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身体表現性障害のカウンセリング・相談

心か身体か

身体表現性障害(身体症状症)とは身体には何も異常、障害、病気は無いにも関わらず、消化器症状、循環器症状、泌尿器症状、皮膚症状、疼痛などがあらわれる障害です。多くはストレスなどの心理社会的な要因が作用していますが、身体表現性障害の方はそれとは気付かず、身体の病気であると固く信じている傾向があります。

ここではそうした身体表現性障害について解説します。

身体表現性障害の概要

身体表現性障害というのは、DSM-5では身体症状症と改められており、現在進行中であるICD-11でも、身体症状症と名前が変わっていくであろうと考えられます。しかし、ここではわかりやすく「身体表現性障害」という名前で統一してお話ししたいと思います。

歴史的には、「ヒステリー」や「神経衰弱」と呼ばれてきたものがこの中に入っています。しかし、現在では、身体と精神がはっきりと切り離せないことも知られており、「線維筋痛症」「慢性疲労症候群」「脳脊髄液減少症」などの疾患がこの身体表現性障害と誤って診断されてしまうことがあるため、非常に問題となっています。

身体表現性障害の原因

身体表現性障害の原因についてはいまだに分かっていません。「ストレス」「肉体の衰えを受け入れられない」「いつも家族の中心でいたい」などの思いが身体表現性障害を作る場合がありますが、同じ状況に至っているとしても、発症する人と発症しない人がいます。このことからも「このようなストレスがある場合全員に発症する」といったものがないため、原因は今のところは不明であるとしかいえません。

もし、今後遺伝子検査などが進んでいけば、この遺伝子を持っている人の中で、こういったストレスを受けると必ず発症する、といった原因が見つかる可能性は0ではありませんが、今はそこまでに至っていません。

身体表現性障害の疫学

身体表現性障害の有病率は5〜7%といわれています。性別については女性が60-75%と多く、女性は男性の2〜3倍であるといわれています。

年齢は児童から高齢者まで広範囲にわたることが多く、典型的には30歳までに発症して病院をあちこちジプシーすることが多いようです。臨床的にみられるのは、まだ自分の「しんどい」を言葉で表現できない小さい子や、若い時と同じように行かなくてストレスを溜める高齢者が多いといわれています。

非てんかん性発作(偽発作)群は運動機能の障害を呈する群に比較して、発症年齢が低い、パーソナリティ障害の併存が多い、親から養育された感覚に乏しいなどの特徴があります。

身体表現性障害の特徴

症状の特徴としては、「なんでもあり」というのが実際のところです。先ほども書いた「運動機能の障害を呈する例」では、歩けるはずなのに歩行が困難になったり、ひとりでいれば問題なく過ごせるのに、誰かが横にいると姿勢が維持できなくて横に倒れ込んでいってしまったりします。声が出なくなったり、文字が書けなくなったり、耳が聞こえなくなったり、本当にその症状は多彩です。

彼らはまず、身体疾患があることを求めて内科などの精神科ではない診療科を訪れますが、そこの検査では全く何も問題がない、といわれます。しかし、彼らは「そんなはずはない」と思い、身体の診療科をジプシーするような状況になります。そしてどこかで、「精神的な問題であるから、精神科を受診するように」といった引導を渡されて精神科に来ます。

しかし、身体に異常があると思っている彼らは、「精神科に来ること」に非常に不満を持っています。そのような患者さんと信頼関係を築くことは非常に大変で、身体表現性障害の患者さんの治療が長引く一因となっています。

身体表現性障害の診断

現在用いられているICD-10の診断基準をここに示します。

  1. 2年以上に及ぶ多彩かつ易変的な身体症状の訴えが存在し、それを説明しうる身体的な障害が見いだされないこと。
  2. 症状へのこだわりは長く続く苦痛によってもたらされ、相談あるいは通常の検査を求めてプライマリーケア医や専門医を(3回以上)繰り返し受診する。
  3. 身体症状を説明するだけの身体的原因がないという医療者側の説明を、医学的検索の直後または数週間という短期間を除いては頑固に拒否すること(そうした際保障の短期間、つまり検査中あるいは検査直後の2~3週間だけ説明を受け入れるような場合はこの診断を付してよい)。
  4. 次にあげる項目の内、別々の2系統以上の症状群から、遭わせて6症状以上認めること。
    1. 消化器症状
      • 腹痛/悪心/膨満感やガス充満感/口腔内違和感、舌苔の肥厚/嘔吐または食物の逆流の訴え/腸蠕動亢進と低下または下痢の訴え
    2. 循環器症状
      • 安静時の息切れ/胸痛
    3. 泌尿器症状
      • 排尿困難または頻尿の訴え/生殖器内またはその周囲の不快感/膣分泌の異常または増加の訴え
    4. 皮膚と疼痛症状
      • 皮膚のしみや変色の訴え/手足・上下肢・関節の痛み/不快な痺れやひりひりする感覚

これを満たしていて、他の精神疾患がなければ身体表現性障害と診断されます。

身体表現性障害の治療

身体表現性障害の治療は、簡単ではありません。

彼らは、「不本意に」精神科に連れてこられており、本来であれば身体の異常があるはずだ、と信じています。ですので、まずは、通院してくれたことを感謝し、ここまでの労力を労い、精神科でできる身体検査を行った上で、改めて「精神科からのアプローチをすれば、あなたの苦痛を少しでも取り除いてあげることができるかもしれない」という方向性で話を始めます。そして、彼らの抱える苦痛を正当に理解してくれる相手なのだ、と思ってもらうことがとても大事になります。

薬物療法ですが、彼らに効果のある薬はありません。抗うつ薬(三環系抗うつ薬・SSRI)がわずかに治療効果を認めたものの、プラセボとの有意差はありません。しかし、僅かに治療効果があることは事実ですので、「抗うつ剤の単剤治療」が基本となります。

「しんどい時に頓服が欲しい」といわれることも多いのですが、安易なベンゾジアゼピン系薬剤の投与は、彼らを簡単にベンゾジアゼピン依存に陥らせることになるため、処方しない方がいいでしょう。

また、状況にもよりますが「偽薬」が効果を持つことも知っておいて損はないでしょう。病院で乳糖を処方してもらい、「万能薬だ」といって彼らに与えると、症状が改善することがあります。プラセボ効果をうまく使った方法といえます。医療者側も、手を替え品を替え、本人の苦痛をなんとか除去しようとしています。

身体表現性障害の経過と予後

身体表現性障害に奏功する薬がないため、治療は長引き、年単位での治療となることも多いです。児童の間になる場合は、基本的にはしんどいことを言葉にできるようになると、自然と収まっていきますが、年齢が上がるにつれて治療も長引いていくことが多いです。

身体表現性障害は年齢が上がるにつれて、予後は悪いことが多いです。例えば、「いつもの腹痛だから」と放っておかれたことで、ガンの発見が遅くなり、気づいた時には手遅れの状態であった、ということもあります。多彩な訴えをしていることで「オオカミ少年」のようになってしまい、本当にしんどい時に真面目に聞いてもらえない可能性もあります。そのときに、大病を患ってしまうとオオカミ少年のように信じてもらえず、手遅れになる可能性もあります。

一方で、抗うつ剤がよく効いた例では、抗うつ剤を長年のみながら、普通に生活をされている方もいます。抗うつ剤単剤であれば、高齢になっても、服用し続けることもできます。それは主治医とよく話し合った方がいいでしょう。

身体表現性障害のカウンセリング

身体表現性障害の原因は「ストレス」です。「ストレス」を体の症状として出さずに「言葉」にできたり、運動などの他の行動に昇華できたりすると、身体表現性障害の症状が治ることがあります。確立した薬物療法がないことから、カウンセリングでのアプローチは患者さんを救う手立てになることがあるでしょう。

カウンセリングをじっくりとしていくことで、身体表現性障害の方を取り巻く状況や環境を整理し、その中のストレスについて検討していきます。また、そのストレスについてもどのように体験し、どのように感じ、どう思うのかといった内面についても一緒に考えていく必要はあるでしょう。そうしたことをとおして、自分自身のことについて理解を深め、身体表現性障害についてじっくりと向き合っていくプロセスの中で次第に回復していきます。

もし身体表現性障害の方と同意が取れるのであれば、認知行動療法を実施し、認知や行動の面から変えていくことで身体表現性障害が和らいでいきます。その他にも精神分析的心理療法などでは深く自分自身の内面を見つめ、自分の生き方やあり方を問い直すことで、結果的に身体表現性障害を克服していくことも可能です。

身体表現性障害のカウンセリングを希望する人は

当オフィスでは身体表現性障害のカウンセリングを行っています。カウンセリングをご希望する方は以下の申し込みフォームからご連絡を頂けたらと思います。

カウンセリング申し込みフォーム

【監修者情報】

  • 岡田 夕子 先生
  • 資格:医師、精神保健指定医、日本精神神経学会専門医・指導医
  • 所属:光愛病院