近親者コロナ 子供に異変 大阪府立大調査(産経新聞)
家族が新型コロナウイルスに感染したり、コロナに対応する医療従事者だったりした子供の大半に、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に特徴的な症状があったことが、大阪府立大の山野則子教授(児童福祉)らの調査で分かった。コロナ禍の子供への影響を調べる最大規模の調査といい、山野教授は「子供たちの声にならない悲痛な叫びが可視化できた」と強調。すでに不登校や虐待が増えているとして、自治体や学校などに対応を求めた。
新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、子どもに重大な障害があらわれているという調査結果のようです。これまでも自粛生活や学校の休校などにより、子どもが社会と隔絶され、様々な問題が起こっていると言われてきました。今回の調査はそれを裏付けるものといえます。
また、新型コロナウイルスに本人や家族が罹患したり、家族が医療従事者であったりしたというだけで学校で差別的な扱いを受けるということも一部では報道されていました。分からないことや恐怖の対象ということで排除するという集団心性が作用しているのでしょう。
こうしたことも子どものストレスに多大な影響を与えることは容易に想像できます。
そして、今回の調査では単なるストレスというだけにとどまらず、心的外傷後ストレス障害(PTSD)のような症状がみられるというところまで踏み込んでいます。DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル)ではPTSDは以下の5つの項目に1ヶ月以上あてはまると診断されます。
- 実際にまたは危うく死ぬ、重症を負う、性的暴力を受ける出来事への曝露
- 心的外傷的出来事の後に始まる、その心的外傷的出来事に関連した侵入症状の存在
- 心的外傷的出来事に関連する刺激の持続的回避
- 心的外傷的出来事に関連した認知と気分の陰性の変化
- 心的外傷的出来事と関連した、覚醒度と反応性の著しい変化
また、子どものPTSDの場合には適切に苦痛を言葉として報告することができず、多くは行動や態度といったことで表現されます。ですので、大人の場合と比べて診断は困難となります。例えば、この新聞記事であるように、集中力がなくなったり、すぐに腹を立てたりするなどは典型例です。さらに不登校となったり、ゲーム依存になったりすることもPTSDの影響といえるかもしれません。
PTSDについての詳しいことは下記のページをご覧ください。
また、子どもが普段と違う行動や態度を示し、おかしいと思ったら、誰かに相談すると良いでしょう。身近な学校の教師やよく受診する小児科の先生などが相談しやすいかもしれません。
そして、もしこうしたPTSDかもしれないとなったら臨床心理士や精神科医などの専門家に診てもらうと良いでしょう。
当オフィスでもPTSDの相談は受け付けています。もしお子様の様子で気になることがありましたら、まずは以下の申し込みフォームからお問い合せください。