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自己否定とどうやって向き合う?HSPも原因のひとつ?改善に導く対策や習慣も

本稿では、自己否定してしまいがちな人に向けて、自己否定の原因と思考の特徴、そしてすぐに実践できる4つの対策について詳しく解説します。「どうせ私なんて」「自分には無理」のように、あなたはこんな言葉で自己嫌悪に陥ったり自己否定したりしていませんか?

自己否定を繰り返していれば、いつまでたっても自分に自信が持てないままです。なぜ人が自己否定してしまうのか、その理由について探ってみましょう。

自己否定って?なぜ人は自分自身を否定してしまうの?

悩む女性

何か失敗して落ち込んだときや自分より優秀な人を見ると自己否定をしてしまいがちです。なぜ人は自己否定してしまうのでしょうか。ここでは自己否定の意味や原因を解説していきます。

(1)自己否定ってどういうこと?

自己否定は、心理学辞典(2013)では「願望や欲望を抑え込み、満足をあきらめるような行為のこと」と記述されています。

自己否定とは自分が自分のことを「嫌だ」と感じたり、自由に行動したり楽しんだりすることを自分自身で否定してしまうことを指します。多くの場合、自己否定の感情は低い自尊心やトラウマ、罪悪感などに起因します。

自己否定は、必ずしも悪いというわけではありません。ネガティブな感情は、自分でうまくコントロールして活用できれば、ステップアップや新たな挑戦へと繋がります。しかし自己否定が積み重なると、チャレンジしなくなったり困難な状況に立ち向かうことが難しくなったりと、さまざまな場面に悪影響を及ぼしてしまうのです。

(2)【生育環境の影響】自己否定の原因:その1

幼少期、両親から褒められなかったり、言動を理解してもらえなかったりすると、成長したときに自己否定感が強まる傾向があります。過干渉や過保護な両親に育てられることも、自己否定感を強める原因のひとつです。

否定的な言葉を言われ続けたり、心身への虐待、育児放棄などを受けたりした場合も、自己肯定する気持ちが芽生えにくくなります。

このように、子どもにとって親の存在は大きいものです。両親が子どもの人格を否定するような発言をし続ければ、子どもは自分自身を否定するようになるのは当然と言えるかもしれません。

(3)【学校教育による影響】自己否定の原因:その2

一律的な日本の学校教育では、子どもの自己肯定感が育たないという意見もあります。「みんな同じ」が良しとされ、出る杭は打たれるような学校は、子どもにとって理想的な教育環境ではありません。

特にゆとり教育が全盛だった頃は、順位をつけない運動会、全員が主人公の発表会などもありました。勉強や運動など得意な分野がある子どもは能力を発揮できないため、自己肯定感は育ちにくくなります。

また悪いことをした子どもが皆の前で注意されるのも、子どもにとっては好ましくありません。注意を受けた子どもだけでなく、その光景を見た子どもたちの自己肯定感も下がります。「次は自分が怒られるかもしれない」という恐怖感で、目立つ行動を控えるようになり、消極的になってしまうためです。

(4)【大きな失敗や挫折の経験】自己否定の原因:その3

生育環境に関係なく、社会に出ると仕事のトラブルや失敗、職場の慣れない人間関係などによるストレスで自己否定してしまう人もいます。

例えば学生時代はクラスの人気者で、勉強も部活も順調に過ごしていたのに、職場のさまざまな場面に遭遇して挫折や敗北感を経験すると、途端に自信をなくしてしまう、なんてこともあるのです。

仕事で大きな失敗をして自信をなくしたり、厳しい上司や先輩に嫌味を言われ続けたりすることで、「仕事ができない(と感じる)自分」に対して自己否定感を持つ人は少なくありません。

(5)【HSPである】自己否定の原因:その4

HSPという言葉を聞いたことがありますか?HSPとは、生まれながらにして感受性が高く、敏感な気質を持った人のことを指します。英語の「Highly Sensitive Person」の頭文字を取ってHSPと呼ばれています。統計的には人口の約15~20%、つまり5人に1人の割合で当てはまる性質です。

HSPの人の特性として、共感を得ることが難しいという面が挙げられます。HSPの人は、HSPではない人との差に自己嫌悪を感じたり、周りと無理に合わせようとして生きづらさを感じたりします。非常に繊細で敏感であるため、なにかと自分を否定的に捉えてしまう傾向にあるのです。

よくHSPは、発達障害や不安障害などと同一視されます。発達障害で起こる過敏さは、HSPの敏感さと共通しますが、周りに気を遣いすぎるHSPと周りに気を遣わなさすぎる発達障害といった点で違いを見極めます。一方不安障害は、同様に敏感で不安が強い状態ですが、その基準が異なるため区別されています 。

もしかしたら自分はHSPかも?と思い当たる節がある人は、以下のページにセルフチェックができる診断テストがあるので、見てみるのも良いかもしれません 。

自己否定してしまう人の特徴は ?

悩む男性

自己否定をしてしまう人は意識や思考にさまざまな特徴が出てきます。ここでは自己否定をしてしまう人の特徴を4つご紹介します。

(1)【自分に自信がない】自己否定してしまう人の特徴:その1

自己否定感が強い人の大きな特徴は、自分に自信がないことです。「どうせ失敗する」「また悪いことが起きるのではないか」と、まだ起こってもいないことの結果を悪い方向に捉えがちです。

ネガティブな思考は、次に挑戦するやる気を奪います。その結果、「失敗するならやらなければいい」と、行動を起こすことに臆病になってしまうのです。

(2)【すぐに他人と比較する】自己否定してしまう人の特徴:その2

自己否定してしまう人がなぜ自分に自信がないのかというと、それは必要以上に他人と自分を比較するからです。「自分は他の人と比べてうまくできない」などと考えてしまい、行動が消極的になってしまうのです。

また劣等感の意識が強いのも特徴で、例えば職場でどれほど業績が上がったとしても「経験年数が長いだけだから」などと自身が劣っている(と感じる)部分を探して、素直に自分を認めてあげることができません。

(3)【他人の評価を過度に気にする】自己否定してしまう人の特徴:その3

誰でも他人の評価は気になりますよね。しかし自己否定感が強い人は、自分で自分を認められないので、必要以上に他人の評価が気になります。

他人の評価を気にしすぎて、本来の自分とは異なる自分を演出したり、言動を控えたりして、過度に相手の言動にペースを合わせることもあります。これらの背景には、否定されたり批判されたりすることへの恐怖や心配が隠れているのです。

(4)【考え方が極端】自己否定してしまう人の特徴:その4

自己否定してしまう人は、完璧主義の思考が強い傾向にあるのも特徴です。例えば「人に頼れない」「失敗してはいけない」という考えには、「人に頼る自分はだめだ」「失敗する自分はだめだ」という否定的な気持ちが隠れています。

完璧を目指さなければいけないと自分で自分を追い込み、その結果失敗したり完璧でないと感じたときには、「自分はだめだ」「自分は価値のない人間だ」と極端に自分を否定してしまうのです。

自己否定にどうやって向き合う?今日からできる4つの対策

学習する人

自己否定を克服したい、少しでも和らげたいと考えている人は多いと思います。今日から始められる4つの対策をまとめましたので、ぜひ意識してみましょう。

(1)【褒められたら感謝を伝える】自己否定を緩和する手立て:その1

「ありがとう」という言葉は、言う人と言われる人どちらの気持ちもポジティブにする言葉です。

褒められたときは、素直にありがとう、と相手に感謝の気持ちを伝えてみましょう。相手との良い人間関係を築くきっかけにもなるはずです。

(2)【使う言葉を選ぶ】自己否定を緩和する手立て:その2

人は自ら発した言葉に影響されます。例えばネガティブな発言をしたとき、一番近くで耳にするのは自分自身です。否定的な言葉を使い続けていると、何に対してもネガティブな言葉が頭に浮かぶようになります。

最初は不本意でも構わないので、自分の発言をポジティブな内容に変えてみましょう。例えば「また失敗した」ではなく「失敗したけど、改善すべきところが見つかって良かった」というふうに言い換えてみます。言葉だけでなく気持ちも前向きになってくるはずです。

(3)【3行のポジティブ日記】自己否定を緩和する手立て:その3

1日の終わりに、その日良かったことや楽しかったことを3つ書いてみましょう。3つが難しければ、1つから始めても構いません。手書きが難しければ、スマホのアプリを使ったりSNSに投稿したりしても良いでしょう。

日々の経験の中から、自分ができていると感じたこと(ポジティブ体験)に気づけるようになりますよ。

(4)【カウンセリングを受けてみる】自己否定を緩和する手立て:その4

自分自身を苦しめている否定感を理解し、受け入れることは簡単なことではありません。そんなときに頼りになるのが、専門家によるカウンセリングです。カウンセリングでは、経験豊富なカウンセラーと共に自己肯定に繋がるステップを着実に歩むことができます。

誰かに頼ることは悪いことではありません。「自分を肯定したいけど、ひとりでやるのは難しい…」と悩んでいる人は、少しだけ勇気を出して、まずはカウンセラーに一度相談してみてはいかがでしょうか。

自己否定についてのよくある質問


自己否定とは、自分自身に対して否定的な評価を持ち、自分の存在や価値を低く見積もる心理的な状態を指します。これは自己評価が極端に低く、自分に自信がないことが特徴です。自己否定の人は、他人と比較して自分を劣っていると感じたり、失敗や間違いを繰り返すことで自己価値がどんどん低くなることがあります。自己否定が続くと、日常生活のあらゆる面に影響を及ぼし、自己肯定感を持つことができなくなります。これが長期間続くと、精神的な健康にも悪影響を与え、うつ病や不安障害を引き起こす原因になることがあります。自己否定の克服には、自分の強みや価値を認識し、肯定的な思考を養うことが大切です。


自己否定の原因は個人の経験や環境に深く関連しています。家庭や学校での育成環境、過去のトラウマ、失敗や批判など、さまざまな要因が自己否定に影響を与えることがあります。特に、幼少期に親から過度な期待を受けたり、愛情不足や過度の批判を経験した場合、自己評価が低くなりやすいです。また、社会的なプレッシャーや外部の評価に敏感な人は、他人と自分を比較して自己否定が強化されることがあります。さらに、過去の失敗体験や否定的なフィードバックを引きずることも自己否定の原因となり、自分を許せずにネガティブな思考に陥りがちです。これらの原因を理解し、自分に優しく接することが、自己否定の克服への第一歩です。


自己否定の症状は、心理的、感情的、行動的にさまざまな形で現れます。心理的には、自己価値感が低く、常に自分を否定的に評価し、他人と比較して劣っていると感じます。このため、自己肯定感を持つことができず、自己評価が極端に低くなることがあります。感情的には、失敗やミスを過度に恐れ、自己嫌悪に陥りやすく、無力感や絶望感を感じることがあります。また、行動的には、人前で自分を表現することを避けたり、他人に対して過剰に依存したり、反対に過度に自己主張を控えることがあります。自己否定が進行すると、社会的な孤立を感じたり、仕事や人間関係に対して消極的になり、さらにはうつ病や不安障害の症状が現れることもあります。


自己否定は、個人の精神的、感情的、社会的な側面に多大な影響を及ぼします。まず、精神的には自己否定が強くなることで、自己評価が低くなり、自己肯定感を持つことができなくなります。このため、挑戦的な状況や困難に直面した際に自信を持って対処できず、避ける傾向が強まります。また、自己否定は対人関係においても悪影響を与え、他人と比べて自分が劣っていると感じたり、他人の評価に過敏になったりするため、人間関係のストレスが増します。さらに、自己否定はうつ病や不安障害の原因となることが多く、感情的に不安定になりやすく、日常生活においてエネルギーやモチベーションを失うこともあります。最終的には、自己否定が健康に悪影響を及ぼし、精神的な病気を引き起こすリスクが高まります。


自己否定を克服する方法は、自己理解と自己受容から始まります。まず、自分の強みや価値を認識し、過去の経験から学ぶことが大切です。自己否定を克服するための第一歩として、自己評価を見直し、ポジティブな自己評価を育むことが重要です。具体的には、日々の小さな成功を意識的に認識し、自分を褒めることから始めます。また、自己肯定感を高めるために、カウンセリングや心理療法を受けることが非常に有効です。認知行動療法などの方法を用いて、自己否定的な思考を見直し、ポジティブな思考へと変えていくことができます。周囲のサポートを受けながら、自分を大切にする方法を学び、自己肯定感を高める努力を続けることで、自己否定を克服することができます。


自己否定といくつかの精神的な疾患、特にうつ病は密接に関連しています。自己否定が強くなると、自分に対する評価が極端に低くなり、ネガティブな思考が強化されます。これが続くと、うつ病の症状が現れることがあります。自己否定的な思考パターンは、うつ病を引き起こす可能性が高く、日常生活の中で無力感や絶望感を感じやすくなります。さらに、自己否定は他人との比較を引き起こし、社会的な孤立感や人間関係のストレスが増加することがあります。うつ病の予防には、早期に自己否定の兆候に気づき、自己肯定感を高めるためのサポートを受けることが大切です。


自己否定を改善するための方法として、まずは自分の強みや良い点に焦点を当てることが大切です。自分を肯定的に見るために、小さな成功体験を積み重ね、自己評価を高める努力をしましょう。また、ネガティブな自己評価を見直し、自己否定的な思考をポジティブに変えるために認知行動療法を試すことも有効です。日々の思考を意識的に変え、自己肯定感を高めるための練習をすることが重要です。自分に優しく、過去の失敗や過度な自己批判を手放すことで、自己否定を徐々に克服していくことができます。


自己否定を持つ人へのサポート方法として、まずはその人の気持ちを理解し、共感することが重要です。自己否定を持つ人は、自分を否定的に見ていることが多いため、安心して自分を表現できるような環境を提供することが必要です。また、無理に自信を持たせるのではなく、少しずつ自己評価を高めるサポートをすることが効果的です。感謝の言葉やポジティブなフィードバックを与え、本人が自分の強みに気づけるよう支援することも大切です。心理療法やカウンセリングを通じて、専門家のサポートを受けることが、自己否定を乗り越えるための一歩となります。


自己否定を持つ子どもには、家庭内でのポジティブなフィードバックと支援が非常に大切です。過度な期待や批判を避け、子どもが自分のペースで成長できるよう見守ることが必要です。自己否定的な思考に対しては、子どもの良い点や努力を認めて肯定的な言葉をかけることが有効です。さらに、子どもに自己肯定感を育むための活動を通じて、成功体験を積ませることも重要です。カウンセリングや心理療法を受けることが、自己否定を克服するための支援として効果的である場合もあります。


はい、自己否定を改善するための専門的な支援には、心理カウンセリングや認知行動療法が効果的です。カウンセリングを通じて、自己否定的な思考を認識し、それを変えるための具体的な方法を学ぶことができます。また、認知行動療法では、自己否定的な思考パターンを見直し、ポジティブな思考に変える方法を習得することができます。専門家のサポートを受けながら、自己肯定感を高めるためのワークを進めることが、自己否定を克服するための有効な手段となります。

カウンセリングを受けたい

伸びをする女性

「自分はだめだ」と感じることは誰にでもあるでしょう。落ち込んでも早めに気持ちを切り替えることができれば理想的ですが、自己否定的な考えを引きずってしまう人は少なくありません。

今回ご紹介した自己肯定に繋がる方法を参考に、まずは無理なくできそうなものから始めて克服を目指しましょう。最初は違和感があるかもしれませんが、少しずつでも継続することが大切です。

ひとりで取り組むのがつらいときは、誰かに頼っても構いませんよ。少しだけ勇気を出して、カウンセリングに足を運んでみてくださいね。