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発達障害のある子どもへの接し方とは?子どもが困っていることや言葉のかけ方

本記事では、発達障害のある子どもへの接し方や子どもがどのように考えているのか、適切な言葉のかけ方などを紹介します。

発達障害とひと言で言っても、子どもによっては症状や特徴が異なるため、特性に応じた対応が必要です。適切な対応ができないと、子どもの情緒が激しく上下したり、恐怖心を抱いたりすることもあります。そういったことにならないためにも、大人が適切な対応を学んで子どもたちと接していきましょう。

1.発達障害にはどんな特性があるの?

発達障害に関するテキスト

まずは、発達障害がどういうものなのか、基本的なことを紹介します。

(1)そもそも発達障害とは?

発達障害とは、生まれつきの特性です。つまり病気というわけではなく、脳の働き方の違いにより行動面や情緒面に特徴があります。例を挙げると、特定のことには集中力を発揮するものの、他の分野は苦手というようなことです。

これ自体は誰にもあることですが、発達障害の場合、得手不得手の差が大きくなります。発達障害にはさまざまな特性があり、人によってあらわれ方が異なります。1つの特性のみの方もいれば、複数の特性を持つ方もいるでしょう。

それらの特性には、以下のようなものが挙げられます。

タイプ 解説
自閉スペクトラム症 自分の気持ちや相手の気持ちを読み取るのが苦手、感覚過敏があることも。
注意欠陥多動性障害(ADHD) 落ち着きがない、ミスが多い、忘れ物が多いなどの特性がある。
学習障害(LD) 一般的な知的発達には問題ないものの、読むのが苦手、漢字が苦手など特定の学習にのみ困難を感じる。
チック症 意図せず身体が動いたり発声したりすること。運動チックや音声チックと言われる。
吃音 うまく話し出せないなどなめらかに話せないこと。
発達性協調運動障害 手先が不器用で、身体の動かし方がぎこちない。

発達障害やそれぞれのタイプについての詳細は以下のページをご覧ください。

(2)発達障害はいつわかる?

生まれてまもない0歳のときに発達障害の兆候が見つかる方もいますが、2~3歳頃や保育園・幼稚園などの集団生活が始まるなかで目立ち始めることが多いようです。保育士からの指摘で気付いたという場合もあります。

病院での診断も2歳以前では難しく、ある程度の年齢になってから診断されるでしょう。このように幼児期に判明する子どももいますが、小学生や中学生、大人になって診断されるケースもあります。

(3) 発達障害に治療法はあるの?

先ほど紹介した通り発達障害は特性のため、治療ではなく子どもへの接し方を変えたり環境を整えたりすることで、日常生活が送りやすくなります。まれに薬物治療をすることがありますが、それはあくまで障害に伴って起こる症状を和らげるために行うものです。

接する子どもがどんな発達障害の特性があるのかを見極め、適切な接し方や言葉のかけ方をすることで、コミュニケーションをとりやすくなるでしょう

2.発達障害の子どもたちが考えていること

母親と積み木で遊ぶ子ども

発達障害について、子ども自身が自分の特性を理解しているケースもありますが、しっかり理解できているかというと難しい面もあり、自身で対処・解決するのは厳しいでしょう。

だからこそ、周りの大人が発達障害を持つ子どもたちがどんなふうに感じているのか、考えているのかを知っておく必要があります。そうすることで、子どもたちがスムーズに生活しやすくなるのです。

では、どういった気持ちを抱えているのでしょうか?

それは以下のような気持ちです。

  • 1度にたくさんのことを言われると、何を言っているのかわからなくなる
  • みんなで集まって遊ぶよりも1人で遊ぶほうが楽しい
  • 集中すると周りが見えなくなる
  • 忘れ物ばかりで、いつも怒られてばっかり
  • どうして私ばかり怒られるのだろう

発達障害では、複数の特性を持っている子どももいれば、1つの特性が強くあらわれている子どももいるため、大人の対応力が求められます。どんな特性がある子どもなのか、子どもたちがどのように感じているのかを丁寧に見極めていきましょう。

3.発達障害がある子どもたちへの接し方

母親と子ども

ここからは、発達障害がある子どもたちへの接し方について紹介します。発達障害の子どもに限らず、どんな子どもにも使える接し方のヒントでもあるため、参考にしてみてください。

(1)話しかけるタイミングをチェック

大人は自分のタイミングで子どもに接しがちです。子どもが遊んでいるにもかかわらず「すぐにやめなさい」「早く着替えなさい」などと言っていませんか?子どもに接する場合は、大人のタイミングではなく、子どもの状態を確認してからにしましょう

例えば、子どもが怒っている場合は、情緒が安定してから接します。テンションが上がって遊びに夢中になっている際は、少しずつ静かな遊びに誘導してテンションを抑えたあとに接すると良いでしょう。

(2)曖昧な言い方をせず簡潔に話す

子どもに接する場合に「他のお友だちを見てごらん」や「みんなはどうしているかな?」など、子どもに考えさせるような問いかけをしていませんか?

漠然とした言い方をされると、子どもはかえって混乱してしまいます。また正解だと思って行動したことが実は間違いで、大人に怒られてしまうという可能性もあるでしょう。

子どもに何かやってほしいことがあれば、「今からおもちゃを片付けるよ」「まずは宿題をしよう」など、的確な指示を簡潔に伝えるのがおすすめです。そうすれば、お互いにイライラすることなく対処できるでしょう。

(3)具体的かつ論理的に

子どもへの指示は具体的かつ論理的に行わなければなりません。例えば、部屋の片付けをしてほしい場合、何と指示したら良いのでしょうか?

ほとんどの方が「部屋を片付けなさい」と言うでしょう。これではどこをどう片付けたら良いのかわかりません。この場合は「机の上の本をカバンに入れてね」「床の洋服を畳んでね」など、具体的な指示が必要です。

他には、子どもが友だちのおもちゃで遊んでいるとしましょう。とっさに「そんな意地悪してはダメ」と言っていませんか?子どもからすると、借りたおもちゃで遊んでいるだけなので、何が意地悪なのか意味がわかりません。

このケースであれば「お友だちにおもちゃを返しなさい」が正しい接し方です。遠まわしな言い方やダラダラと説教するのではなく、要点をしぼって結論がわかるように話しましょう。

(4)一貫性のある行動をとる

発達障害の子どもにとって、ダブルスタンダードは苦手なことです。例えば、外出中に静かにさせたいためにスマホで動画をみせたとします。しかし家に帰るとスマホで動画をみてはいけないと注意した場合、子どもはとても混乱するはずです。

子どもが混乱しないように、一貫性のある行動を意識しましょう

4.発達障害の子どもたちへの言葉のかけ方について

両親と子ども

最後に、発達障害の子どもたちへの言葉のかけ方について紹介します。

(1)感情的でキツい言い方をしない

どの子どもにも言えることですが、子どもに対して感情的でキツい言い方をしてはなりません。感情のままに怒鳴ったり手をあげたりすることは、大人にとっては楽な方法でしょう。

しかし、そういった態度をとられた子どもには恐怖心しか残りません。そもそも発達障害のある子どもは、さまざまな状況で大人から注意を受けたり叱られたりしやすい環境にあります。そういった状況が続くと、友だちと遊んでいる際に自分の思い通りにならないと大人の行動をまねして、友だちを怒鳴ったり手をあげたりする可能性があるのです。

(2)大声での言葉かけをしない

突然大声で話しかけられたらどう思いますか?大人でもきっと驚くはずです。発達障害の子どもは、他のことに集中している可能性があり、話しかけられても耳に届いていないことがあります。

だからといって大声で声かけすると、怒られているのかと感じたりびっくりしたりするでしょう。大声の声かけのせいでパニックになるケースもあるため、子どもに話しかける際は、笑顔で適度な声量、穏やかな口調で行ってください

(3)肯定的な話し方を意識する

大人にとっても叱るという行為は労力を使うことです。そのためできるだけ叱りたくないものですが、子どもに危険な状況であることやマナーを教える際には叱らなければならないこともあるでしょう。

ただり方を間違えると、子どもの自己肯定感が低くなります。子どもを否定するような言い方をやめて、肯定的な言葉をチョイスして指導するように心がけると良いです

例えば「廊下を走ってはいけません」と注意したとしましょう。「~してはいけません」は否定語になるため良い言葉とは言えません。この場合は「廊下は歩きましょう」になります。この声かけで子どもが走るのをやめたのであれば、しっかり褒めることも大切です。

(4)子どもの特性にあわせて視覚も用いる

発達障害の特性によっては、絵カードなどの非言語コミュニケーションを使うほうが伝わりやすいケースがあります

ただし絵カードを使う際は、絵と内容がマッチしていることが重要であり、事前にトレーニングも必要になります。

(5)問題行動を理解できるような説明を

子どもが問題行動を起こしたときは、問題行動について理解してもらうことが大切です。ただし、子どもに危険が迫っている場合は、問題行動を止めることに注力しましょう。その後に良いことと悪いことについて簡潔に説明するのがおすすめです。

子どもの行動を止めようと思ってもなかなかできない場合は、子どもが大好きなおもちゃを渡したり、子どもが興味を持ちそうな運動や遊びをみせたりして注意をそらすと良いでしょう。

5.まとめ:大人の接し方で子どもは過ごしやすくなる

相談に乗る女医

発達障害の子どもは、ある分野にとてつもない集中力を発揮するなど、個々にすばらしい能力を持っています。子どもに合わせた接し方や環境を整えていくことで、子どもは生活しやすくなり個性をのびのびと伸ばすことも可能です

早いうちから適切な対応を心がければ、精神面の安定につながり問題行動を防げるでしょう。当オフィスでは、発達障害の専門カウンセラーが在籍しています。お気軽にご相談ください。