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うつ病の初期症状と予防方法とは?なりやすい方の特徴について

この記事では、うつ病の初期症状や予防方法について紹介します。自分に何か異変を感じた際や自分の周りの方にいつもとは違う様子が見られたときに、早期に対処できるように事前に大切なポイントを押さえておきましょう。

うつ病とは気分障害の一つで、誰もがなり得ます。発症の原因はまだ不明ですが、うつ病になりやすい方の考え方や行動などは少しずつわかってきています。重症化する前に見つけられるように、またうつ病にならないための予防方法について見ていきましょう。

1.うつ病になりやすい方の特徴とは

ストレスチェック

まず、うつ病そのものについての解説は以下のページをご参照ください。

その上で、ここではうつ病になりやすい方の特徴について紹介します。

(1)性格面

性格面で言うと、真面目で責任感が強い、几帳面、周りへの気遣いができるなどの特徴があります。こういった性格をメランコリー親和型と呼び、他の人からの信頼が厚く、頼まれると断れないケースも。また、ルールや秩序をしっかり守る面あります。

その一方で、融通が利かない、一人で問題解決しようとするなど、内にこもる傾向も見られるでしょう。

その他には、他人に依存しやすい方や自己中心的な考えを持っている方、繊細で傷つきやすい方もうつ病になりやすいと考えられています。

(2)生活習慣

性格だけでなく、生活習慣によってうつ病を発症することもあります。例えば、十分な休養が取れない、過度な飲酒、食事の時間を確保できない、楽しみやくつろぐ時間がないという状況も危険です

仕事に没頭する方や働き盛りの方は注意が必要でしょう。

(3)行動面

マイナス思考の傾向にあるからと言って、その方がすぐにうつ病になることはありません。うつ病になりやすい思考と行動が交互に起こることで、うつ状態の悪循環が起こり、うつ病を発症させてしまう状況を作り出します

そのため、うつ気分になり、うつ病のような考え方や行動を取るようになった場合に、どこかでうつ的な考え方や行動をブロックできれば、うつ病にまで発展しないというわけです。

2.初期のうつ病に見られる症状

腹痛を起こす女性

うつ病は、早いうちに見つけて治療を始めれば、早期に社会復帰しやすくなります。また今後、うつ病に近い状態になったとしても、早めに気付くことで症状緩和の対策を行いながらうまく付き合っていくことができるしょう。

ただ、そのためには、うつ病の初期症状について知っておかなければなりません。ここでは、初期のうつ病に見られる症状について紹介します。

(1)精神面

精神面での主なうつ病の初期症状は、以下の通りです。

  • 気持ちが落ち込む
  • 不安感
  • イライラする
  • 意欲がわかない
  • 泣く
  • 悲観的に物事を考える
  • 集中力が低下する

うつ病の方の初期症状として有名なものは、気持ちが落ち込む、悲観的に物事を考えるなどでしょう。しかしその反面、イライラして、いつも人にあたるというケースもあります。

(2)身体面

身体面でのうつ病の初期症状は以下の通りです。

  • 眠れない
  • だるい
  • 微熱が続く
  • 食欲が出ない
  • 過食
  • 吐き気
  • 下痢や便秘
  • めまい

この他には、原因不明の腰痛や肩こり、腹痛、胃痛などの身体的症状で悩まされる方もいます。いろいろなことを考え込んでしまうために眠れなくなる方もいますが、逆に身体の防衛本能で過眠になる方も。

うつ病の初期症状は人それぞれ違うため、症状が一つのみの方もいますが、基本的には、さまざまな症状が複合的に起きることが多いでしょう。

(3)行動面

行動面の変化について説明します。主な変化は以下の通りです。

  • ぼーっとする
  • 人との接触を避ける
  • 些細なことで怒り出す
  • 身なりを気にしなくなる
  • 部屋の片付けをしなくなる

いつも部屋を整理整頓したり身綺麗にしたりしていた方が、急に部屋の片付けをせず身なりに無頓着になると注意が必要です。また、明るく会話を楽しんでいた方が、無口になり人との接触を避けるようになる場合もあります。

自分の気持ちや行動に変化が起きている、または家族や友人の様子がいつもと違う、同僚の言動が少し変化してきたと思った際には、うつ病の初期症状ではないかチェックしてみましょう

3.自分でうつ病予防できる?!セルフケア方法について

日記を書く手

ここでは、自分でうつ病を予防するセルフケア方法について紹介します。

うつ病になった場合には、専門家に相談することがおすすめですが、初期段階であれば、うつ病に発展しないように、自分でケアすることも可能です。また、自分自身で落ち込んだ気持ちをケアする方法を見つけておくのも良いでしょう。

(1)マインドフルネス

マインドフルネスとは、今に集中することで過去や未来を思考の中に持ち込まない意識の持ち方のことを言います。今、その瞬間だけに意識を集中させるため、仏教の瞑想のように「無」をイメージしましょう。

ただ存在していることだけを意識するようにし、今までのことやこれからのことを判断してはなりません。いろいろと考えてしまい、不安に襲われたり焦ったりするためです。

(2)日記療法

日記療法とはその名の通り、日記を書くことで癒やしていくというものです。日記を書くと、その日にあったことを振り返り、そのときの自分の考えや感情などを客観的に理解できるようになります

長文を書く必要はなく、気持ちを書き出すだけでもOKです。その日のことではなく、振り返りたい出来事があれば、過去にあった出来事を紙に書き出して、どんな気持ちだったのか、どういった経過をたどったのかなどを書き出すのも良いでしょう。

そうすることで自己理解が深まり、心が安定していくはずです。

(3)内観療法

内観療法は、過去を見つめ直すことで、客観的に物事を判断したり新しい発見をしたりするケア方法です。これまで自分と関わってきた方との関係を深く考え直していく作業で、お世話になったことや迷惑をかけてしまったことなどを洗い出していきます。

一般的には、研修所などに一定期間宿泊して行う方法ではありますが、時間があるときにゆっくり考えるだけでも心や頭の整理ができるでしょう。

(4)生活習慣の改善

前述した通り、生活習慣が乱れるとうつ病になりやすくなります。そのため、まず誰でもできるセルフケアは、規則正しい生活です。早寝早起きをして、1日3食きちんと食べるようにしましょう

朝起きるのが苦手な方は、寝室に太陽光が入るように工夫して朝日を浴びるようにすると、目が覚めやすくなります。また、しっかり眠れるように、寝る前にはパソコンやスマホを使わないようにするなど工夫すると良いでしょう。

深い睡眠が取れるように、適度な運動もおすすめです。ハードな運動をする必要はなく、ウォーキングなどで適度に身体を疲れさせると良いでしょう。ウォーキングをすると、他の人とコミュニケーションを取るきっかけにもなります。

挨拶でもかまわないため、できるだけ誰かと交流するように意識するのもおすすめです。

4.うつ症状が2週間以上続いたら受診を検討

医師の診断書

うつ病予防はセルフケアすることも可能ですが、セルフケアで完全に予防できるわけではありません。「自分は大丈夫」や「まだ頑張れる」と考える方の中には、実は深刻なうつ病に陥っているケースもあります。

つまり、うつ病の症状は人それぞれ異なるため「このくらいなら大丈夫…」という基準はありません。ただ目安として言えば、うつ病の初期症状が複合的に組み合わさって2週間以上続く場合は、うつ病と診断される可能性が高いです

できるだけ早めに専門の医療機関などを受診しましょう。

(1) 心療内科や精神科を受診

うつ病を疑う場合や、深刻なうつ病になっていると判断した場合は、心療内科や精神科などの病院を受診しましょう。治療法はさまざまで、症状が軽い場合は、ゆっくり休養を取ることが最大の治療になります。また、薬の服用を併用することもあるでしょう。

さらに大切なポイントは、相談相手を見つけることです。周りに相談する方がいない場合は、心療内科や精神科の医師が相談相手になります。一人で抱え込むとうつ病が悪化するため、相談しやすい医師を見つけることも大切です。

その他には、対人関係がうまくいくように対人関係療法を行ったり、マイナス思考に陥らないために認知行動療法を行ったりなど、その方に必要な治療を組み合わせて対処していきます。

(2)カウンセリングの利用

うつ病治療にカウンセリングを用いるのもおすすめです。カウンセリングを利用することで、「自分の気持ちをわかってもらえた」「人に話してすっきりした」という気持ちになれるでしょう

信頼できるカウンセラーがいれば、相談できる環境が整っているため、問題が起きても「取り組もう」と思えます。また、カウンセラーにさまざまな出来事や悩みを相談することで、客観的に判断できるようになるというメリットも。

また、カウンセラーが相談者との会話の中で、患者様の行動パターンや性格に気付き、うつ病になりやすいパターンを変えていくこともできます。これを専門的には認知行動療法といいますが、うつ病の治療には効果が高いとされています。認知行動療法の詳しいことは以下のページをご参照ください。

5.まとめ:自分は大丈夫と過信しないことが大切

会話する二人の女性

うつ病は誰にでも起こり得る病気です。「自分は絶対大丈夫」と思っていても、すでにうつ病になっているかもしれません。少しでも気持ちや行動に変化があった場合は、我慢せず心療内科の受診やカウンセリングを利用してみてください。また、周囲の方で、いつもと様子が違うと感じた際には、休養を取ることをすすめ、まずは寄り添って話を聞きましょう。

当オフィスには、うつ病など心の悩みに精通するカウンセラーが多く在籍しています。一人で悩まずお気軽にご相談ください。ご希望の方は以下の申し込みフォームからご連絡ください。


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