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認知の歪みを理解すれば人生が変わる!心理学者が説く対処法

「認知の歪み(非合理的な認知、非機能的な認知)」を修正すれば、ストレスを避けることができ個性を最大限に生かした充実した生き方ができます。「歪み」というのを平均とか常識などセルフコントロールできないものを基準とせず、「楽しい日々を積み重ねることを実現するための認知習慣」などセルフコントロールできるものに置き換えることを目指したいものです。

ここでは認知の歪みの概要や特徴、改善の方法などについて解説します。

認知の歪みとは

認知の歪み(非合理的な認知、非機能的な認知)とは、抽象的で誇張的で非合理的なパターンの思考回路など極端な発想を意味します。それ故に修正や改善には、時間がかかるし工夫が必要となります。この状態でい続けることは、目の前の状況をネガティブに捉え、抑うつ状態や不安神経症など精神病症状につながる傾向があることが知られています。

認知の歪みは「自動思考」と関連する要素が多く、反射のように無意識のこともあります。急な修正を必要とする場合は、他人からのアドバイスが必要なことが多いですがそれでは治らないことも多く、時に時間をかけた介入を必要とすることもあります。内容について必ずしも、生きていく上で不利に働くとは限りませんが、極端なものは人間関係の衝突なども招き生きづらさに繋がる傾向があります。

ちなみに、最近では認知の歪みというと病理的なニュアンスが含まれてしまうため、非合理的な認知や非機能的な認知と言われることが増えてきました。

認知の歪みの原因

人は、過去の行動によってひきおこされたトラウマ(俗にいう苦い思い)の再現を人は無意識に回避したいものです。養育環境を含む周囲の人間関係や自己肯定感の低さがもたらした「思考の癖」に関連するとされています

思考の癖は固定観念につながりやすく誰にでも多少なりとありますが、それが原因でストレスを感じてしまいメンタル面の不調につながることがしばしば問題となります。

認知の歪みの種類について

「認知の歪み」に陥りやすい思考習慣を8つに大別しました。苦しんでおられる方の多くは、極端過ぎたり型から外れることに異様な恐怖心をもったりなどし、将来の選択の幅を狭めていることが多いです。一般にバランスが悪く、結果としてストレスを感じやすくマイナス思考なのが特徴です

(1)全か無か

物事に完全に黒か白か、良いか悪いかを色分けする。100-0思考とも呼ばれる。

(2)過度の一般化

自分の身の上に起こった不幸なことを一般化し、選択の幅を狭めてしまいます。多数決解から外れるのを怖れることがストレスにつながります。

(3)選択的なフィルター

一つのよくなかった事例をもとに、その関連のすべての選択が誤りだとして避けてしまう。

(4)ネガティブな思考

良い側面と悪い側面の両面が一つのことにはあるが、悪い側面ばかりに目がいく。

(5)論理の飛躍

根拠もないのに悲観的な結論をだしてしまう。心の読みすぎや先読みの誤りで歪曲した論理でネガティブな結論に誘導してしまう。

(6)拡大視と縮小視

自分の長所を過小評価し、短所を過大評価する。

(7)レッテル貼り

一時的な行動や出来事から生まれた結果を極端に悪く捉え、自己肯定感を下げてしまうことで予期不安から消極的な姿勢を生んでしまいます。

(8)感情の決めつけ

前向きな行動によっても事態の好転は望めないと決めつけてしまうことで、建設的な行動を生む思考や感情を押し殺してしまうことがあります。

認知の歪みによる悪影響

(1)認知の歪みとうつ病やその他の精神疾患の関係

認知の歪みと精神疾患の関連は、あることが多いです。認知の歪みはあっても、俗に拘りが強いが無頓着で悩んでおらず、社会で成功をおさめている人も多くおられることも事実です。例えば自分は成功をおさめるためには努力が欠かせないと、過剰な努力を惜しみなく続けることは世間では有能で必要な人物と評価され自己肯定感が高まります。

しかし一方、境界性パーソナリティ障害やうつ病や神経症や依存症とは、認知の歪みの原因ともなり結果ともなることが知られています。ストレスやトラウマに関して、それ自体は病気ではありませんが、精神疾患との報告は多いです。また、発達障害が関連していることがあり、いずれにせよ専門家への相談が必要です。

近年脳は何歳になっても進化できることがわかってきており、認知の歪みの修正は最大のアンチエイジングと考えられています。

(2)認知の歪みが恋愛や人間関係に与える影響とは

認知の歪みが強い人は、自分にも厳しいことが多いですが、その価値観を他人に押し付けようとする傾向が強いです。そのため、人間関係や恋愛で衝突をひきおこす原因になります

思考や習慣の内容の良し悪しにかかわらず、それを他人に強く強要してしまう行為が傲慢と捉えられてしまいトラブルに発展してしまうことがあります。自分の価値観を人に押し付けてしまうこと自体が、認知の歪みであるという意識を持つべきです。

認知の歪みの治し方

認知の歪みには、以下に列挙する療法の組み合わせが有効とされています。

(1)自分でできる対処法

物事に数多く、チャレンジして結果に至るプロセスを振り返る習慣をつけることです。結果が良くても反省すべき思考習慣もあれば、その逆もあります。他人の話は聞く方がよいですが、それをすべて自分にあてはめるのではなく、自分なりのライフワークに適したものかどうかで取捨選択したらよいでしょう。

本を読んだり、近年ならyoutubeなどで動画をみるのも良いでしょう。多数決解が必ずしも正解ではないという認識をもって行動すべきで、個性を認めてもらえる環境に身をおくことも、大切でしょう。

それだけで感情も穏やかになり、状況も落ち着くこともあります。

(2)認知行動療法

認知行動療法は一般に認知の歪みを修正し、行動を変え、それによって状況を変えることをさします。

人の行動習性は一般に自動化されています。「人生トライアンドエラーよ。」「大切なのは失敗から何を学ぶかよ。」「成功は失敗の元。」、と古くから言葉があります。これらはすべて認知行動療法を基にした言葉です。自分の失敗をもとにレジリエンス力で、自分自身で行動力を身につけるのが理想の認知行動療法です

時に、友達や心理学者などからアドバイスをいただいて、自分なりにそれらを咀嚼し修正できるものも含みます。他人からの場合は特に、指摘をうけた場合は気づかなくとも、時間が経ってから行動が修正されることもあります。この世で事象すべてから、学ぼうとする姿勢が心の病みを避ける秘訣です。注意すべきは、あまり多くの人や利害関係のある仲の人に相談せず、少人数で信用できる人からのアドバイスを聞くのがよいでしょう。

認知行動療法の詳細は以下のページをご覧ください。

(3)医療的介入

臨床心理士や自分のことを理解する周囲の方からの認知行動療法は、認知の歪みの改善や修正に非常に有用です。

しかし、ストレスや不安で、日中傾眠を伴うような不眠・物質や薬物の依存状態・抑うつ気分・食欲低下・衝動的行動を伴う場合には専門の医療機関で薬物療法を用いて、心の風邪のような状態を同時並行して治療した方が早く楽になれるでしょう。メンタルクリニックの受診をお勧めしています。

認知行動療法についてのトピック

認知の歪みについてのよくある質問


認知の歪みとは、物事を極端に偏った視点で捉え、現実を歪めてしまう思考のパターンを指します。これにより、物事を過剰に悪く考えたり、無駄に不安を感じたりすることが多くなり、精神的な負担を引き起こします。認知の歪みを持つことで、過度に自分を責めてしまったり、他人との関係がうまくいかなかったりすることがあります。認知の歪みは、思考の中で常に繰り返し現れるため、気づかないうちに自分を追い込むこともあります。心理的な不調やストレスが増える原因として、認知の歪みはしばしば関わっており、これを改善することが心の健康を取り戻すために重要なステップとなります。


認知の歪みの例としては、いくつかの特徴的な思考パターンが挙げられます。例えば、「全か無か思考」は、物事を白か黒かの二択で考え、グレーゾーンを無視してしまう考え方です。これにより、ちょっとした失敗でも自分を完全にダメだと感じてしまうことがあります。次に「過度の一般化」は、一度の出来事をすべてに当てはめ、将来的な予測を否定的に捉えることです。たとえば、試験で一度失敗した経験から「自分はどんなことでもうまくいかない」と考えてしまうことがあります。「心のフィルター」は、良いことを見逃し、悪いことだけに焦点を当ててしまうことです。例えば、何かを成し遂げたのに、その過程で失敗した部分にだけ目を向けてしまうような状態です。これらの歪みは日常的に私たちの思考の中に潜んでおり、意識しないといつの間にか心の中で大きな影響を及ぼしてしまうことがあります。


認知の歪みは、過去の経験や育てられた環境が大きな要因となって形成されます。特に、幼少期に親や周囲の大人との関係の中で経験した出来事が、後の思考パターンに強く影響します。例えば、過剰に厳しい環境で育った場合、自分に対して厳しい評価を下す傾向が強くなり、自己肯定感が低くなることがあります。また、家庭環境が不安定だったり、愛情不足を感じて育った場合、他人との関係に対しても疑念や不信感を抱きやすくなることもあります。これらの初期の経験が、思考や感情の反応のベースとなり、認知の歪みを生じさせるのです。さらに、文化や社会的な影響も無視できません。社会で強調される「成功」や「完璧さ」へのプレッシャーが、認知の歪みを加速させることもあります。


認知の歪みが引き起こす影響は非常に大きく、精神的な健康に深刻な影響を与えることがあります。まず、過度な不安や抑うつ症状を引き起こすことが多く、自己評価が低くなりやすいです。たとえば、失敗した場合にその経験を自分全体の否定として受け入れ、次の行動に対して強い不安を抱くようになることがあります。また、人間関係にも悪影響を与えることがあり、他人の言動を過度にネガティブに解釈してしまい、無用な誤解や対立を生んでしまうことがあります。さらに、過度に自己批判的になったり、完璧主義的な思考に陥ったりすることで、ストレスが増加し、慢性的な疲労感や心身の不調を引き起こすこともあります。これらの影響は日常生活にも悪影響を及ぼし、仕事やプライベートの生活全般に支障をきたす原因となるのです。


認知の歪みを改善する方法の一つとして、認知行動療法(CBT)があります。CBTでは、歪んだ思考パターンに気づき、それを現実的で柔軟な考え方に置き換えることが目標となります。例えば、「全か無か思考」を「もっと柔軟な評価に変える」ことや、「感情的推論」を「根拠に基づいた判断」に変える練習を行います。このようなトレーニングを通じて、現実的な思考を育て、日常生活の中でのストレスや不安を減らしていきます。さらに、マインドフルネスや瞑想などのリラクゼーション法も効果的です。これらは、感情や思考の波に飲まれず、冷静に物事を見つめる力を育む方法です。また、自己肯定感を高めるためのポジティブな自己対話や、感謝の気持ちを持つことも心の健康を守る助けとなります。認知の歪みを改善することは、時間と努力を要しますが、心の健康を取り戻すためには非常に重要なステップです。


認知の歪みを自分でチェックするためには、まず自分が感じた思考を意識的に振り返り、そこに歪みがないかを検証することが大切です。例えば、感情が強く動いた時に、自分がどんな思考をしているのかをメモしておくと、そのパターンに気づきやすくなります。具体的には、「全か無か思考」「過度の一般化」「マイナス化思考」などがどの程度自分の思考に影響を与えているかを確認します。また、自分の思考が非現実的なものでないかをチェックし、もし歪んでいる部分があれば、より柔軟な考え方に修正することが求められます。日記をつけることも非常に有効で、日々の出来事に対して自分がどのように反応したかを見返すことで、歪んだ認知に気づくことができます。このように、自分の思考に気づき、意識的に改善しようとすることが、認知の歪みを克服するための第一歩となります。


認知の歪みを治療しない場合、精神的な健康がますます悪化する可能性があります。歪んだ思考が長期間続くと、それに基づいた感情や行動が習慣化され、自己評価が低くなったり、対人関係において不安や恐れを感じやすくなったりします。また、仕事や家庭でのストレスが増大し、生活全体に影響を与えることがあります。たとえば、歪んだ思考が原因で自分に対する過剰な期待を抱くことになり、完璧主義に陥ることがあります。これがさらにストレスを引き起こし、身体的にも疲れやすくなる可能性が高くなります。さらに、うつ病や不安障害など、より深刻な精神的問題が引き起こされることもあります。したがって、認知の歪みを早期に認識し、適切に治療することが、心の健康を守るためには非常に重要です。


認知の歪みは、ほとんどの人が何らかの形で持っています。特にストレスや不安を感じている時に、歪んだ思考パターンが現れることが多いです。しかし、歪みの程度やその影響には個人差があり、全ての人が大きな問題を抱えているわけではありません。例えば、忙しい時や緊張している時に過度に心配したり、最悪のシナリオを想像したりすることはよくありますが、それが日常的にならなければ、大きな問題にはなりません。ただし、認知の歪みが頻繁に現れる場合や、それが感情や行動に深刻な影響を与えている場合は、改善が必要です。自分の思考パターンに気づくことが、歪みを減らすための第一歩となります。


認知の歪みを改善するための具体的なステップとして、まず自分の思考に注意を払い、歪みがどのように表れているかを認識することが重要です。たとえば、「全か無か思考」や「過度の一般化」を意識して、現実に即した柔軟な思考に置き換えることが求められます。次に、自分の思考が現実的かどうかを検討し、歪みを正すために新たな視点を持つよう努めます。例えば、ネガティブな思考に対して、その思考が本当に正しいのかを確認し、違う見方を試してみることです。また、ポジティブな自己対話を増やし、自分に対して優しく、受け入れる姿勢を持つことも重要です。


認知の歪みを改善するためのリソースには、専門的なカウンセリングや心理療法が役立ちます。特に、認知行動療法(CBT)は歪んだ思考を認識し、修正するために有効です。また、書籍やオンラインリソースを活用することで、自己改善のための知識を深めることができます。心理学的なポッドキャストや動画も、歪みを理解し、改善するためのサポートになります。さらに、マインドフルネスや瞑想などのリラクゼーション法も、心の健康を保つために有益です。これらのリソースを使って、自分に合った方法を見つけ、継続的に取り組むことが大切です。

認知行動療法やカウンセリングを受けたい

人生経験は「認知の歪みを修正すること」と同義としても過言ではありません。

ストレスを自分自身で避け、選択幅を狭めない思考習慣を身につけ、心地よくストレス社会を生き抜くスキルの習得はすなわち美しく老いることかもしれません。自分らしい生き方を見つける過程で、認知が歪みやストレスを経験することは、ある意味必然です。何事もバランスが大切ですが、完全な回答など存在しないということを前提にしておきたいところです。歳を重ねることで、これらは自然に修正されることが一般的です。

こうした認知の歪みで困っているようであれば、カウンセリングや認知行動療法を受けることも良いでしょう。当オフィスでもカウンセリングや認知行動療法を実施していますので、ご希望があれば、以下の申し込みフォームからご連絡ください。

文献

この記事は以下の文献を参考にして執筆いたしました。