセルフチェック方式になっています。
それぞれの質問項目に「はい」か「いいえ」でお答えください。
表1 HSPのチェックリスト
(引用文献:ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (講談社 2000年))
この診断テストで12点以上の場合には、HSPである可能性が高いです。
もし自身がHSPかもしれず、それによってしんどいことが多いようであれば、以下の申し込みフォームから相談やカウンセリングをお申し込みください。
3.HSPのサブタイプ
HSPには3つのサブタイプがあります。一つ目はHSS型HSPで、二つ目はエンパスで、三つ目はHSCです。
(1)HSS型HSP
HSS(High Sensation Seeking)とは刺激探索型といわれます。知的好奇心が強く、刺激を求めます。衝動性も高く、考えるよりも先に行動してしまいます。
そのHSSの特性を備えたHSPを、HSS型HSPと言います。HSS型HSPは刺激に過敏で、傷つきやすいのにも関わらず、強く刺激を求めます。外交的なHSPといえるでしょう。
図式化すると以下のようになります。
(2)エンパス
エンパス(empath)とは、共感性(empathy)からきている言葉です。HSPの中でも共感性が高い人達のことです。エンパスは相手の感情や苦痛を自分のこととして過度に感じてしまいます。それによって刺激に左右され、人に振り回されてしまいます。
また、空気を過剰に読んだり、相手の気持ちに過度に合わせたりするため、非常に疲弊してしまいます。
(3)HSC
HSC(The Highly Sensitive Child)とは子どものHSPのことです。子どもは一般的に大人よりも感受性が高く、すぐに刺激に反応してしまいます。しかし、HSCの子どもはそうした傾向が一般よりも強く、そのため、さまざまなトラブルを起こしてしまいます。
友人との関係が上手くいかなかったり、教師の指導がうまく伝わらなかったり、家庭の中で親と感情的に対立してしまったりなど、非常に大変な状況になることもあります。
4.HSPの特徴
HSPには大きく分けて4つの気質的な、性格的な特徴や傾向があるといわれています。そのそれぞれの頭文字をとって「DOES」といいます。
(1)処理の深さ(Depth of processing)
HSPは感覚的な刺激を強く、深く受け取り、処理する傾向があります。そのため、長い時間考えたり、物事を深く掘り下げて考えたり、生真面目に受け取ったりします。
あまりにも深く考え込み過ぎてしまい、うつ症状になってしまうという傾向もあります。
(2)刺激の受けやすさ(Overstimulated)
人間は無意味な刺激や過剰な刺激にはフィルターをかけ、あまり感じないようにします。そして、重要な事柄のみキャッチし、把握します。しかし、HSPはこうしたフィルターが弱いため、全ての刺激が心の中に入り込んでくるという特徴があります。
そのため、一度にたくさんの情報を処理しなければならないので、疲労感や倦怠感などの症状ができることもあります。
(3)情緒的な反応と高い共感性(Emotional reactivity and high Empathy)
感情や情緒が揺さぶられやすく、強く反応してしまう特徴があります。人の考えや気持ちを察知し、同情や共感をしてしまい、相手に入り込んでしまう傾向があります。そのため、人との関係に巻き込まれたり、巻き込んだりしてしまい、トラブルになってしまいます。感情不安定といった症状になることもあります。
反面では、芸術や文化に強く惹かれ、感動することができます。また人の傷つきを理解しやすいため、人に対して優しく接するといった良い特徴も見られます。
(4)些細な刺激に対する感受性(Sensitivity to Subtle stimuli)
刺激をキャッチする五感の感度が非常に強く、通常であれば知覚できないような感覚もキャッチしてしまいます。そして、キャッチした感覚を長い時間にわたって感じ続けてしまう傾向があります。
そのため、大きな音や騒がしいところでは非常に苦痛を感じたり、疲れてしまったりします。人から言われた些細な事柄にひどく傷つき、それを引きづり、後々にわたるまで覚えていたりします。
それが時にはうつ症状や不安症状になったりすることもあります。
5.HSPと混同される他の障害
HSPと混同しやすい精神障害や精神疾患がいくつかあります。それらについてここでは説明します。
(1)発達障害
発達障害には自閉スペクトラム症とADHDなどの診断があります。
自閉スペクトラム症には感覚過敏の問題があり、些細な刺激を処理することができずパニックになったりします。また、強いこだわりがあるので、それらが深く物事を考えているように見えることもあります。そうしたところがHSPと非常に似通っているところです。
ADHDは注意がそれてしまいがちで、ちょっとした刺激に翻弄されてしまうことが多くあります。そして、何の考えもなしにパッと行動に移してしまいがちです。こうしたところがHSPと混同されやすいところです。
発達障害はこうしたように過敏性以外にもコミュニケーションの問題や社会性の問題、注意集中の問題があるので、この部分の対処や対応、カウンセリングが必要になります。刺激を避けるだけではなく、発達障害を対象にした訓練や療育が必要になるので、HSPと診断してしまうと、まずいことになってしまいます。
こうした発達障害の詳しくは下記のリンクを参照してください。
(2)不安障害
不安障害は過度な不安とそれによる不適切な行動をしてしまうという特徴があります。不安が強いため、些細な事柄にも過敏に反応してしまいます。過敏さや敏感さというところで非常に似ているといえるでしょう。
不安障害は薬物療法や非合理的な認知の修正などの治療が必要になります。であるにも関わらず、HSPと診断してしまうと、こうした必要な治療が受けられなくなるのは問題かもしれません。
具体的にカウンセリングでは認知行動療法などを用いて、認知の修正などに取り組みます。
不安障害について詳しく知りたい方は下記のページを参照してください。
(3)愛着障害
愛着障害は幼少期の愛情形成の時期に課題があり、そのことによって人の言動に左右され、過敏に反応してしまいます。その反応の仕方がHSPと似ています。
愛着障害と診断された人は、良くも悪くも人との関係を気にしてしまったり、人を求めてしまったりします。それをある程度は許容しつつ、関係に巻き込まれないようにする必要があります。愛着障害であるにも関わらず、HSPと診断してしまうと、こうした微妙な関係を取り扱うことができなくなってしまいます。
愛着障害のカウンセリングでは愛情にまつわる葛藤やトラブルについて話し合って、折り合いをつけていくことになるでしょう。
愛着障害についての詳細は下記をご覧ください。
(4)境界性パーソナリティ障害
パーソナリティ障害にもいくつかの分類があり、境界性、自己愛性、演技性などあります。いずれもパーソナリティやそれに伴う行動や対人関係の歪みにより、問題が発生します。
境界性パーソナリティ障害にも過敏性があります。特に他者との関係の中で非常に敏感になり、被害的になり、それによって感情が高まってしまいます。そして、時には人を巻き込んでしまうこともあります。こうしたところにHSPとの重複が見られます。
境界性パーソナリティ障害と診断された人は、他者との関係性に問題が生じてきます。そのため、関係性がこじれないように配慮する必要があります。HSPと診断してしまうと、そうした関係性への配慮が行き届かなくなってしまい、パーソナリティ障害を悪化させてしまうことになります。
境界性パーソナリティ障害のカウンセリングでは人との関係性に焦点を当て、どのように距離を取るのか、付き合うのかをテーマにして、取り組むことが多いかもしれません。
境界性パーソナリティ障害についての詳しいことは下記を参照してください。
6.HSPの克服方法
ここでは自分自身がHSPである場合と、家族などの身近な人がHSPである場合の2つについて、HSPの改善方法・克服方法・治療方法を解説します。
(1)HSPが自身で行えること
HSPが自分自身で行える克服・改善方法を以下に解説します。
a.活動と慣れ
まず、敏感さがあるからといって、刺激をさけ、安全にだけを気を付けて生活をすると、さらに刺激に弱くなっていきます。ですので、反対に、活動し、趣味を見つけ、外に出ていくことが必要です。刺激に徐々にさらすことによって慣れていくでしょう。
ただ、これは鍛えれば良いということではありません。ただ苦痛を受けるだけでは無意味です。大事なことは、その活動に何らかの意味や面白さを見つけて克服していくのです。
b.HSPの睡眠
過敏性のため、ちょっとした物音で起きてしまい、熟睡できないことがあります。そして、また寝られないのではないかと不安になり、それによってますます寝られなくなります。
そうした時、寝ることができないのであれば無理に寝ようとせず、ただ眼を閉じてじっとしているだけでも良いでしょう。それだけでも周りからの刺激を減らすことができ、睡眠に近い状態にしていくことができます。
こうしたことで睡眠を改善することで、結果的に気持ちや心にゆとりが生まれます。それが結果的にHSPの克服に繋がります
それでも不眠がひどい場合には、以下のページにある不眠の治療やカウンセリングで書いているようなことを実践すると良いでしょう。
c.安全基地を持つ
HSPは強い刺激にさらされており、その苦痛と疲労はとても大きいでしょう。だからこそ、自分だけの安全基地を持つようにしましょう。疲れたとき、苦しいとき、傷ついたときには、安全基地に逃げ込み、自分を癒し、大事にし、エネルギーを蓄えましょう。
これは引きこもりとは違います。引きこもりは長期にわたるものであり、それによって社会的な機会をたくさん失ってしまいます。安全基地は一時的で、部分的なものです。回復すれば、また安全基地から出て、頑張っていくのです。
安全基地を持つという改善方法は非常におすすめです。
d.距離をたもつ
HSPは人の言動や感情に振り回されてしまいます。そのために疲弊してしまいます。人は人、自分は自分と分けて考えていきましょう。
そして、人に対してできることとできないことを見極め、できることはし、できないことはしないと割り切れると良いかもしれません。
これは人に対して冷たくするということではありません。自己中心でもありません。自分の人生の方を大切にできるのも効果的な改善方法・克服方法です。
(2)HSPの周囲の人が行えること
家族や恋人、友人がHSPの場合に周囲の人が行える改善方法・克服方法・治療方法をいくつか挙げます。
a.HSPの特徴を知る
まず、HSPの特徴を知ることが一番大事でしょう。HSPとはどういう特徴があり、どういう行動傾向があり、どういうことに弱みがあり、どういうことに強みがあるのか、を理解することで見えてくることがたくさんあります。
また、HSPの特徴だけではなく、その人の個性も含めて理解できると良いでしょう。理解され、受け入れられるという体験はHSPだけではなく、どんな人でも多かれ少なかれ、心地よい体験となります。
こうしたことがHSPの人の改善や克服を手助けするのです。
b.HSPの良いところを褒める
HSPは弱みもあれば、強みもあります。弱みだけを見てしまうと、改善させようとか頑張らせようとかいう意識になりがちです。それは存在そのものを否定することになってしまいます。
敢えて強みに目を向け、頑張っているところや良いところを見つけ、積極的にそれを称賛し、評価し、伸ばしていくようにすると良いでしょう。それによって自信がつき、さらに積極的な行動になっていくことでしょう。
そうすることによって、HSPが自発的に改善に向けて、克服に向けて、治療に向けて、自ら動き出すでしょう。
c.HSPをそっと見守る
HSPは強い刺激によって疲れてしまいやすいです。疲れてしまっているときには関わることを避け、そっとしておいてあげましょう。HSPは一時的にひきこもることにより、疲労を癒し、回復しようとしているのです。
ただし、そっとしておくことは、ほったらかしにするということではありません。注意や関心は向けつつ、今どうしているのかは観察しながら、適切な時に声をかけることも見守る内に入ります。
こうしたことがあるとHSPもエネルギーを補充することができます。そして、改善に向けてまた取り組むことができます。
d.HSPとの穏やかなコミュニケーション
HSPと会話をするときには、ゆっくりとしたスピードで、やわらかい口調で、はっきりと伝えると良いでしょう。こうしたように周りの人が改善することもできます。
HSPは人の感情や気持ちに敏感で、時には被害的に受け取ってしまうこともあります。ですので、ある程度自己開示をし、こう思っているよ、とか、こんな風に感じているよ、とか、怒っているわけではないよ、といった思いや考えをHSPに率直に伝えると良いでしょう。
感情的になってきつい言葉をぶつけたり、言っていることと行っていることがバラバラだったり、一度にたくさんのことを言ったりすると、HSPは混乱してしまいます。
周りの人の改善や克服に手助けするためにこうしたコミュニケーションを実践できると良いかもしれません。
7.HSPの治療とカウンセリング
HSPの傷つき、対人関係、生きづらさ、アイデンティティの4つに対するそれぞれのカウンセリングについて解説します。
(1)HSPの傷つきに対するカウンセリング
HSPは過敏性があるため、普通であれば傷つかないことでも傷ついてしまいます。例えば、人から言われた些細な言葉がHSPの人の心に突き刺さり、哀しい思いをしたり、悔しい思いをしたりしてしまいます。
また、他の人は気にせず、普通にできるのにも関わらず、HSPの人にはハードルが高いことは多いです。そのため、HSPは自信を無くしたり、自尊心が傷つけられたりします。
そして、こうしたことは時にはトラウマとなってしまうこともありますし、PTSDを発症することもあります。
トラウマとなってしまうと、その出来事を急にありありと思い出してしまうようなフラッシュバックが起こったりします。もしくは出来事があった場所や人を過度に避けてしまい、日常生活が制限されることもあります。また常にびくびくしたり、不安が高くなり、落ち着くことができなくなってしまいます。
こうしたことが起こると、カウンセリングなどを受ける方が良いでしょう。
当オフィスでのカウンセリングでは、傷ついた出来事を些細なことであると過小評価せず、大きな出来事であったと共有し、その苦痛に共感していくことは基本的な事柄として大切にあつかっていきます。
その上で、トラウマやPTSDの治療に準じた専門的な方法(EMDRや認知行動療法など)を提案しますが、HSPの特徴を加えた方法になります。HSPの過敏性があるので、強い作用を素早く加えるような技法はさらに苦痛が増してしまうリスクがあります。ですので、当オフィスでは、HSPの傷つきを改善していく時には、少しゆっくり目のペースで技法を実施し、過敏性を刺激しないように細心の注意を払いながら進めていきます。
(2)HSPの対人関係に対するカウンセリング
HSPは過敏さのため、対人関係においてトラブルが生じます。特に家族などの近親者との間でもトラブルになってしまいます。それはHSPが人の言動や感情に巻き込まれ、振り回されてしまいがちであることからすると、当然のように起こります。
例えば、HSPは感覚過敏によって、普通の人には感じない苦痛を感じます。そのことを家族などの周りの人に分かってもらえないとさらに辛くなります。それが時には爆発し、周りの人をHSPは責めてしまったり、怒りをぶつけてしまったりするかもしれません。
そこで、当オフィスのカウンセリングを受けていただき、根本的な部分を改善することにより、対人関係を良好に結べるように治療いたします。その中で、人間関係に関するHSPのお悩みでは対人関係におけるスキルが必要になってきます。
当オフィスではSST(社会技能訓練)のようなスキルを自然と身につけさせ、それを実生活に活かせるようにカウンセラーが対応いたします。またアンガーマネジメントのように怒りをコントロールし、適切に関わっていくスキルを、その人の悩みに合わせてお教えいたします。さらにはアサーショントレーニングをご提案することもできます。当オフィスでのアサーショントレーニングでは、自然な自己主張をできるように、カウンセラーと一緒に練習します。
(3)HSPの生きづらさに対するカウンセリング
HSPによって、生きることや生活することに絶望し、自身の人生を否定してしまっている場合もあります。もしくは、スムーズに生きることができないことのやるせなさを強く感じてしまうこともあるでしょう。周りの人は楽しく生活できているのに、HSPだからこそ、一つ一つにこだわってしまって、それが楽しさを半減させてしまいます。
そのため、生きづらさを感じ、全てが嫌になってしまっているかもしれません。これまでの人生を振り返れば、理解できます。しかし、過去の人生をすべて否定してしまうと、生きる希望もなくなります。
人生に絶望し、楽しみもなく、気分が落ちて、意欲もなくなってしまっているのであれば、専門家に相談し、カウンセリングを受けると良いでしょう。
当オフィスが実施しているカウンセリングでは、これまでの過去の人生を振り返り、あらたに見直し、別の見方がなかったのかをカウンセラーと一緒に探すことができます。HSPの問題だったのか、それとも関係なく個人の問題だったのかをカウンセラーと一緒に検討して、区分けしていくことも有効でしょう。これは悪かった部分を否定するわけではありません。良い面も悪い面も両方取り上げ、自身の人生をあらたに捉えなおしていく作業です。
こうした作業は時には大変苦しい思いをすることもあるかもしれません。ですので、当オフィスのカウンセラーはHSPの立場に立ち、苦しみを一緒に背負い、HSPのペースに合わせて、カウンセリングをしていきます。
また、当オフィスでは精神分析的心理療法を実施することもできます。HSPの生きづらさを改善するために、この精神分析的心理療法が役立つこともあります。精神分析的心理療法について詳しく知りたい方は下記のリンク先をご参照ください。
(4)HSPのアイデンティティに対するカウンセリング
アイデンティティとは自己同一性のことで、自分が自分である、ということを示す事柄をさします。例えば、学生である私、主婦である私、教師である私など何らかの属性に自分をくっつけて、自分を表すこともあります。
そして、HSPは、HSPである私、という形のアイデンティティを作ることがあります。人によってはHSPであると診断されることで安心するようです。なぜなら、これまでの苦痛や困難が説明され、理由がわかり、自分の責任ではないと思うからでしょう。それらは部分的には必要かもしれません。
しかし、HSPという診断に安心し、全ての問題をHSPの責任にし、努力と行動を放棄してしまう人もいます。そうなるとHSPという診断が、その人の成長を妨げてしまいます。HSPである私に落ち着いてしまい、そこから努力したり、工夫したり、頑張ろうとできない時には当オフィスのカウンセラーに相談してみたり、カウンセリングを受けたりしてみてください。
当オフィスのカウンセリングでは、HSPのアイデンティティを否定することはありません。しかし、そこにこだわりをもってしまい、成長を阻害してしまっているのであれば、カウンセラーははっきりと指摘することもあるかもしれません。それはHSPの方を攻撃しているのではありません。
「HSPである私」といった限定的で、否定的なアイデンティティではなく、「私は私」という健康なアイデンティティを作ることが大事です。当オフィスのカウンセラーは、HSPとは関係なく、その人らしい生き方ができるようにカウンセリングでは支援していきます。
8.雑誌「美的」に掲載
小学館の雑誌「美的」でHSP特集が組まれた時、私のインタヴュー記事も以下に掲載されました。
もしかしてあなたも「HSP(=ひといちばい敏感な人)」? “敏感さん”ってこういう人!(美的.com)
9.HSPについてのカウンセリングを受ける
HSPについての概要やチェックテスト、特徴、改善方法、カウンセリングなどについてまとめました。
HSPを改善したい、克服したい、HSPのカウンセリングを受けたいという人は、以下のフォームから当オフィスにご連絡ください。