コンテンツへ移動 サイドバーへ移動 フッターへ移動

引きこもりになりやすい人の特徴は?対処法についても解説

本記事は、引きこもりになりやすい人の特徴や対処法について解説しています。内閣府の調査では、引きこもりの約半数が、7年以上の長期に渡って引きこもりの状態にあるようです。引きこもりの期間が長引くと、本人も家族も辛い状態が続きます。引きこもりになりやすい人の特徴を性格面から見て原因を探り、適切な対処法を考えてみましょう。

1.引きこもりとはどのような状態を指す?

はじめに「引きこもり」とは、どのような状態なのか確認しておきましょう。引きこもりは、厚生労働省のガイドラインによると「様々な要因の結果として、就学や就労、交遊などの社会的参加を避けて、原則的には6ヶ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態のこと」と定義されています。また、この引きこもりの状態は、原則として統合失調症の症状に基づく引きこもりとは一線を画しますが、実際には確定診断される前の統合失調症が含まれている可能性は低くありません。

今回の記事で触れる引きこもりは、社会的な支援や治療を必要とする状態のことです。例えば、病気療養などで家庭にとどまっている場合などは該当しません。支援を必要とする引きこもりとは、社会参加できない状態が長期化し、本人や家族がそのことに不安を感じている状態です。

2.引きこもりになりやすい人の特徴

引きこもりになりやすい人には特徴が挙げられます。ここからは、性格面での特徴についてみていきましょう。

(1)真面目で頑張り過ぎる

引きこもりになりやすい人の特徴のひとつは、真面目であること。何事も真面目に取り組むのはよいことですが、時には頑張り過ぎてしまうことで、自分自身を追い込んでしまうため、引きこもりの原因になり得るのです。

また、責任感が強い面もあり、会社や学校を休んでいることに対して「きちんとしなければ」と自分にプレッシャーをかけてしまいます。さらに、できない自分を責めてストレスがたまって引きこもりが長期化する可能性も。真面目であることは決して悪いことではありませんが、少し肩の力を抜くことも大切です。

(2)自己肯定感・自己効力感が低い

自己肯定感や自己効力感が低い人も、引きこもりにつながることがあります。自己肯定感とは自分が必要とされていると感じること、自己効力感とは結果を出すための力が自分にあると信じていることです。

自己肯定感が低い人は「自分は必要とされていない」と感じ、自己効力感が低い人も「自分にはできない」というネガティブな思考になることが多く、自分に自信が持てなくなります。自信のなさから周囲に合わせる行動が多くなり、知らず知らずのうちにストレスをためていきます。過剰なストレスや挫折を味わって立ち直れなくなったことをきっかけに、引きこもりになるケースがあるのです。

(3)人目を気にし過ぎる

人の目を気にし過ぎる人も、引きこもりになりやすい特徴のひとつです。自尊心が高く、常に他人からの評価を気にし過ぎるあまり、評価が低いと傷ついて引きこもりにつながる可能性があります。また、他人の評価を気にして、よい評価を得ようと頑張り過ぎてしまうことも原因のひとつです。

人の目を気にする人が一度引きこもりになると、周囲から「自分はダメな人間だと思われている」とネガティブ思考に陥り、ますます外に出られなくなってしまいます。

(4)内向的で不満を表に出せない

内向的な性格で、普段から不満を爆発させるようなことがない人は、その分不満をため込んでしまいます。感情を表に出さないので、周囲からは不満を抱えていることが分かりにくく、気がつくと引きこもりという大変な状況になっているのです。

一つひとつの不満は些細なことかもしれませんが、我慢しているうちにストレスが蓄積されてしまい、結果引きこもるしかないような状況を引き起こすのです。

3.引きこもりになる人の親の特徴

親が引きこもりの直接の原因となることは少ないですが、引きこもりになる人の親にも一定の特徴が見られます。

(1)不平不満が多い

親が不平や不満を常に口にしているような環境で育つと、子ども自身がマイナス思考になる可能性があります。自己肯定感の低さは、育った環境に原因がある場合も。幼少期に親から受け入れられず、常に不平不満を聞いている環境で育った場合、大人になってからの思考にも影響することがあるのです。

(2)意見を押し付ける

親が自分の意見ばかり言ったり押し付けたりする場合は、子どもが自分のことを話しづらくなり、悩みを一人で抱えてしまうケースもあります。自分のことを話したいと思っても、否定されたり話を遮って意見を言われたりすることが続くと、次第に話せなくなるのです。悩みを話せないことがストレスとなり、結果として引きこもりの原因になります。

(3)指示ばかりする

親が指示を出すことが多い環境で育った場合、難しい問題にぶつかったときに対処する力が備わっていないことが考えられます。大人になってから大きな壁にぶつかったとき、乗り越えられず引きこもりになる可能性があるのです。

4.引きこもりかも?と感じたときの対処法

「もしかして、引きこもりなのかもしれない」と感じたとき、どのように対処すれば良いのか戸惑うことも多いでしょう。最後に、引きこもりの本人や家族ができる対処法をいくつかご紹介します。

(1)ひきこもり度診断テスト「HQ-25M

いきなり専門医やカウンセリングなどの専門機関を受診することに抵抗がある人もいるでしょう。そのような場合は、判断基準の目安として診断ツールを使ってみるのもひとつの方法です。

九州大学が発表した「HQ-25M」という「引きこもり度」を診断するツールがあります。直近1か月の様子について、25の設問に答えることで引きこもり度を測ります。

日本語版HQ-25M(一ヶ月のひきこもり度評価 pdf)

「九州大学ひきこもり研究ラボ」が一般向けに作成した、インターネットを使った診断ツールもあります。直近6か月について59の設問に答えてボタンを押すと、その場で結果が分かるツールです。

ひきこもり度チェック

(2)本人ができること

引きこもりの状態から脱したいと思ったら、できることから始めてみましょう。最初から完璧にする必要はありません。無理のない範囲で取り組んでみてはいかがでしょうか。

  • 規則正しい生活を送る
  • 新しいことを始めたり、勉強をしたりする
  • ストレス発散できる場を見つける

引きこもりになると、日々の予定がないことから昼夜逆転の生活になりがちです。まずは規則正しい生活を心がけることが大切。起床時間を決めたり、決まった時間に食事をとったりといったことから始めましょう。

また、何もしていないことに不安や自己否定を感じているようなら、新しいことを始めてみるのも引きこもり脱出のきっかけになります。興味があることを勉強してみるのもよいでしょう。

引きこもりの状態はストレスをため込んでいることが多いので、ストレス発散の場を見つけておくのも大切です。一緒に外出できる人や場所、時間など、引きこもりの状況に合わせた方法を見つけておきましょう。

(3)家族ができること

家族が引きこもりになったとき、大切なのは無理強いをせず本人に寄り添うことです。家族ができるサポートは、以下のようなことがあります。

  • あれこれ提案するのではなく、引きこもりの状態の本人を肯定する
  • 規則正しい生活ができるようサポートする
  • 話を聞くなど、よい関係を保つ

家族が引きこもりになると、何とか改善しようとあれこれ提案してしまいがち。しかし、引きこもりになる精神状態のときには、この提案がさらに本人を追い込むことにもなりかねません。本人も「こんな状態はダメだ」と思い詰めている場合もあるので、まずは本人を肯定することから始めましょう。どんな状態でも大切な存在であることを伝え、サポートが必要なら手助けをするというスタンスです。

本人が規則正しい生活を送りたいと思っているなら、起床時間などの声掛けや決まった時間に食事を準備するなど、無理のない範囲でサポートしましょう。また、本人が話したいと思ったときに話ができるよう、普段から会話しやすい雰囲気を作っておくことも大切です。

(4)専門のカウンセラーに相談しよう

引きこもりの状態では、日々の中で自分自身をさらに追い込んでしまうことがあります。改善するためには、専門のカウンセラーへの相談がおすすめです。自分の状況を話すことは、思考が整理され改善の糸口になります。専門家のカウンセリングでは、引きこもりの状態を客観的にみて、解決への道筋を立ててもらえるでしょう。状況が悪化しないうちに、早めに相談してみてください。

5.まとめ

二人で楽しく会話する女性

引きこもりになる原因は人によってさまざまですが、真面目で頑張り過ぎるところがあり、自己肯定感や自己効力感が低いといった特徴があります。規則正しい生活を心がけ、少しずつ以前の生活に戻すことが大切です。しかし引きこもりは、厚生労働省の統計からも長引くことが分かっています。引きこもりが長期に渡れば本人も家族も苦しい時間が続くので、早めに専門家に相談することがおすすめです。

当オフィスでは、引きこもりのカウンセリングも実施しています。日曜祝日や、夜間も22時まで相談可能です。外出が難しい場合はオンラインカウンセリングもできますので、まずはお気軽にご相談ください。


この記事をSNSでシェアをする