子育てにイライラしてもう限界!もしかしたら病気が隠れているかも
子育て中にイライラし過ぎて、自分を制御できなくなったという経験はありませんか?育児中では、自分の時間が取れなくなり、24時間注意を払わなければならないため「終わりがない」と限界を感じることもあるでしょう。イライラが止まらないのは、何らかのストレスがかかっているためです。
そこで今回は、子育て中にイライラしてしまう原因や解消法について紹介します。
目次
1.育児でどうしてこんなにイライラするの?
まずは育児でイライラしてしまう原因について見ていきましょう。赤ちゃんや子どもは癒やしを与えてくれて、心を穏やかにしてくれる存在だと思っている人もいるかもしれません。
しかし、実際の育児は、赤ちゃんや子どもの命を24時間体制で見守るため、常に気を張った状態にあります。つまり、自分が思っている以上にストレスがかかっているのです。このストレスに加え、以下のような原因も考えられます。
(1)子どもが自分の思う通りにならない
子どもは大人が思ったように行動してくれません。
外出しようと思ったら「外に出たくない」といい、外出先から家に帰りたくても、今度は逆に「まだ帰りたくない」と駄々をこねて大人を困らせることもあります。反抗期の子どもであればなおさらです。
(2)自分の時間を確保できない
家事や育児を一手に背負うと、自分の時間を確保することが難しくなるでしょう。
赤ちゃんの頃は、2~3時間おきに授乳したりおむつ替えをしたりします。ハイハイや伝い歩きを始めると、ケガをしないか注意して見守らなければなりません。
しっかり歩けるようになると、いたずらをしたり勝手に外に飛び出したりしないかなど、さまざまなことに注意を払う必要があります。そうなると、自分にかけられる時間がほとんどなくなり、気づけば子どものことばかり…となってしまうのです。
(3)仕事との両立ができない
仕事と育児との両立を完璧に行うことは無理です。
子どもは急に体調を崩したり、お友だちと遊んでいるときにケガをしたりなど突発的なことが起きて、仕事中でも急に保育園や幼稚園から呼び出されることがあります。
また、育休前のように「仕事を頑張りたい」と思っても、会社側の配慮から責任ある仕事を任せてもらえないこともあるでしょう。逆に、自分が仕事ばかりしていて、「子どもの世話ができていない」と自分を責めてしまう人もいるかもしれません。
(4)家族の協力がない
仕事をしながら子育てをしている人はもちろん、子育てに専念している人にも子育てには家族の協力が必要です。
子どもによって性格はさまざまなため、どんなに子育てに慣れた人でも子育てに悩み、ストレスを抱えてしまいます。
これが、子育て初心者の人で、家族の協力が全くないと想定したらどうでしょうか?子どもの命を1人で背負い、育児のかたわら家事も仕事もとなると計り知れないストレスがかかります。
(5)子どもの発達状況が心配
育児中は子どもの発達状況も不安の要因となります。
これは自分の子どもを心配し、思っているからこそ起こるものです。しかし、他の子どもと比べて「歩き始めるのが遅い」「話し始めるのが遅い」と感じてしまうと、不安で押しつぶされそうになる人もいるでしょう。
発達のことについては以下のページが参考になります。
2.子育てに限界を感じたらどんな症状がでる?
子育てにおけるストレスで、限界を感じた場合にでてくる症状を見ていきましょう。子育て中は忙し過ぎて、「自分に大きなストレスがかかっている」と気づかない人も多いものです。自分と似た症状がないかチェックしてみてください。
- 制御できないくらいイライラする
- マイナス思考になる
- 無気力、無関心になる
- 眠れなくなる
- 食欲がなくなる、過食になる
- 子どもに興味がなくなる
ものに当たったり、いつもだったら何とも思わないちょっとしたことで怒鳴ったりしていませんか?逆に「もうダメ」「自分が悪い」「母親失格」などマイナス思考になってしまうこともあります。
これまで好きだったものに全く関心がなくなり、やる気が起きずボーッと1日を過ごすという症状がでる人も。部屋をいつもきれいに整えていた人が、散らかったままにしているというのもチェックポイントになるでしょう。
また、体は疲れているのに全く眠れない、食欲がでない、または過食してしまうなどの症状もあります。無気力や無関心にも該当するのですが、子どもをかわいいと思えなくなったり子どもに興味がなくなったりするケースもあるでしょう。
3.ストレス解消が一番!でも病気が隠れているケースも
子育てに限界を感じる前に行動することが大切ですが、限界を感じた場合にはすぐに、自分の時間を作ったり家族に協力してもらったりすることで、ストレス解消することが一番です。
ただ、ストレスだけで片付けられないケースもあります。それは、病気が潜んでいるケースです。どんな病気が考えられるのでしょうか?
(1)もしかしたら愛着障害かも
もしかしたら、母親自身か子ども自身のどちらかが愛着障害の可能性があるかもしれません。
愛着障害とは、幼少期に養育者との間に情緒的なきずなを形成できなかったことで、気持ちのコントロールが上手くできなくなったり対人関係を構築する際に問題が起きたりすることを指します。
愛着障害についての詳細は以下をご覧ください。
(2)愛着障害の特徴とは?
愛着障害の具体的な特徴は以下の通りです。
- 傷つきやすい
- 人への警戒感が大きい
- 怒ると感情的になって話し合いができない
- 白黒つけたがる
- 自分を責めてしまう
- 人への愛情の注ぎ方がわからない
- 誰にでもなれなれしい
- 人の注意を引こうとする
主に小学生までに発症することが多いのですが、愛着障害の治療をしないままだと大人になっても症状が続くことがあります。
子どもが愛着障害の場合であれば、癇癪を起しやすかったり、過度に甘えてきたり、非常に警戒的になったりするため、子育ては困難になるでしょう。
もし母親自身が愛着障害であった場合、自身の気持ちをコントロールすることができなかったり、子どもに過度に期待をもってしまったり、懐かないことに腹を立てたりしてしまいます。そのことにより子育てに限界を感じてしまったりします。
(3)愛着障害からさらに病気を引き起こすことも
愛着障害では、人の顔色を常に見ていたり自分に自信を持てなかったりと自己肯定感が低くなるケースがあります。そういった症状から過度にストレスがかかり、以下のような病気を引き起こす可能性があるのです。
- うつ病
- 不安障害
- 境界性パーソナリティ障害
- 適応障害
ここで挙げた病気は一例です。この他にも愛着障害によって引き起こされる心や体への負担はたくさんあります。気になる点がある人は、病院を受診したりカウンセリングを受けたりすると良いでしょう。
4.愛着障害の診断方法や治療方法とは?
愛着障害の可能性がある人がどこの病院を受診したら良いのか、どんな治療法を行うのかについて紹介します。
(1)どの病院を受診する
愛着障害は心の病気のため、心療内科や精神科、カウンセリングの受診がおすすめです。
心理検査などを行い、どういった精神状態にあるのか、これまでの環境などをひも解いていきます。
(2)治療法は?
子どもの愛着障害を治療する際には、箱庭療法や遊戯療法などを用いたりします。また最近では応用行動分析や認知行動療法なども愛着障害に有効であると示されています。さらに、親や保護者の関わり方を指導するペアレントトレーニングなども開発されてきています。
その他に、漢方薬などの薬物治療を行ったりすることもあります。
いずれにせよ、子どものケースでも大人でも同じですが、自分にとっての安全基地を作ることが大切になります。そのため、大人の愛着障害を治療する場合には、人とのコミュニケーションによって、幼少期に不足した情緒的なきずなを形成する必要があるでしょう。もちろん親でも構いませんし、恋人や友人でもOK。
周りに相談することができなければ、心療内科やカウンセラーに相談し、自分の安全基地を確保すると良いでしょう。
5.子育てに限界を感じる前に立ち止まろう
慣れない子育てに毎日ストレスを感じている人もいるかもしれません。そんなときは1度立ち止まって、周りに助けを求める勇気も必要です。限界を迎えるまで自分1人で抱え込まず、「疲れた」「助けて」と意思表示して、他の人の協力を得てください。
「あまりにイライラが止まらない」「子どもを上手く愛せない」と感じた場合には、愛着障害が潜んでいるのかもしれません。自分の安全基地として心療内科やカウンセリングを受診してみると良いでしょう。
当オフィスでは愛着障害を専門にするカウンセラーが多く在籍しています。気になる症状を抱えている方は、以下のページからお気軽にお申し込みください。