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カール・アブラハム

アブラハムはフロイトの弟子であり、ベルリン精神分析協会を設立しドイツの精神分析学を牽引しました。またクラインやホーナイら多数の精神分析家の訓練分析を行ったことでも知られます。特にクラインとの関係では、彼女の対象関係論の研究について、フロイトから苛烈な批判が起こったときにはそれを擁護する動きも見せました。フロイトが厳格な人物と評されることとは対称的にアブラハムは温和な人物であったとされていたようです。

クラインとの訓練分析はわずか15ヶ月で中断してしまいますが、これはアブラハムの死によるもので48歳という若さでした。

彼の研究としては、フロイトのリビドー発達論をより細分化し、それぞれの段階でどの対象を志向するのか、その対象愛の移り変わりを示したことが挙げられます。また、例えば早期口唇段階での固着により統合失調症が発症するなど今では科学的根拠の乏しさから使われることはありませんが、それぞれのどの段階で問題が起こると、どういった精神的な病理が生じるかといった対応も提唱しました。このことにより、精神分析学の扱う精神疾患や問題をより拡大する試みにも繋がっていきます。

こうした一連の研究の中で、生後間もない子どもの持つ破壊性や母子関係の同一化など様々な観点での豊かな着想が見られ、それが後にクラインの対象関係論へと繋がっていきます。

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