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発達支援・発達相談

成長と発達を助ける

本ページでは、発達支援・発達相談について、定義から利用方法まで解説しています。お子さんの発達が気になられている方や、子どもと関わる仕事についておられる方々のお役に立つことができれば幸いです。

発達支援とは

勉強する二人の子ども発達支援とは、障害のある子どもが自分自身の人生を自分らしく送ることのできるように、発達上の課題達成を支援することを指します。それに加え、その子どもが生活している家庭への支援や、地域の中で豊かに生活していけるようにする地域への支援も含み、発達支援とされることもあります。

発達支援とは別に、「療育」という言葉があります。療育は肢体不自由児の支援が始まりとされているので、支援というよりは治療やリハビリのイメージを強くもっておられる方がおられるかもしれません。しかしながら、現状は発達支援と療育はほぼ同義語として使われており、療育だから身体面しか見てもらえないというわけでは決してありません。

発達支援の対象者

きょうだいと夕日発達支援の対象となるのは、知的障害、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉スペクトラム症(ASD)、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由などの子どもたちです。後にも記述していますが、それらの手帳がなければ支援を受けられないというわけではないので、「少し変わっているかもしれない」「ちょっと気になる」という段階でも発達支援を受けられる場合もあります。

以下に主な発達上の障害について少しだけまとめます。ちなみに発達障害の全般的なことについては以下のページをご参照ください。

(1)知的障害

知的な機能の遅れがあり社会生活上の困難をもっている状態にある障害です。発達検査や知能検査の結果、算出される知能指数がおおむね70以下の場合、知的な遅れがあると診断されることがありますが、その数字よりも実際の生活上の困難に焦点をあてて支援していくことが大切です。

知的障害の詳細は以下に詳しく書いています。

(2)学習障害(LD)

知能の遅れはないけれど、読み書き、計算などの習得や使用に困難を示している状態です。学習障害はとても見えにくい障害とされており、その症状は就学前には判明しないことも多くあります。「なぜできないのか」ということが周りの人に伝わりにくい場合もあるため、そのことで本人のやる気が失われてしまわないように配慮する必要があります。

学習障害の詳しいことは下記をご覧ください。

(3)注意欠陥多動性障害(ADHD)

注意の欠如と多動性、衝動性が軸となっており、気が散りやすく、落ち着きがないことが特徴です。ただ、子どもたちはそもそも落ち着きがないこともあるので、その落ち着きのなさが環境や心理的な要因から引き起こされている場合はADHDとは診断されません。現在は発達支援とともに投薬による治療も一般的になりつつあります。

注意欠陥多動性障害の詳細は下記をご参照ください。

(4)自閉スペクトラム症(ASD)

対人関係の問題とコミュニケーションの問題、興味関心の限局性などが特徴として挙げられます。こだわりが強く、マイペースな子どもという印象をもっておられる方が多いと思いますが、友だちについて動きまわる子やずっと一人で同じ遊びをしている子など、実態は様々です。

自閉スペクトラム症については以下をご覧ください。

発達支援の目的

孤独な少女発達支援の目的は発達を促すことにありますが、それは子どもたちが自立し自分らしく社会生活を送れるようになるというところを目指して実施されます

また、いろんな課題を克服すること自体も大切なことですが、二次障害を防ぐという側面もあるのではないかと考えています。発達上の困難を抱える子どもたちは、周囲からは「なんでできないの?」「ふざけているの?」とみられてしまうケースがよくあります。そのようなことが積み重なってしまうと、自尊心や主体性が失われてしまいます。

できないことだけではなく、しようとする姿勢に注目し支援することが大切になります

発達支援の方法

3人の子どもここでは、主な支援方法を紹介しますが、発達支援といっても、どのような支援が行われるかは、その対象児の実態によりかわります。この障害にはこのような支援をすればいいという対応ではなく、子どもたち一人ひとりにあった支援を行うという姿勢が重要になります

(1)TEACCH

正式のTreatment and Education of Autistic and Related Communication Handicapped Childrenの頭文字を取りTEACCHと言い、日本語では「自閉症及び、それに準ずるコミュニケーション課題を抱える子ども向けのケアと教育」となります。

アメリカで生まれた自閉スペクトラム症を対象としたプログラムで、中でもよくつかわれている方法が、構造化です。構造化には「物理的構造化」と「時間の構造化」があります

まず、「物理的構造化」では活動ごとにエリアを使い分けます。例えば、作業をするワークエリア、遊ぶためのプレイエリア、落ち着くためのカームダウンエリアなどという区分けを設定し、場所と活動を対応させていきます。自閉スペクトラム症児は環境の変化に敏感なことが多いので、このように環境をわかりやすく設定することが大切になります。

次に、「時間的構造化」では、スケジュールを作成します。自閉スペクトラム症児には先の見通しや時間の感覚をもつことが苦手な子どもが多いとされており、次何をするか、この後何が起きるかを前もって理解していないとパニックになってしまうケースがあります。1日のスケジュールを写真や絵を用いて示しておくことで、子どもたちは安心して主体的に過ごすことができます。

他にもTEACCHにはコミュニケーション支援という方法があります。発語によるコミュニケーションが難しい自閉スペクトラム症の子どもが、自発的にコミュニケーションをとることができるように、絵や写真カードを用意し、それを用いてきもちを伝えられるよう支援します

(2)感覚統合

この理論には「ひとりひとりの感覚のとらえ方は違う」という考え方がベースにあります。対象となる子どもが、物事に対してどのような感じ方をしているのか、どのようなイメージをもって身体を動かしているのかを理解しようと努めながら支援することが重要です。

(3)ソーシャルスキルトレーニング(SST)

社会生活や人と関わる際に必要なスキルを獲得するためのトレーニングです。SSTは、一般的に「アセスメント」、「モデリング」、「ロールプレイ」、「リハーサル」、「般化」という順番で実施されます。まず、対象となる子どもがどんな困難を抱えているかを考え、獲得したいスキルを設定します(アセスメント)。

そのあと、大人がモデルをみせ(モデリング)、架空の状況で練習をし(ロールプレイ)、実際の場面でスキルを使用できるようにします(リハーサル)。

そして、最後に、設定された場面ではない似た状況でもスキルが使えるようにしていきます(般化)。

自閉スペクトラム症の子どもにとっては、実際自分がどのようにコミュニケーションをとっているかイメージしにくい場合があるので、実際の場面を録画しながら振り返ることもいいとされています

(4)応用行動分析(ABA)

子どもの行動を分析し、問題行動を減らし、望ましい行動を増やそうという考え方の支援です。問題行動がどのようなきっかけで生じており、その結果、子どもは何を得ているかということを分析します。

子どもの行動を細かく分析することで、なぜそのような行動をしてしまうのか理解し、関わり方を考えることができます。

発達支援を受けられる場所や機関

4人の子ども通所で発達支援を受けられる場所には、主に「放課後等デイサービス」「児童発達支援」があげられますが、まずは、公的機関か医療機関で相談するケースが多いと思います。

個人で探すよりも、市の福祉課、子ども支援課や児童相談所、発達支援センター、病院からつながりをつくり包括的なサービスを受けることが大切です

(1)放課後等デイサービス

「放デイ」と略していわれます。6歳~18歳の就学年齢のお子さんが通うことができます。学校が終わった後の時間帯や、長期休暇などに利用することができます。療育手帳は不要です。

(2)児童発達支援

「児発」と略されることがあります。放課後等デイサービスと違い、未就学児を対象としています。こちらも療育手帳は不要で、障害の有無は関係なく、「ちょっと発達が気になる」という段階でも通うことができます。

(3)施設の選び方

ここ数年、放課後等デイサービスの事業所が数多く建てられているのですが、サービスの質が高いとはいえない施設が増えていることが問題視されています。放課後等デイサービスには、作業療法士や理学療法士、臨床心理士などの専門家を必ず置かなければならないという規定がありません。それゆえ残念ながら、蓋を開けてみれば、まったく特別な支援や配慮がなされていない施設というのも存在しています。

施設選びの際は、そういった職員の構成や実際の支援内容をみてから選ばれることをお勧めします

発達支援・発達相談についてのよくある質問


発達支援・発達相談は、子どもの発達に関して専門的な支援を提供するサービスです。通常、発達に課題があると感じるお子さんを対象に、心理的な支援や生活面でのサポート、教育的なアプローチが行われます。特に、言語や運動、社会的なスキル、学習面に関する問題がある場合、発達支援が効果的です。相談内容は個別のニーズに合わせて専門家が対応し、発達を促すために必要な支援を計画的に提供します。このような支援を通じて、家庭や学校での問題解決を目指すとともに、お子さんがその人に合ったペースで成長できるようにサポートします。


発達支援・発達相談を受けるためには、まずお住まいの地域の発達障害者支援センターや福祉課に問い合わせることが重要です。多くの自治体では、発達に関する相談を無料で受け付けており、専門のスタッフが個別の対応を行っています。初回の相談では、お子さんの発達の様子や過去の経過、家庭環境などについて詳しくお話を伺います。その後、必要に応じて支援計画が立てられ、療育やカウンセリング、学校との連携支援などが行われます。また、私立の発達支援センターや専門機関も存在するため、そこでも支援を受けることが可能です。


発達支援・発達相談の費用については、施設や支援内容によって異なりますが、多くの自治体や公的な機関では、相談や初期の支援が無料で提供されています。これは、地方自治体が地域の発達支援を推進するために行っている取り組みの一環です。しかし、個別の療育プログラムやカウンセリング、特別な支援が必要な場合には、別途料金が発生することがあります。民間の療育施設や専門機関では、支援の内容に応じて費用が発生することもあるので、事前に料金体系を確認することをおすすめします。


発達支援・発達相談の際には、できるだけ詳しい情報を持参することが大切です。具体的には、お子さんの健康状態や発達の経過についての記録や、過去に受けた治療や支援に関する情報、家庭環境や学校・保育園での様子についての詳細な情報が役立ちます。また、もしお子さんが以前に受けた発達検査や心理検査の結果があれば、それも持参してください。こうした情報は、専門家がより適切な支援を提供するための重要な資料となります。特に、どのような場面で困難を感じているのか、どのような点で支援が必要と感じているのかを具体的に伝えることが、支援計画の立案において非常に重要です。


発達支援・発達相談にはさまざまな内容が含まれます。まず、専門家による初期の相談を通じて、お子さんの発達や日常生活における課題を評価します。その後、必要に応じて発達検査や心理テストが実施され、結果に基づいた支援計画が立てられます。支援計画には、個別療育やカウンセリング、社会性を育むための活動や、学習面でのサポートが含まれることがあります。また、保護者へのアドバイスや、学校・保育園との連携支援も行われ、家庭や学校環境での協力を得ながらお子さんをサポートします。発達に課題があるお子さんの場合、早期に支援を受けることがその後の成長に大きな影響を与えるため、適切なサポートを受けることが重要です。


発達支援・発達相談を受けた結果、お子さんに合ったさまざまな支援が提供されます。例えば、療育の一環として言語療法や作業療法が行われ、社会的なスキルや学習面のサポートも行われます。また、発達の遅れがある場合は、専門のカウンセリングを通じて感情の調整や行動の改善をサポートします。家庭でできることについてもアドバイスがあり、家庭環境を整えるための方法や育児のアプローチが提案されることがあります。支援は、お子さんの個別のニーズに応じて柔軟に提供され、最終的にはお子さんが自立できるように導くことを目指します。また、必要に応じて、学校や保育園との連携を図り、家庭・学校・施設が一丸となって支援する体制が整えられます。


発達支援・発達相談は、通常0歳から受けることができます。乳幼児期から発達に課題がある場合でも、早期に専門家の支援を受けることで、お子さんの発達をサポートすることが可能です。特に発達障害の早期発見と早期支援は、その後の発達に大きな影響を与えることが多いため、早期の介入が推奨されています。発達に関する心配がある場合は、すぐに相談を受けることをおすすめします。年齢に関係なく、発達支援はお子さんにとって有益なものであり、成長段階に応じた支援が提供されます。


はい、発達支援・発達相談では保護者の参加が非常に重要です。お子さんの状況や家庭環境を詳しく知ることができるため、保護者の協力を得ることで、支援の質が大きく向上します。相談時には、お子さんの発達に関して日頃の観察や感じている課題について積極的に共有し、アドバイスを受けることが求められます。さらに、家庭でできる支援方法についても指導が行われることが多く、保護者が日常的に行えるサポートを学ぶことができます。家庭での一貫した支援が、お子さんの発達において重要な役割を果たします。


発達支援・発達相談自体は診断を目的とするものではありませんが、専門家が必要だと判断した場合、診断が行われることがあります。発達障害やその他の発達に関する問題がある場合、診断が確定されることで、適切な支援や治療が受けられるようになります。診断は、発達検査や心理検査を基に行われ、専門の医師や心理士によって確認されます。もし診断が必要な場合には、専門的な医療機関へ紹介されることが多いため、その後の支援や治療に向けて一貫したサポートが提供されます。


発達支援・発達相談の結果、学校や保育園での対応については、支援計画をもとに個別のサポートが行われます。支援計画には、お子さんの発達に応じた学習方法や生活支援が含まれ、学校や保育園のスタッフと連携して、適切な支援が提供されます。必要に応じて、学校や保育園へのアドバイスや指導が行われ、例えば、学習の進め方や社会的なスキルを高める方法、集団での適応方法などがサポートされます。また、保護者と学校・保育園が協力しながらお子さんの発達を見守り、支援を行う体制が整えられます。

発達支援・発達相談を受けたい

母親と子ども今回は、発達支援・発達相談について解説しました。様々な支援方法や施設について紹介しましたが、何よりも大切なのは、その子どもの気持ちや行動を理解しようと努めるという姿勢です。その子にあった関わり方を、丁寧にみつけていきましょう

(株)心理オフィスKでは公的機関のようなプログラム的な発達支援は提供していませんが、発達についての相談やカウンセリングは個別に行っています。発達についての困り事や悩み事がありましたら、下の申し込みフォームからご連絡ください。