医学部受験で9年浪人〝教育虐待〟の果てに…(共同通信)
医学部受験で9年浪人 〝教育虐待〟の果てに…母殺害の裁判で浮かび上がった親子の実態(共同通信)
医者になるよう強く要望した母親を殺害し、遺体を損壊、遺棄した長女の裁判があった。9年間の浪人生活を送り、母の異常な干渉で追い詰められていた被告を、判決は「同情の余地がある」と判断した。教育を理由に、親が子どもに無理難題を強いる「教育虐待」が社会問題になっている。教育虐待がエスカレートし、行き着いた悲劇的な結末。親子の間に一体何が起きていたのか。公判では長年にわたる異常な生活状況が浮かび上がった。(共同通信=斉藤彩)
写真 送検のため大津署を出る桐生のぞみ容疑者(中央)=2018年6月6日午後
教育虐待という言葉を最近はよく耳にするようになりました。
教育虐待とは、教育熱心というレベルを通り越して、子どもに対して過剰なまでに勉強を強いたり、受験を強要したり、勉強以外のことを取り上げたりすることです。このことによって、子どもの心身の健全な成長を障害してしまいます。
不登校になったり、摂食障害などの精神疾患になったり、ひきこもりになったりするような結末になることもあります。このニュースの被告もこうした要素が多分に含まれているようです。
また、教育虐待をする養育者は自身が学歴コンプレックスを抱えていたり、成績こそすべてと強迫的に考えていたり、子どものためと言いつつ実は養育者自身の思いを優先させてしまっていたりすることが多いようです。
ですので、養育者自身も教育虐待をしているとはなかなか自覚することができず、ますますエスカレートしてしまいます。
では、こうした教育虐待にならないようにするために、どうすれば良いのでしょうか。以下のようなことを心掛けると教育虐待に陥らず、子どもと良好な関係を築き、子どもの健全な成長をうながせるでしょう。
- 親は子育て以外の趣味や仕事をもつ
- 子どもをまわりと比較しない
- 子どもをひとりの人間として扱う
- 子どもの意志を尊重する
- 子どもの成果と親の評価は別である
- 結果ではなく「過程」をほめる
- 子どもにぼーっとする時間を与える
こどもまなび☆ラボより
ただ、こうしたことは分かっていても、どうしても難しいこともあります。子どもを目の前にすると怒りが抑えられないこともあるでしょう。つい、成績のことで強く叱責してしまうことも親として当然な部分もあります。
ですので、自分自身ではコントロールできない場合には、誰かに相談することが大事です。さらには、臨床心理士のような専門家に相談することも良いでしょう。
当オフィスでも教育虐待についての相談を受けています。希望者は以下のページからお申し込みください。