児童生徒の自殺者急増 最多479人 コロナ禍の社会不安影響か
「児童生徒の自殺者急増 最多479人 コロナ禍の社会不安影響か 2/15(月) 20:37配信 毎日新聞」
2020年の全国の小中学生と高校生の自殺者数は前年比140人(41.3%)増の479人(暫定値)となり、過去最多を更新した。文部科学省が15日、明らかにした。文科省は「新型コロナウイルスの感染拡大による社会不安が影響した可能性がある」(児童生徒課)としている。
校種別では、小学生14人(前年比8人増)▽中学生136人(同40人増)▽高校生329人(同92人増)。高校生では特に女子が前年の約2倍の138人と急増しており、文科省は原因の分析を進めている。
コロナ禍の影響により、小中高校生の自殺数が増えているそうです。
子どもは大人よりも対処能力は比較的低いです。そのため、大人であれば、大したことはないと思っていることでも、子どもは強いストレスを受け、心の不安を強めてしまいます。
特に今回のコロナ禍では、大人であっても相当のストレスを感じていると思います。子どもであればなおさらでしょう。このことが自殺に向かうことは容易に想像できます。
子どもは良くも悪くも素直であると言えます。素直ということは、それだけ心理的、物理的な影響をそのまま受けてしまうということです。
その結果の一つは自殺でしょう。
自殺は小学校高学年ぐらいから増えてきます。10~14歳の死因の内、自殺は3位で、10~19歳の死因の内、自殺は2位で、20歳以上になると死因の1位が自殺になります。
図1 性・年齢階級別にみた主な死因の構成割合
参考:人口動態統計月報年計(概数)の概況 令和元年(2019)
子どもは視野が狭く、被影響性が高く、言語化能力が低く、衝動性が高いという特徴があります。つまり、以下のことがいえます。
- 視野が狭いので、悪いことを考えると、悪いことばかりになってしまいやすい
- 被影響性が高いので、ちょっとしたことに左右されてしまう
- 言語化能力が低いので、うまく自身の悩みを相談しにくい
- 衝動性が高いので、衝動的に自殺をしてしまいやすい
といえます。コロナ禍によって、大人以上に影響を受け、誰にも相談できず、自殺にいたってしまうのかもしれません。
ただし、子どもはまったく自殺の兆候を見せないのか、というとそうではありません。普段とは違う言動や態度を示したり、嫌になった、腹が立つ、もうどうでもいい、などの投げやりなことを言ったりすることは兆候といえます。子どもは言語化能力が低いため、うまく心の中のことを表現できないため、こうした表現でしか示せません。
ただ、反対からいうと、子どもはそうした表現によってヘルプのサインを出しているのかもしれません。そのためにも保護者は普段からの様子をしっかり見ている必要があるでしょう。仕事が忙しいからといって、なおざりな接し方をしてしまっていないでしょうか。
自殺防止・自殺予防に関する詳細は以下をご参照ください。
また、コロナ禍の中、ご家族やお知り合いの方で不安を抱えていらっしゃる方がいましたら、当オフィスでカウンセリングを受け付けていますので、お気軽にご相談ください。