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アークメゾン菊名201号
ジェイムス・ストレイチー
ストレイチーは主にイギリスで活躍した精神分析家です。元は出版社に勤めていましたが、精神分析に興味を持ちフロイトから直接精神分析を受けています。このとき彼の経歴のためかフロイトから、彼の著作を英訳するよう依頼され取り組むようになります。このエピソードからは、当時は精神分析学の黎明期であり精神分析家と患者との関係は緩やかなものであったことがうかがわれます。
その後、ストレイチーはイギリスに帰国するとフロイトの著作に本格的に取り組み始め、膨大なフロイト全集の英訳や編集を行いました。これが今ではスタンダードエディションとなっており、精神分析学におけるストレイチーの大きな功績といえるでしょう。
精神分析家としては、医師免許を取得し間もないウィニコットに精神分析を1923年から10年に渡り施しています。
また、彼の研究の一つとして変容惹起解釈が挙げられます。1934年の論文「精神分析の治療作用の本質」においてストレイチーは、患者に変容を引き起こす分析家の解釈を変容惹起解釈と呼び論じています。患者の脅威の原因であるもともとの厳しい超自我とは異なる、よりマイルドな超自我となり得る分析家が、解釈を起点として患者にどのように取り入れられ分析過程が展開するのかを議論しました。この論文は、解釈がなぜ作用するのかという問いに答えるものであり、今日の精神分析学の基本ともいえます。それだけに価値の高い研究であったといえるでしょう。
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