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ストレスマネジメント

心身の健康のために

私達は日常生活の中で様々なストレスにさらされ、それに適応しながら過ごしています。しかし、強いストレスに長期間さらされると適応できなくなり、心理的・身体的に様々な障害が現れ、ひどい場合はうつ病を発症して休職や退職に追い込まれるケースもあります。

ここではそのストレスに対してどのようなことができるのかを解説していきます。

ストレスマネジメントとは


ストレスの原因となる刺激を「ストレッサー」と呼び、人間関係や環境の変化、災害や事故などのイベントなどが含まれます。ストレッサーに対し、心理面、身体面、行動面の反応として現れる生体の反応を「ストレス反応」と呼び、不安やイライラ、緊張などの心理的反応や、動悸、頭痛、腹痛など身体的な反応など様々な変化が現れます。ストレス反応自体は私達の体に備わった適応手段ですが、ストレッサーによる刺激が長期間に渡ったり、程度が強かったりすると、望ましくないストレス反応が生じ、心理的・身体的に様々な障害が現れ、うつ病や神経症、心身症の発症につながっていきます。

そこで、ストレスにうまく対処し、適応するために必要な考え方が「ストレスマネジメント」です。ストレスマネジメントは、ストレスに対する対処法である「ストレスコーピング」と、ストレスを評価し管理していく「セルフモニタリング」とに大きく分けて考えることが出来ます。

ストレスコーピングとは、ストレスの原因となるストレッサーにうまく対処することを指します。これにはいくつかの方法があり、ストレッサーをなくしたり軽くしたりしようとする方法や、本人のストレッサーに立ち向かう力を強めたり、変容したりする方法があります。

セルフモニタリングは、自分の行動がどのような頻度で、そのような状況で生じているのかを観察・記録・評価することによって自分の振る舞いに対する気付きを深める方法です。セルフモニタリングにより、個人に応じたストレスコーピングの方法を見つけることができるようになります。

ちなみにストレスマネジメントは認知行動療法の技法の一つです。認知行動療法については以下のページをご覧ください。

ストレスマネジメントの効果

ストレスマネジメントを行うことの大きな効果は、自分自身のストレスの状態に気づくようになることです。望ましくないストレス反応を受け続けていると、うつ病を始めとするメンタルヘルスの不調に発展して仕事が続けられなくなったり、日常生活にも支障が出てくる可能性があります。自分のストレス状態を早い段階で把握できれば、このようなリスクを事前に防ぐことができるでしょう。

また、家庭や職場においては、ストレスマネジメントにより心身の状態が安定することにより、家事や仕事のパフォーマンスが安定したり、家族、職場の同僚たちに穏やかに接することができるようになるため、ハラスメントが減って家庭や職場の環境が改善することも期待できます。

ストレスマネジメントの方法

前述したように、「ストレスマネジメント」には大きく分けて「ストレスコーピング」と「ストレスマネジメント」の2つの要素がありますが、それぞれの具体的な方法について解説していきます。

(1)ストレスコーピング

ストレスコーピングの方法にはいくつかの種類があり、主なものに問題焦点コーピングや、情動焦点コーピングがあります。

  • 問題焦点コーピングは、ストレッサーそのものに働きかけて解決を図ろうとするもので、例えば対人関係がストレッサーである場合、相手の人に働きかけて嫌な行動をやめてもらうようにすることが当てはまります。
  • 情動焦点コーピングは、ストレッサーに対する考え方や感じ方を本人が変えようとするもので、仕事で落ち込むことが多い場合に仕事のことをあまり考えないようにしてポジティブに過ごすようなやり方です。

ストレスコーピングの詳細は以下のページをご覧ください。

(2)セルフモニタリング

セルフモニタリングでは、「どのようなストレッサーに対してどの程度のストレス反応が生じているのか」、「そこでどのようなストレスコーピングの方法を用いたのか」、「それによりどの程度ストレス反応が軽くなったのか」など、を具体的に記録していきます。

その記録を支援者とともに整理し、評価することによって自らのコーピングに対する気付きを深めることができ、個人個人に応じた検討ができるようになります。最近ではセルフモニタリングの記録を行うためのスマートフォン用のアプリも開発されており、利便性も向上しています。

ストレスマネジメントの教育や研修

ストレスマネジメントは、職場や教育でのパフォーマンス向上やコミュニケーションの円滑化による環境の改善といった様々な効果をもたらすことが期待できるため、最近では企業の社内研修や学校の授業でも採用されています。

企業ではストレスマネジメントにより、休職や退職を防いだり、仕事のパフォーマンスの向上やハラスメントが起こりにくい職場環境を作るなど効果が期待できます。以下に企業で実施可能な具体的なストレスマネジメント方法を説明します。

(1)従業員自身のストレスマネジメントスキルを高める

社内研修により、ストレスコーピングやセルフモニタリングの方法について教育を行い、従業員のストレスマネジメントスキルを高めることが大切です。

また、リフレッシュ休暇の利用などの福利厚生によってストレスマネジメントを行いやすい環境を企業側が提供したりすることも効果的です。

(2)従業員のストレス状態を把握する(ストレスチェック)

従業員のストレスチェックを行い、個人のストレスがどのような状態にあるのかを調べることも重要です。

ストレスチェックはストレスに関する質問表を記入することで行われ、従業員が個人のストレスレベルを把握し適切にストレスに対処するよう促すことができます。従業員が50人以上いる事業所では年に一回実施することが義務付けられています。

(3)管理職によるストレスマネジメントのサポート

管理職は部下のストレス状態にいち早く気付いて対応することで、早期発見・ケアにつなげることができます。

定期的にコミュニケーションを取って部下のストレスによる変化に早く気付いたり、部下のストレスコーピングをサポートするような環境づくりを行うことが重要です。

認知行動療法についてのトピック

ストレスマネジメントについてのよくある質問


ストレスマネジメントは、日常生活におけるストレスを効果的に管理するための方法や技術です。ストレスは精神的、感情的、または身体的な反応として現れることが多く、長期間続くと健康に悪影響を与える可能性があります。ストレスマネジメントでは、ストレスの兆候を早期に認識し、それに対処するためのさまざまな手法を学ぶことができます。これにより、心身の健康を守り、生活の質を向上させることが可能になります。リラクゼーション法や瞑想、適切な時間管理や認知行動療法などがストレスマネジメントの一部として推奨されています。


ストレスマネジメントにはさまざまな方法があり、それぞれが異なるアプローチを提供します。最も一般的な方法には、深呼吸や瞑想などのリラクゼーション法があります。これらは身体の緊張を和らげ、心を落ち着かせるために効果的です。また、適切な時間管理やタスクの優先順位を付けることも重要な方法です。これにより、ストレスの原因となる過密なスケジュールやタスクの積み重ねを防ぐことができます。さらに、ポジティブな思考を促進する認知行動療法や、定期的な運動や趣味を取り入れることも非常に効果的です。これらの方法を組み合わせて取り入れることで、ストレスに強くなることができます。


ストレスマネジメントを行うことで、心身の健康が大きく改善されることが期待できます。ストレスが原因となる体調不良や精神的な不調を予防したり、軽減したりすることが可能です。また、ストレスを適切に管理することによって、日常生活におけるパフォーマンスも向上します。例えば、仕事の効率が上がり、家庭や人間関係にも良い影響を与えることができます。さらに、ストレスが引き起こす可能性のある慢性的な疾患(例えば、高血圧や心臓病など)のリスクを軽減することができます。ストレスマネジメントは、長期的な健康維持や生活の質の向上に繋がる重要な要素です。


ストレスマネジメントを始めるには、まず自分自身がどのような場面でストレスを感じているのかを見極めることが大切です。ストレスの原因が明確であれば、その原因に対処する方法を考えることができます。例えば、仕事のプレッシャーが原因なら、仕事の進め方や時間の使い方を見直すことが効果的です。また、ストレスを減らすために、リラクゼーション法や瞑想を取り入れることから始めても良いでしょう。少しずつ、自分に合った方法を取り入れて、習慣化することが重要です。最初は簡単な方法から始め、段階的に取り入れていくと良いでしょう。


ストレスマネジメントの専門家に相談することで、自分一人では気づかなかったストレスの原因や、その影響を専門的な視点で分析してもらうことができます。専門家は、ストレス管理に役立つ具体的なアドバイスやテクニックを提供してくれます。また、ストレスマネジメントの専門家は、クライアントに合わせたカスタマイズされたプランを提供することができ、より効果的な対処方法を見つけることができます。さらに、専門的な知識を持つ専門家からサポートを受けることで、自己管理が難しい場合でも、持続的に改善策を実践できるようになります。


はい、ストレスマネジメントに関するセミナーやワークショップは、企業や教育機関、地域コミュニティなどで頻繁に開催されています。こうしたイベントでは、ストレスの原因やその対処法について学ぶことができ、実際にストレスを管理するためのスキルを身につけることができます。特にグループで行うワークショップでは、他の参加者と意見を交換しながら、さまざまなストレス管理方法を実践的に学ぶことができ、実生活に役立つ知識を得ることができます。詳細な情報は、専門機関のウェブサイトや地域のコミュニティ情報を確認してみてください。


はい、ストレスマネジメントに関する書籍や資料は非常に多く出版されています。書籍やガイドブックでは、実践的なテクニックや理論を学ぶことができ、ストレスの原因を深く理解し、それに対処する方法を具体的に知ることができます。資料の中には、自己改善のためのワークシートやチェックリスト、実践例なども含まれており、ストレス管理をより効果的に進める手助けとなります。また、オンラインで提供されているリソースや専門的なトレーニングプログラムもありますので、必要に応じて利用することができます。


ストレスマネジメントの効果を実感するまでの期間は個人差がありますが、一般的には数週間から数ヶ月程度で変化を感じる方が多いです。これは、ストレス管理に取り組んでいる方法や自分の状況によって異なります。例えば、リラクゼーション法や瞑想を始めた場合、早い段階で心の落ち着きやリラックス感を実感できることがあります。しかし、より根本的なストレス管理を実現するためには、継続的な実践が必要です。自分のペースで、ストレスを管理する方法を習慣化することが重要で、徐々にその効果を感じることができるようになります。


ストレスマネジメントを行う際の注意点は、無理をせず、自分に合った方法を選ぶことです。最初から過度に多くの方法を取り入れると、逆にストレスが増してしまうことがあります。まずは、少しずつ簡単な方法を取り入れ、それを習慣化していくことが大切です。また、ストレスが軽減しない場合や自分だけでは対処が難しいと感じた場合は、専門家に相談することをおすすめします。ストレスマネジメントは一朝一夕で完璧にできるものではなく、継続して取り組むことが鍵となります。


ストレスマネジメントを日常生活に取り入れるコツは、小さなステップから始めることです。例えば、毎日のルーチンにリラクゼーションの時間を設けることから始めてみましょう。5分でも深呼吸をしたり、簡単な瞑想を行ったりすることで、心を落ち着けることができます。また、日々のタスクをリスト化し、優先順位をつけることで、過剰なストレスを避けることができます。自分のペースで取り入れていくことが大切です。

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ストレスにうまく対処して、適応するために必要な考え方であるストレスマネジメントは、ストレスによる個人のメンタルヘルスの不調を未然に防ぎ、仕事のパフォーマンスを向上させて、職場環境を改善させる効果が期待できます

ストレスマネジメントは、ストレスの原因となるストレッサーに対処するための方法であるストレスコーピングと、ストレスに対する自分自身の行動を評価するセルフモニタリングに大きく分けることができ、最近では企業や学校でも積極的に取り入れられ実践されています。

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文献

この記事は以下の文献を参考にして執筆いたしました。