リモートカウンセリングとは?対面との違いや選び方、注意点をチェック
本記事では、リモートカウンセリングの概要やメリット・デメリット、カウンセラーを選ぶ際の注意点などを詳しく紹介します。
コロナ禍を経て、リモートワークといったオンラインを使った働き方やサービスが増えてきました。実はカウンセリングについても、リモートカウンセリングが登場。しかし、対面カウンセリングと比べて何が違うのか、保険適用はあるのかなど疑問も多いことでしょう。本記事ではそういったことにも触れていますので、ぜひ参考にしてみてくだい。
目次
リモートカウンセリングとは?
まずは、リモートカウンセリングがどういうものなのか、また対面カウンセリングとの違いについて見ていきましょう。
(1)リモートカウンセリングの基本概要
リモートカウンセリングとは、離れた場所にいながらカウンセリングを受けることです。そのため、必ずしもインターネットを利用したオンラインである必要はありません。具体的にいうと、リモートカウンセリングには4つの種類があります。
- ビデオ
- 電話
- チャット
- メール
自身に合った方法を選べるというわけです。
(2)対面カウンセリングとの違い
対面カウンセリングは、クリニックなどに出向き、目の前に人がいる状態でカウンセリングを受けます。一方リモートカウンセリングは、画面越しにカウンセリングを受ける仕組みです。
スマホやパソコン、タブレットなどを利用することで、クリニックに行かなくても好きな場所で受けられます。目の前に人がいないため、比較的リラックスしてカウンセリングを受けられると感じる方もいるでしょう。
リモートカウンセリングのメリット
ここからは、リモートカウンセリングのメリットについて考えていきましょう。
対面カウンセリングよりも自由がきくイメージを持っている方もいるはずです。実際にリモートカウンセリングを利用する前に理解しておきましょう。
(1)場所を気にしなくて良い
リモートカウンセリングであれば、その場に行く必要がありません。スマホやパソコンなどの電子機器さえあれば、場所を気にせずカウンセリングを受けられます。
そのため、希望するカウンセラーが自身の住んでいる地域にいなくても、仕事が忙しくても遠方からカウンセリングを受けられるというわけです。
(2)外出が難しくてもOK
「カウンセリングを受けたい」と思う方のなかには、外出が難しい方も。「カウンセリングのため」と無理に外出してパニックになっては意味がありません。また、人に会うことで心に負担がかかる方もいます。
リモートカウンセリングであれば、先ほど紹介したような4種類のツールを利用できるため、自分が受けやすい方法を選択してカウンセリングを受けられるというわけです。
(3)対面よりも気軽に利用しやすい
対面カウンセリングの場合、すぐ近くに人がいるため視線や圧迫感を抱きやすいでしょう。初対面の方と話すことが苦手な方にとっては、緊張してうまく話せないということも。
リモートカウンセリングであれば、画面越しでの対面やチャット上での話のため、カウンセラーの存在感を強く感じにくいというメリットがあります。また、自宅など自身が安心できる場所でカウンセリングを受けられる点も大きな魅力です。
(4)移動費用や時間をかけずに済む
リモートカウンセリングの場合、移動する必要がありません。つまり、対面カウンセリングと比べて、移動費用や時間をかけずに済みます。効率的にカウンセリングを受けられるというわけです。
今後は日本でも「カウンセリング=重大な心の負担」ではなく、海外のようにカウンセリングがより身近なものになるでしょう。
リモートカウンセリングのデメリット
次に、リモートカウンセリングのデメリットには、どういったことが考えられるのでしょうか?
(1)オンラインでは話しづらく感じる方も
目の前に人がいないことでリラックスできる方がいる半面、オンラインを利用してのカウンセリングでは、自身の気持ちをうまく説明できず話しづらいと感じる方も。リアルさが減るという点もデメリットです。
また、自宅からカウンセリングを受けるため、日常から急にカウンセリングとなり、心の準備ができず、何から話したら良いのかわからなくなるケースもあるでしょう。
(2)電子機器やインターネット環境の不具合が起きる場合も
リモートカウンセリングでは電子機器やインターネットを利用します。機器やインターネット環境に不具合が生じると、最悪の場合カウンセリングを受けられないということも。
また、カウンセリング中に回線が切断されて、思うように話せないというケースもあるでしょう。
(3)得られる情報が少なくなる場合も
カウンセラーは、話を聞くだけで必要な情報を得るわけではありません。その方の表情やしぐさ、雰囲気など全身から必要な情報を取得します。そのため、画面越しでのカウンセリングとなると、得られる情報が少なくなる可能性があるのです。
また、チャットやメールを利用したリモートカウンセリングでは、相手の顔も見ることができません。対面カウンセリングで得られる情報量より少なくなるでしょう。
(4)緊急を要する場合対応が遅れる
すぐに病院の受診が必要なケースや緊急を要するような場合、リモートカウンセリングでは対応が遅れる可能性があります。対応が遅れる理由は、やはり情報量の問題です。
症状が重いと感じる、気になる症状があるという場合は、リモートカウンセリングよりも対面カウンセリングを選択するほうが安心でしょう。
リモートカウンセリングの選び方
では、リモートカウンセリングを「受けてみたい」と思ったとき、どういったポイントに注意してカウンセラーを選ぶと良いのでしょうか?ここでは、リモートカウンセリングの選び方について紹介します。
(1)有資格者かどうか
まずチェックしたいことは、心理学を学んだ有資格者かどうかです。専門性の高いカウンセラーでなければ隠れた問題に気づけないケースも。専門性が高いかどうかを判断する基準として、臨床心理士や公認心理師であることがポイントです。
また、有資格者であっても専門分野や得意分野が違います。自身の悩みとカウンセラーの専門分野が近いかどうかを確認しておくと良いでしょう。
(2)個人情報の取り扱いがしっかりしているか
リモートカウンセリングの場合、インターネットを利用してカウンセリングを行うことがほとんどです。ごくまれではありますが、情報漏洩のリスクもあります。またプライバシーの管理が徹底されているのかの確認もしておくと安心でしょう。
(3)料金体系は明確か
どんなサービスを利用する際も大切なことですが、料金体系の確認は必須です。料金体系が不明確だと、勝手にオプションが追加されてのちに高額請求される心配も。
料金体系が明確で、自身が納得できるところを選ぶようにしてください。また、無料カウンセリングを行っている場合は、無料カウンセリングを利用してから判断するのも良いでしょう。
リモートカウンセリングで注意したいこと
最後に、リモートカウンセリングを利用する際に注意したいことについて紹介します。
(1)事前に話したいことをまとめる
特に、初めてリモートカウンセリングを行う場合は緊張することも。また、リラックスしている状態で急にリモートカウンセリングが始まると、話したいことを話せないというケースもあります。
話したいこと、必要な情報を話せるように、事前に話したい内容をまとめておくと良いでしょう。
(2)保険適用や診断書はないケースも
基本的に、カウンセリングは自由診療です。そのため、リモートカウンセリングについても自由診療。また、診断書についても医療機関に受診しない限り発行されません。
ただし、医師によるカウンセリングを受け、精神疾患の診断が出ている場合は、保険が適用されることもあります。
(3)ネット環境の整備
オンラインを利用したリモートカウンセリングの場合、インターネット環境が悪いとフリーズしてしまうことも。カウンセリングが滞ることになるため、カウンセリングの前にインターネット環境を整えておきましょう。
リモートカウンセリングについてのよくある質問
リモートカウンセリングとは、インターネットを利用して自宅や他の場所から心理的サポートを受ける方法です。対面でのカウンセリングと異なり、ビデオ通話や音声通話を介して行われます。この方法は、交通手段に依存することなく、必要なときにすぐにアクセスできるという大きな利点があります。特に、遠方に住んでいる方や、忙しくて移動する時間が取れない方々にとって、非常に便利な選択肢です。また、リモートカウンセリングは匿名性も保たれやすく、対面での心理的支援を受けることに対して抵抗を感じる方にも適していると言えます。心理的な障壁を低くして、より多くの人が支援を受けやすくなるという点で、オンラインカウンセリングの需要は高まっています。
リモートカウンセリングの料金は、提供されるサービスやカウンセラーによって異なります。たとえば、心理オフィスKでは、初回のカウンセリングが50分6,000円となっており、継続的なカウンセリングは50分12,000円です。しかし、これらの料金はあくまで一例であり、他のカウンセリングサービスでは異なる料金設定がなされていることがあります。カウンセリングを受ける前に、提供される料金やプランについて詳細に確認することが大切です。また、初回限定の割引やパッケージプランなど、料金に柔軟性を持たせているサービスも多く存在します。料金設定が明確であることは、サービスを選ぶ際の重要な要素となります。
リモートカウンセリングを受ける際には、いくつかの準備が必要です。まず、安定したインターネット接続を確保することが最も重要です。通信が途切れると、カウンセリングの内容が中断されてしまうため、事前にインターネット環境を確認しておきましょう。さらに、カウンセリングを受ける場所も大切です。できるだけ静かな場所で、プライバシーが確保できる環境を整えてください。周囲の騒音や他の人の干渉がない場所でカウンセリングを受けることが、セッションを効果的に進めるために重要です。また、カウンセラーとの事前のやり取りで、カウンセリングの方法や使用するツール(Zoom、Skypeなど)についても確認しておくと、当日のトラブルを避けることができます。事前に問診票や同意書を提出することもよくありますので、必要な書類の準備を忘れずに行いましょう。
リモートカウンセリングの最大のメリットは、物理的な場所に制約されず、どこからでもアクセスできることです。自宅でのカウンセリングを受けることができるため、移動時間や交通費を省くことができ、非常に効率的です。また、カウンセリングを受ける際に、リラックスできる自分の空間で行えるため、よりリラックスしてセッションに臨むことができます。このような環境は、心理的な障壁を取り払う助けにもなり、対面でのカウンセリングに対して緊張感を感じる方々にも適しています。さらに、カウンセリングの時間や場所に柔軟性があり、日常生活の中で心理的サポートを受けやすくなる点が非常に大きな利点です。仕事や家庭の事情で時間が取りづらい方でも、リモートであれば比較的簡単に予約し、参加することができるため、カウンセリングの利用が格段に便利になります。
リモートカウンセリングのデメリットとして、まず、カウンセリング中に非言語的なコミュニケーションが難しくなることが挙げられます。表情や身振り手振り、身体的なジェスチャーを直接見ることができないため、カウンセラーがクライアントの微妙な感情や状態を読み取るのが難しくなることがあります。また、インターネット接続の問題も時折発生する可能性があります。接続が不安定な場合、セッションが途切れたり、音声や映像が乱れたりすることがあり、これがカウンセリングの進行に支障をきたすことがあります。さらに、リモートカウンセリングでは、物理的な距離があるため、カウンセラーがクライアントの体調や表情の微細な変化を直接把握するのが難しいという点もあります。そのため、対面カウンセリングに比べると、効果的なカウンセリングを提供するためには、特別なスキルや技術が求められることもあります。
リモートカウンセリングは主にビデオ通話や音声通話を通じて行われます。これらは、ZoomやSkype、Google Meetなどのオンラインプラットフォームを利用して、リアルタイムでカウンセリングを行う形式です。ビデオ通話では、カウンセラーとクライアントが顔を見て会話できるため、表情や声のトーンなどを通じて、感情の変化を感じ取ることができます。音声通話の場合は、ビデオがない分、言葉のやり取りに集中することができ、リラックスして話すことができる場合もあります。どちらの方法が適しているかは、クライアントのニーズやカウンセラーとの相談によって決まることが多く、柔軟に対応することができます。オンラインカウンセリングの際には、事前に使用するツールやプラットフォームについて確認し、トラブルが発生しないように準備しておくことが重要です。
リモートカウンセリングの効果は、対面カウンセリングと同様に高いとされています。複数の研究結果では、オンラインで提供されるカウンセリングも、感情的なサポートを提供する上で非常に効果的であることが示されています。特に、不安やストレス、うつ症状に関しては、リモートカウンセリングでも大きな改善が見られることが多いです。ただし、個々のカウンセリングの質やクライアントの状況によって、その効果は多少異なる場合もあります。対面のカウンセリングの方が効果的と感じる場合もありますが、リモートカウンセリングでも、十分なサポートを受けることができます。クライアントのニーズや状況に応じて、最適な方法を選択することが重要です。
リモートカウンセリングを受ける際には、いくつかの注意点を押さえておくことが重要です。まず、カウンセリングを受ける場所は静かで落ち着いた環境である必要があります。周囲に他の人がいると、プライバシーが守れないだけでなく、集中して話すことが難しくなる可能性があります。そのため、できるだけ一人で静かな場所を選ぶようにしましょう。また、インターネット接続が安定しているかどうかも確認しておくことが大切です。通信が途切れると、セッションの進行に支障が出る可能性があるため、Wi-Fiの接続環境が良好であることを確認してください。カウンセリングの前に、カウンセラーとの連絡手段やツールの使い方を確認しておくことも、スムーズなセッションに繋がります。
リモートカウンセリングは、基本的に誰でも受けることができます。特に、対面でのカウンセリングにアクセスするのが難しい人々、例えば地方に住んでいる人や、忙しい日常生活を送っている人々にとって非常に便利です。また、リモートカウンセリングは、匿名性を保ちながら受けられることも多いため、対面でのカウンセリングに抵抗がある人々にも適しています。カウンセリングを受けるにあたり、特別な制限が設けられていることは少なく、インターネット環境とツールさえ整っていれば、誰でも利用可能です。ただし、各カウンセリング機関によっては、年齢や対象者を限定する場合もあるため、事前に確認しておくことが大切です。
リモートカウンセリングを受ける前には、いくつかの重要な確認事項があります。まず第一に、カウンセリングを提供しているサービスやカウンセラーの実績や評価を確認することです。信頼できる専門家を選ぶことは、効果的なカウンセリングを受けるための第一歩です。また、使用するオンラインプラットフォーム(ZoomやSkypeなど)について、インターネット環境やアプリの設定が適切であるかどうかを確認しておくことも重要です。さらに、料金やキャンセルポリシーについても事前に確認しておくと、後で不安やトラブルを避けることができます。これらの確認を通じて、リモートカウンセリングをスムーズに受けられる準備を整えることができます。
リモートカウンセリングを受けたい
リモートカウンセリングにはデメリットもありますが、メリットもあります。デメリットの部分は、事前に備えれば回避できることも。リモートカウンセリングの特性を理解して、うまく活用しましょう。
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