意欲がわかないのは病気のせい?原因や対処法を知っておこう
本記事では、意欲がわかない原因や対処法について紹介します。
「この前までそんなことがなかったのに…なぜか意欲がわかない」ということはありませんか?身体が疲れている場合もありますが、病気が原因になっていることも。「意欲がわかない」という症状を放置したことで、病気が進行してしまう可能性もあります。症状が長く続く場合には、病院を受診したほうが良いケースもあるため、気になることがある方は、参考にしてみてください。
なぜ意欲がわかない?
まずは、意欲がわかなくなる原因について見ていきましょう。原因がわかる方は、その問題を取り除けば良いため明確です。しかし多くの場合、さまざまなトラブルが重なったり自分で気づいていないうちに意欲がわかなくなる要素が積み重なったりして「これ」といった原因が見つけられないことも。
具体的にはどんな原因が考えられるのでしょうか。
(1)疲れがたまっている
仕事が立て込んでいて肉体的に疲れている、仕事や育児に忙しい、最近疲れやすいというように、肉体的な疲れがたまることで、無気力な状態になることがあります。身体に疲れがたまると、倦怠感や自律神経の乱れを引き起こす原因になるのです。
(2)睡眠不足
肉体的な疲れがたまる原因として考えられることが睡眠不足。いろいろなトラブルに見舞われて、精神的に疲れている場合にも睡眠不足になりやすいです。睡眠不足に陥ると、集中力が低下して意欲がわかなくなることがあります。
また、仕事や育児が忙しく毎日慌ただしい生活を送っていると、忙しいことに集中し過ぎて疲労を感じにくくなってしまうことも。そうなってしまうと、自分の気づかないうちに限界を超えて、突如どっと疲労が押し寄せてくるというケースもあります。
(3)ストレスがたまっている
会社や学校、家庭、人間関係など、生活していれば、誰でもストレスを感じることでしょう。人間にとってある程度のストレスは心地良いこともありますが、過度なストレスやプレッシャーにさらされると、心が疲れてしまいます。
心が疲れてしまうと、自律神経の乱れを引き起こして、身体や心に悪影響が出ることも。意欲がわかなくなることはもちろん、気持ちが不安定になることもあるでしょう。
(4)無気力になっている
「これまでに自分なりにたくさん頑張ったのに評価されない」「どんなに取り組んでも認めてもらえない」という状況が続くと、人間は「どうせ何をやっても報われない」と考え始めます。
こうなってしまうと、自身が毎日頑張る理由がわからなくなり不満や我慢を積み重ね、さらには気力がそがれて意欲がわかなくなるというわけです。
(5)問題が山積みになっている
トラブル続きで、解決しなければならない問題がたくさんあると意欲が低下することもあります。「何から手をつけたら良いのかわからない」「もうお手上げ」と感じてしまうと、未来には不安しかないと感じてしまうため、気力が低下してしまうというわけです。
(6)目標を見失っている
ある目的や目標のために一生懸命取り組んできた方の場合、燃え尽き症候群に陥ってしまうことも。「目標を達成する」「病気やケガなどで目標達成できない」というような条件で、気力が低下してしまうのです。また、目標が分からなくなり突然やる気がなくなってしまうこともあります。
(7)環境の変化が起きている
肉体的、精神的なストレスで無気力になることを説明しましたが、環境の変化で同時に肉体的・精神的なストレスを感じることも。
例えば、就職や転勤、結婚など門出を祝うような喜ばしいシーンであっても、新しい環境に変わることで過度なストレスを感じて意欲が低下してしまうのです。また、ダイエットのために食事を抜いたり、昼夜逆転の生活になったりして生活リズムが乱れることによる気力の低下もあります。
意欲がわかない背景に病気が潜んでいる場合も
意欲がわかないということは、身体や心が疲れている可能性があります。しかし、ただそれだけではなく病気が潜んでいることも。また身体や心の疲れが悪化して、病気へと進行してしまうケースもあります。どんな病気が考えられるのか見ていきましょう。
(1)うつ病
うつ病とは心と脳の病気です。過度なストレスによって脳の働きのバランスが崩れ、疲労感や不安感に襲われたり、意欲の低下や抑うつ気分を引き起こしたりします。
(2)統合失調症
統合失調症とは、さまざまな精神疾患が集まって発症する病気のことです。30代くらいまでの若い世代に起こりやすいといわれています。具体的な症状としては、集中力や意欲の低下、幻覚や妄想などの思考の障害などがあります。
(3)適応障害
転勤や引っ越しなどの環境の変化や、身近な方が亡くなるなどの精神的なストレスなどによって引き起こされる病気です。不安感が増したり涙もろくなったりします。意欲の低下を引き起こすことはもちろん、ケンカや怒りといった攻撃的な行動をすることもあります。
(4)更年期障害
更年期障害は、ホルモンバランスの乱れや環境ストレスなどによって引き起こされる症状のこと。45歳から55歳くらいの女性だけが発症すると考えている方もいますが、実は男性にも起こり得るため注意が必要です。
具体的には、のぼせや発汗、倦怠感、常に眠い、肩こり、イライラする、意欲の低下などさまざまな症状があらわれます。
(5)アルコール依存やギャンブル依存
アルコール依存やギャンブル依存は、お酒を飲むことやギャンブルをすることに依存してしまう症状。依存症に陥ってしまうと、自身がアルコールやギャンブルに依存していることに気づけず、どんどんのめり込んでしまいます。
気づいたときには身体や心を壊し、睡眠障害やうつ病を発症することもあるのです。
意欲がわかないと感じた場合の対処法
「なんだかいつもと違う」や「意欲がわかない」と感じた場合には、できるだけ早く対処する必要があります。どういった対処法が考えられるのか見ていきましょう。
(1)まずはしっかり休む
基本は、しっかり休むことが大切です。何もしない時間や環境を整えてゆっくり過ごしましょう。身体の休養はもちろんのこと心の休息も必要です。
(2)嫌いなことをやめる
「苦手なものの社会人だから」と無理に続けていることはありませんか?仕事や人間関係などさまざまな問題が考えられますが、心に引っかかっている問題や嫌なことを手放すという方法もおすすめです。
無理して頑張ると余計に辛くなるため、苦手なことから逃げることも身体や心を守る方法の一つといえます。
(3)原因について考える
「これといって問題点を見つけられず意欲が低下した」と感じた方や、さまざまな問題が積み重なっている方の場合は、原因を探っていくと良いでしょう。
そうすることで頭の中に山積している事柄を整理でき、客観的に解決策を考えられるようになるためです。
(4)信頼できる人や家族に相談する
「心にため込んだ出来事を誰かに話したい」「原因を探ったけど自分ではわからない」という場合には、信頼できる友人や家族に相談すると良いでしょう。
誰かに話すことで、心がスッキリすることもあります。また、話しているうちに相手が原因を見つけてくれることもあるためです。
(5)生活習慣を整える
自律神経が乱れると、身体や心にトラブルが起きやすくなります。自律神経を整えるためには「早寝早起きをする」「栄養バランスが整った食事を摂る」「規則正しい生活を送る」など、生活習慣を整えると良いです。
(6)運動を行う
適度な運動は幸せホルモンを分泌するといわれ、身体と心の安定につながります。また、リフレッシュになるためおすすめです。適度な運動によって身体が疲れれば寝つきが良くなり、睡眠の質が向上することも期待できます。
運動が苦手という方は、何か趣味を見つけるのも良いでしょう。
(7)小さな目標を決める
「何もやる気が起きない」「目標を見失ってしまった」という方は、小さな目標を決めると良いでしょう。目標は何でも構いません。「お金を貯めて高級レストランで食事する」や「旅行へ行く」「週に2回運動する」などの目標でOK。
目の前の小さな目標を達成していくことで達成感を味わえ、また新たな目標に向かっていけるというわけです。
専門家に相談するのもおすすめ
体調の変化に初期の段階で気づくことができれば、自身や周囲の人の助けを借りて改善することができるかもしれません。しかし、自分ではなかなか解決できない、症状が変わらないという場合には、専門家に相談することをおすすめします。
1人で悩まず、心療内科や精神科を受診したりカウンセリングを受けたりすることを検討しましょう。
(1)心療内科や精神科を受診する
心療内科や精神科では、患者様の症状や気持ちをじっくり聞いて解決策を探っていきます。週1回や2週に1回など患者様の状態に合わせて通院してケアする方法です。ときには漢方や薬などを処方されることもあります。
(2)カウンセリングを受ける
カウンセリングによって治療していく方法も。カウンセリングでは話を聞いて因を探ったり、他の問題が隠れていないかを見つけたりします。ものの見方や考え方に癖がある場合は、その癖によってどういった影響が出ているのかを考え、癖を改善していくこともあります。
意欲低下についてのよくある質問
意欲低下とは、日常生活や仕事に対するやる気や興味が減少する状態を指します。これは、精神的な疲労やストレス、うつ病などの精神的な問題、または身体的な健康問題が原因で起こることがあります。意欲が低下すると、日常の活動が億劫に感じられ、集中力の低下や生産性の減少、人間関係の悪化など、生活の質に影響を及ぼすことがあります。
意欲低下の原因は多岐にわたります。主な原因として、精神的なストレスや過労、うつ病や不安障害などの精神疾患、睡眠不足や栄養の偏りなどの生活習慣の乱れ、慢性的な病気や痛みなどの身体的な健康問題が挙げられます。また、人間関係のトラブルや職場でのプレッシャー、将来への不安など、心理的な要因も意欲低下に影響を与えることがあります。
意欲低下は、日常の活動に対する興味や関心の喪失、仕事や学業への集中力の低下、疲労感の増大、社交的な活動への参加意欲の減少などの形で現れます。また、自己評価の低下や無力感、将来に対する悲観的な考え方が強まることもあります。これらの症状が長期間続く場合、日常生活に支障をきたす可能性があります。
意欲低下は、うつ病の一症状として現れることがありますが、必ずしも同義ではありません。意欲低下は一時的なストレスや疲労によっても生じることがありますが、うつ病は持続的な抑うつ気分や興味・喜びの喪失、睡眠や食欲の変化、集中力の低下など、複数の症状が2週間以上続く精神疾患です。意欲低下が長期間続き、他のうつ病の症状も見られる場合は、専門家の診断を受けることが重要です。
意欲低下を改善するためには、まず生活習慣を見直すことが有効です。十分な睡眠を確保し、バランスの良い食事を心がけ、適度な運動を取り入れることで、身体的な健康を維持することが重要です。また、ストレスの原因を特定し、適切な対処法を見つけることも大切です。必要に応じて、カウンセリングや心理療法を受けることで、心理的なサポートを得ることができます。
意欲低下が長期間続く場合、まずは精神科医や心療内科医、臨床心理士などの専門家に相談することをおすすめします。これらの専門家は、意欲低下の原因を評価し、適切な治療やサポートを提供することができます。また、必要に応じて、カウンセリングや心理療法、薬物療法などの治療法を提案してくれるでしょう。
意欲低下が一時的であり、数日から1週間程度で改善する場合は、特に問題ないことが多いです。しかし、2週間以上続く場合や、日常生活や仕事に支障をきたす場合は、何らかの精神的・身体的な問題が潜んでいる可能性があります。このような場合は、専門家に相談し、適切な評価と対応を受けることが重要です。
意欲低下を予防するためには、日常生活でのストレス管理が重要です。適度な休息とリラクゼーションを取り入れ、趣味や興味のある活動に時間を割くことで、精神的なリフレッシュを図ることができます。また、バランスの良い食事、十分な睡眠、定期的な運動など、健康的な生活習慣を維持することも効果的です。さらに、信頼できる人とのコミュニケーションを大切にし、悩みや不安を抱え込まないことも予防につながります。
意欲低下がうつ病や不安障害などの精神疾患に関連している場合、医師が処方する薬物療法が効果的な場合があります。抗うつ薬や抗不安薬は、脳内の神経伝達物質のバランスを調整し、意欲を改善することが期待できます。ただし、薬物療法はあくまで一部の治療法であり、生活習慣の改善や心理的サポートと組み合わせることが重要です。薬の使用については必ず医師と相談し、指示に従って使用することが必要です。
意欲低下が一時的なストレスや疲労によるものであれば、十分な休息や環境の変化によって自然に改善することがあります。しかし、原因が精神疾患や深刻なストレスに起因している場合、自然に治る可能性は低いです。特に、意欲低下が長期間続く場合や、日常生活に支障をきたす場合は、専門家のサポートを受けることが重要です。早期に対処することで、症状の悪化を防ぐことができます。
意欲低下について相談したい
慌ただしい日常生活のなかでは、自身に多大なストレスがかかっていることにも気づけない場合も。また、さまざまなトラブルが山積して、身動きが取れなくなっているケースもあるでしょう。まずは1度立ち止まって自身のペースを掴むことが大切です。1人で解決策を探るのも良いですが、周りの方に頼ることも忘れてはなりません。
当オフィスでは、意欲の低下からくる身体や心の不調改善に精通した専門のカウンセラーが在籍しております。お気軽にご相談ください。