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引きこもりの家族に対する支援

引きこもりをしている方も大変辛い状況にあるのですが、その方をサポートしている家族のケアも大切です。「何とか引きこもりから脱却させたい」と奔走する家族にもかなりのストレスや負担がかかっています。気丈に振る舞っていても、本人が気づかないうちに心や身体に負担がかかり、急に倒れてしまうこともあるかもしれません。

この記事では引きこもりの方に家族ができることを紹介します。また家族自身もケアされる必要があることを解説します。

1.家族は引きこもり当事者にどう接したら良いの?

二人の男性

ここでは、家族が引きこもりをしている方へどのように接したら良いのかを考えていきます。家族が引きこもりの状態になってしまったら「助けてあげたい」と思うものです。しかし、大きなストレスがかかって引きこもりの状態になっているわけですから、接し方を間違えてしまうと、さらに傷つけてしまう可能性があります。どうすれば良いのでしょうか。

(1)強制的に部屋から出そうとしない

まずは家族との会話が大切です。無理に部屋から出そうとせず、引きこもりになった原因を探っていきましょう

他人とのコミュニケーションが難しくても、家族の一部の人となら話せる方もいるかもしれません。また、家族に自分の考えを伝えたいものの、上手く伝えられないことをもどかしく思っている場合もあるでしょう。

「早く引きこもりをやめさせたい」という気持ちも分かりますが、焦らずゆっくり時間をかけて、引きこもりをしている家族との距離を縮めていくようにしてください。

(2)病院やカウンセリングを活用する

本人に治療したい意思があれば、病院やカウンセリングを受診するのもおすすめです。引きこもりの原因を何となく把握していても、実は本人が思っている以上に、心に大きな負担がかかっているのかもしれません。

心の病気であれば、専門家による治療によって社会復帰へ導くことも可能です。本人が「行きたくない」と思っているのであれば、家族が病院に行きどんな治療をするのかを確認して教えてあげるのも一つのきっかけになるでしょう。

(3)自立支援を行う相談窓口を活用する

引きこもりをする家族への接し方が分からない、今後どんなことをすれば良いのか分からないなど対応に困っている方は、相談窓口を活用するのがおすすめです。

各都道府県には「ひきこもり地域支援センター」が設置されており、相談窓口で相談できます。ひきこもり支援コーディネーターが関係機関と連携して訪問支援することも。そうすることで、引きこもりを長期化させず早期に適切な対策ができるようになるでしょう。

(4)目標やゴールを下げる

引きこもりの方のいる家族は目標やゴールを大きなところに設定してしまうことがあります。働くことや自立することなどのように。しかし、引きこもりの当人にとって、いきなりそのようなことをするのはかなりハードルが高いものです。

それよりも、小さなハードルや目標を作ると良いでしょう。例えば、いきなり人と関係を持つというのは大きいですが、まずはコンビニなどに行けるようになることや、ちょっとした電話に出ること、もっとハードルを落として、ポストの郵便物や新聞をとるために玄関から出るだけ、というのでも良いでしょう。

そして、友人知人などは意外とハードルが高いので、難しいですが、医療機関の医師や相談員、カウンセラーなどには比較的会いやすいというのはあるようです。カウンセリングの場に来れるようになれば、かなりの進展でしょう。

社会の場として、病院のデイケアや作業所から人との関係を作り始めることはよくあるようです。もしくは、最近では若者サポートステーションのような居場所的なものを利用することも良いでしょう。そのようなところで、同じような立場や境遇にある方との関係を作れるようになると、さらに進展します。また、仕事やアルバイトよりも前にボランティアなどに参加したり、趣味のサークルに入ったりすることも一つのステップとして活用できます。仕事よりも責任や負担は少ないと思います。

このように引きこもりは家族がどのように対応するのかということと、社会資源をどのように活用するのかが決め手といえます。タイミングや状況によって使えることややることには違いが出てきますので、まずは家族の方がカウンセリングを受けられて、引きこもりの当人への対応について相談したり、アドバイスを受けられると良いでしょう

2.家族が行う社会復帰するまでの手順

ステップと足

社会復帰にはさまざまなパターンがありますが、ここでは家族が行う社会復帰するまでの手順を紹介します。

(1)家族で話し合う

まずは「個人と家族」の接点を持ちましょう。その際は、引きこもり当事者の話に耳を傾けて共感の態度を示してください。実は、引きこもり当事者がかたくなに引きこもりを続けている背景に、家族からの傾聴や共感が少ないことも考えられるためです。

引きこもり当事者に対して指導や叱責をするのではなく、引きこもり当事者が安心して会話ができる環境作りをする必要があるでしょう。

(2)心療内科やカウンセリングを検討する

引きこもりは、うつ病などの精神疾患が原因になっていることがあります。この場合、治療によって引きこもりから立ち直れる可能性があるでしょう。引きこもり当事者が、自分で心療内科やカウンセリングを受けてみようと思うことは稀です。

家族がサポートしながら、心療内科やカウンセリングの受診を提案すると良いでしょう。もちろん精神疾患の可能性がない場合も、心療内科の受診やカウンセリングはおすすめ。家族に相談できないことを第三者に相談できるためです。

(3)一緒に小さな成功体験を作る

成功体験を作ると自分に自信がつき、次の行動を起こすきっかけにつながります。ただ、初めの一歩はとても勇気がいるため、家族が寄り添って、励ましながら小さな成功体験を作ることがおすすめです。

一緒に掃除をしたり、買い物に行ったりするだけでかまいません。目標を定めてスタートすることが大切なのです。

(4)ボランティアやデイケアなどに参加してみる

小さな成功体験が積み重なって自信が出てきたら、ボランティアやデイケアなどに参加してみましょう。引きこもりを対象にしたデイケアなどが精神科のクリニックや精神保健福祉センターで行われていたりします。少しずつ社会との接点を作ることで、本格的な社会復帰へとつながっていきます

就職のために資格を取得したり、アルバイトをしたりするのも良いでしょう。

初めはつまずいて、元に戻ってしまうこともあるかもしれません。しかし、そういったつまずきを繰り返し立ち上がっていくことで、体力や精神力が養われるのです。つまずいた際は、焦らずゆっくり見守りましょう。

(5)社会復帰後のサポート

本格的な社会復帰を果たしたあともサポートを忘れてはいけません。引きこもり当事者は、常に不安と闘っています。ちょっとしたきっかけで仕事を辞め、引きこもりに戻ってしまうケースもあるでしょう。

引きこもり当事者が安心できる居場所や相談できる環境を整え、長期的に見守ってあげることが大切です

3.引きこもり当事者の家族への支援

引きこもり脱出と家族の支援

引きこもりに対する対応は、まずは家族の方の支援が一番重要になってきます。

引きこもりの方の家族が同様にひきこもってしまう、というのは多々あります。家族の誰かがひきこもっていることに対する後ろめたさもあるのか、友人や知人、同僚、近所の人に内緒にしたり、そもそも付き合い自体を少なくしてしまっている場合も多いようです。そうなるとますます家族全体が社会からひきこもってしまい、結果的に当人の引きこもりを助長させてしまいます。

ですので、家族の方にはできる限り、家から出て、通常の社会生活を送ることが必要となります。趣味のサークルやパートなどに出ても良いでしょうし、ちょっとした旅行なども楽しめると良いかと思います。そして、その上で、引きこもりの家族会や勉強会、講演会などにも出ると良いでしょう。家族会では、同様の悩みを抱えられたご家族さんが多数おりますので、その経験談を聞くだけでも参考になることは多いです。ところによっては当事者同士のピア・カウンセリングなどもあります。

そして、何らかの形で支援者が家庭の中に入れると良いでしょう。家族ではない第三者が家庭に入ることにより、行き詰った家庭の雰囲気を壊すことができます。各地域には精神保健福祉センターや保健所がありますが、その中にはケースワーカーや保健師さんが引きこもりの方のための家庭訪問をしてカウンセリングをしてくれるところもあります。そうしたところに一度問い合せをしてみても良いでしょう。

さらに、家庭の中での引きこもりの方への直接の対応の仕方ですが、基本的には脅したり、催促したり、問い詰めたり、頻繁に将来の話をしたりするような、追い詰める方法はあまり良くないようです。それよりも、穏やかな雰囲気を心掛け、「おはよう」などの挨拶はこまめにし、特に意味のないような雑談をたくさんし、一緒にテレビや野球を見るような時間をもうけ、一家団欒を少しでも増やしていくような行動ができると良いでしょう

そのような地盤があるからこそ、引きこもりの当人の悩みが引き出せたり、一緒に考えたりできるようになります。このような対応は決して甘やかしたり、問題を先送りしたりするようなことではありません。

4.引きこもりについてのコラム

引きこもりについてのいくつかのトピックを紹介します。さらに詳しく引きこもりについて知りたい方はご覧ください。

5.カウンセリングを受けたい

引きこもりの方やその家族に対するカウンセリングを当オフィスでは行っております。対面でのカウンセリングが難しい場合には、電話やオンラインでもカウンセリングを行っています。引きこもり当事者の方が来られなくても、家族だけでの相談も受け付けています。

ご希望の方は以下の申し込みフォームからお申し込みください。