不安障害(パニック障害・強迫性障害・社交不安障害・心気症・恐怖症)のカウンセリング

1.不安の生物学的基盤

不安とは非常に苦痛な感情ではありますが、人間が進化の過程で獲得した、生存のためには重要なものです。不安があるからこそ、危険なことを避け、死のリスクを下げることができます。そうした意味でも不安は危険信号、アラームのような役割をはたしています。しかし、そのアラームが何らかの原因で誤作動を起こしてしまうことを不安障害と言います。

2.不安障害の分類

不安障害には以下のようないくつかの分類があります。

  • パニック障害(特定の場所や状況でパニック発作を起こすことや、そうした場所や状況を回避する)
  • 強迫性障害(落し物や不潔など些細なことが気になり、何度も確認したり、何度も洗い流そうとしたりする)
  • 社交不安障害(人からの視線や評価を過度に気にしてしまい、それを避けたりする)
  • 心気症(自身が何か大きな病気になっているのではないかということを過度に気にしてしまう)
  • 恐怖症(閉所、暗所、高所、尖端、動物など特定の物体や場所を過度に怖がること)

上記のいずれも不安の強さゆえに、その不安を感じさせるものを遠ざけようとしたり、避けたりしてしまい、結果的には避けることのほうが日常生活の支障となってしまいます。たとえば、パニック障害であれば、パニックになることを恐れ、電車やバスに乗らないようにすることで、通勤や通学ができず、ひきこもってしまったりします。ひきこもっている間はパニックは起きないのですが、パニックを起こさないようにするための引きこもりのほうが社会生活の問題となってしまいます。

3.不安障害に対する対応

(1)不安を和らげる

さて、そうした不安障害に対しては大まかには3つのアプローチがあります。一つは不安を和らげる方法で、薬物療法やカウンセリングになります。抗不安薬はダイレクトに不安を和らげ、また素早く効き目があらわれます。そのためコストパフォーマンスはとても良いです。カウンセリングでは、不安なことを話し合うことにより、不安が低下し、客観的に物事を見ていけるようになるでしょう。

(2)不安に曝露する

2つ目のアプローチは不安を和らげることとは反対のことをします。つまり、逆に不安を高め、その不安に直面し、不安に慣れて行くという方法です。エクスポージャー法や曝露法とも言われ、認知行動療法の中の一つの技法として位置づけられます。不安なものに直面していくのは最初は非常に恐ろしいですが、繰り返すことにより徐々に慣れて行くことができます。

(3)無意識を探求する

最後の3つ目のアプローチですが、不安になる無意識的な原因やきっかけを探索し、隠されたコンプレックスや葛藤を紐解く方法です。これらは精神分析的心理療法と呼ばれます。通常、上記2つよりも時間はかかりますが、根本的な解決になっていくので、再発は上記2つよりも少ないという研究データがあります。こうした療法を受ける時には、教育分析や個人分析スーパービジョンを受けているような専門的なカウンセラーに依頼すると良いでしょう。

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