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愛着障害の人の恋愛:「恋人がそっけない」という悩み

普段は親しく、いつも尽くしてくれた恋人が突然そっけなくなると、嫌われているのではないかと悩みを抱く人もいます。恋愛関係で恋人とうまく心の距離を保てないと悩むとき、その背景には愛着障害が潜んでいる可能性があります。

本記事では、愛着障害をもつ恋人とのトラブル例、愛着障害をもつ恋人との付き合い方について解説します。

人間関係と愛着

港と恋人

愛着とは両親などの養育者との情緒的な絆であり、親子や家族関係をはじめ、友人、恋人といった親密な人間関係を形成・維持していくために重要な役割を果たします。幼少期に適切な愛着形成が行われていないと、大人になってからの人間関係を極端に避けたり、過度に依存してしまったり不安定な人間関係に苦しむことが多いと言えます

成人後でも愛着の問題と向き合うことは可能ですが、この問題に気づかないまま恋人関係に苦労し続ける人も少なくありません。

いつも良い子を演じてしまったり、他者を信用できず見捨てられ不安を感じたりして恋人を振り回してしまう場合、性格や環境等の要因だけでなく不安定な愛着形成の問題があるかもしれません。さらには愛着障害といわれるようなものにもなってしまうこともあります。

愛着障害については以下のページをご覧ください。

恋人関係に潜む愛着障害のトラブル

喧嘩をする男女

付き合いが長く親密な関係である恋人から理由もなく突然そっけなくされると、誰もが不安を感じやすいでしょう。心当たりがないにも関わらず恋人との関係がうまくいかない背景には、愛着障害が潜んでいる可能性があります。

以下に、愛着障害を抱える恋人関係で生じやすいトラブル例を3つ挙げるため、現在恋人との関係に困っている方は参考にしてみてください。

(1)極端な対人関係

幼少期に両親などと安定した愛着を形成できず、不安定な愛着スタイルを抱えている人は極端に恋人を避けてしまったり、反対に過度に近づきすぎてしまったり極端な対人関係をとりやすくなってしまいます

愛着障害の人は他者に対して好意や不満、嫉妬等多くの感情を向けて葛藤してしまいます。そのため、愛する恋人が甘えようと近づいてきても感情を整理しきれずに断ってしまい、恋人に不安や誤解を与えてしまいやすいでしょう。愛着障害の人も、恋人に近づきたいけれど一定の距離感も欲しいと葛藤しやすいと言えます。

また、愛着障害の人は「自分が愛されているか」という感覚に敏感であり、見捨てられ不安も強い傾向があります。自分への愛情を確認するため恋人に無理なお願いをする等「試し行動」で恋人を困らせるトラブルも特徴的です。本人は、試し行動が人を困らせる行為だと分かっていても愛着の不安定さから止められず、恋人が応え続けてしまうと共依存的な関係に発展してしまうケースもあります。

(2)情緒的共有の困難さ

愛着障害の人は感情のコントロールが苦手であり、過度に感情を抑制したり、カッとなったりしやすい特徴があります。恋人のことを信頼できずに相手の反応を窺いすぎて何も意見しない人や、自分に自信が持てずに高圧的な態度をとることで恋人を繋ぎとめようとする人もいます

「嫌われたらどうしよう」と恋人関係にヒビが生じることを恐れて情緒的な共有ができない問題も考えられます。気持ちや本音を言い合えない関係性が続くと恋人を不安がらせてしまうだけでなく、愛着障害を抱える人は恋人がいるのに孤独感やで空虚な感覚を抱きやすいでしょう。

恋人に甘えることができず、不機嫌な八つ当たり等で恋人をコントロールしようとしてしまうケースもあります。

(3)他の異性と関係をもつ

愛着障害の人の試し行動の1つとして、恋人以外の異性と関係をもってしまう問題もありえます

愛着形成が不十分な場合、自分が大切にされた感覚が乏しく、自分を大切にできない傾向があります。そのため、自分を求めてくれる他の異性に流されたり、現在の恋人の愛情を試そうと浮気に走ったり、中には衝動的に性的な関係をもってしまうケースもあるでしょう。

他者とつながることを恐れてしまい、恋人と愛着が形成されることを避けてしまう背景が考えられます。

愛着障害をもつ恋人との付き合い方

抱き合う男女

愛着障害をもつ彼氏や彼女との関係は、愛情を確かめる試し行動が多いため交際に苦労しやすい可能性があります。過度な要求に応え続け、親代わりをして尽くしても、愛着障害の恋人との関係は改善しないでしょう

そこで、愛着障害をもつ恋人との付き合い方を紹介します。

(1)ネガティブさを受け止める

愛着障害の人は恋人と深くつながりたい気持ちをもちながら、一方で親密になることを避けてしまう不安定さがあります。恋人に対して不安や不満、嫉妬、愛情等多くの感情を向けながらそれらを抑制して、表面上はニコニコする関係を保ちやすいです。

愛着障害の恋人と向き合うには、ネガティブな感情を共有し受け止める関わりが大切になります。愛着障害の人は情緒的な共有が困難な特徴もありますが、恋人関係での不安や心配、悩み等には寄り添い共感する付き合いが安心感につながると言えるでしょう。他者のネガティブな感情を受け止めることはエネルギーのいる作業でもあるため、無理のない範囲で向き合ってみましょう。

(2)互いに関係性について話し合う

愛着障害の人は自分のこと、恋人とのこれからのことなど、自己決定することが苦手であり、他者依存的な特徴があります。試し行動を受け入れてばかりでは自分が傷つけられてしまったり、心が疲れてしまったりするため、愛着障害の恋人の自立を促すことも重要です。

愛着障害の恋人がしがみつくような依存的な関係を維持していては、お互いに不安な関係性が続いてしまいます。恋人への好意を伝えると共に、カッとなって怒る、無茶なわがままを言う、急にそっけなくなる等の行動をされることは困ることも話し合い、どんな関係が望ましいかを確認し合ってみましょう

恋人同士で関係性に向き合うことで「試さなくても大切にしてもらえるんだ」という感覚をもてるようになると安心感が生まれるようになります。愛着障害の恋人を自立させるために突き放すのではなく、恋人と一緒に安心できる関係性を模索する過程が必要でしょう。そして、互いに関係性を築いていくことが恋人との愛情の育みにもつながるのでしょう

愛着障害のトピックについて

愛着障害についてのいくつかのトピックです。さらに詳細に知りたい方は以下をご覧ください。

愛着障害についてのよくある質問


愛着障害とは、主に幼少期において親や養育者との信頼関係が築けなかったり、愛情が不足したりすることによって、他者との関係を築くのが難しくなる心理的な状態を指します。通常、愛着は子どもが養育者と安定した感情的な絆を結ぶ過程ですが、この過程に何らかの障害が生じると、成人してからの対人関係や恋愛関係に悪影響を及ぼすことがあります。愛着障害を持つ人々は、他者に対して過度に依存したり、過度に回避したりする傾向があります。このような行動は、幼少期に受けた愛情の不安定さが原因である場合が多く、深い人間関係を築くことが困難になります。


愛着障害を持つ人は、恋愛において非常に困難な状況を経験することが多いです。彼らは、相手の愛情を信じることが難しく、過度な不安や恐れを抱えることがあります。このため、恋愛関係において、依存的であったり、逆に過剰に距離を取ってしまったりする傾向が見られます。例えば、愛着障害を持つ人は、相手の言動に敏感すぎて、誤解や過剰な心配をすることがあります。また、相手からの愛情や承認を常に求め、期待しすぎてしまうこともあります。その結果、相手がそれに応えられないと感じると、関係が不安定になることが多いです。これらの感情的な波が続くと、恋愛関係が破綻する可能性も高くなります。


愛着障害を持つ人々は、恋愛において独特なパターンを示すことが多いです。例えば、過度に依存的な態度を取ったり、逆に相手との距離を取る傾向が強くなることがあります。依存的な場合、恋人に過剰に頼り、常に愛情や承認を求めることがあり、それに満たされないと感じると、自己価値が低下したり、過度な感情の波が生じたりします。一方で、距離を取る場合、相手に近づくことに恐れを感じ、過去に経験した傷つきや拒絶を避けるために、無意識のうちに相手との関係を遠ざけてしまいます。これにより、愛着障害のある人は、恋愛関係において安定した関係を築くことが困難になり、時には恋愛を避けるような行動を取ることもあります。


愛着障害を持つ人々は、恋愛関係において不安を抱えがちで、その不安を解消するために試し行動を取ることがあります。試し行動とは、相手の愛情や関係の安定性を確認するために、意図的に相手を困らせたり、挑発したりする行動です。例えば、相手の気持ちを試すように過剰に不安を表現したり、何度も確認の言葉を求めたりすることがあります。このような行動は、過去に愛情が不安定だったり、愛情を失った経験があるため、相手の愛情を確認したいという無意識の気持ちから生じます。しかし、これが頻繁になると、相手はストレスを感じたり、関係が不安定になったりすることがあります。


愛着障害を持つ人は、深い感情的な結びつきを持つことを恐れることがあります。そのため、恋愛関係においても表面的な付き合いを好む傾向が見られます。これは、過去に深い絆を結ぶことで傷ついたり、拒絶された経験があるため、心を開くことに対する恐れが強くなるからです。表面的な付き合いをすることで、相手に依存せず、自分を守る手段として無意識に選んでしまうことがあります。さらに、愛着障害を持つ人は、相手の期待に応えることが難しく、関係を深めることで相手に失望させることを恐れることもあります。このため、心の奥底では本当の意味での愛情を求めているにも関わらず、無意識に関係を浅く保とうとすることがあります。


愛着障害を持つ人は、感情のコントロールが難しいことがよくあります。これは、幼少期の養育環境が原因で、感情の処理や表現に不安定さを抱えることが多いからです。特に恋愛関係においては、パートナーの些細な言動が過剰に感情に影響を与え、感情が激しく揺れ動くことがあります。相手が自分を十分に愛していないと感じたり、期待に応えてくれないと感じると、激しい不安や怒りを感じることがあります。これは、過去の愛情が不安定であったため、愛されることに対して過剰に反応してしまうためです。そのため、愛着障害を持つ人は感情的に不安定になることが多く、恋愛関係での適切な感情の管理が難しくなるのです。


愛着障害を持つ人が恋愛で依存的になる理由は、過去に十分な愛情を受けられなかった経験が関係しています。幼少期に養育者からの愛情が不足していた場合、無意識のうちに大人になってからも他者に対して強い依存を求めるようになります。恋愛関係において、愛着障害のある人は、相手に過度に頼り、感情的な安定を求めることが多いです。この依存的な行動は、相手が自分に愛情を示さなかったり、関心を持たないと強い不安を感じ、関係が不安定になりやすいです。過去の愛情不足を補おうとする無意識的な欲求から、恋愛において常に相手に依存してしまうことがあります。


愛着障害を持つ人が恋愛において感情の不安定さを示す理由は、過去に受けた愛情の不安定さに起因しています。彼らは、他者から愛されているという確信を持つことができず、相手の言動に敏感になりがちです。例えば、恋人が少しでも冷たく感じると、すぐに感情的に反応し、急激な不安や怒りを感じることがあります。この感情の不安定さは、過去の愛情の経験が影響しており、愛情を確信できないために、過剰に反応することが多いのです。これにより、恋愛関係での信頼関係が築きにくくなり、時には感情的な波に振り回されることが頻繁にあります。


愛着障害を持つ人が恋愛において自己肯定感が低い理由は、幼少期に十分な愛情を受けられなかったことに関連しています。愛情が不足していると、自分に自信を持つことが難しくなり、他者の評価に敏感になります。このような自己肯定感の低さが恋愛関係においても影響を及ぼし、自分の価値を恋人に確認しようとする行動に繋がります。恋愛関係において、相手からの承認を強く求める一方で、相手の愛情を信じきれず、自分に対する評価が低いと感じることが多いです。これが恋愛の中で自己肯定感が低くなる理由です。


愛着障害を持つ人は、恋愛関係において相手の愛情に対して深い不安を抱えていることが多く、恋人の気持ちを試すような行動を取ることがあります。これは、過去に愛情が不安定であった経験から、相手の愛情が本物かどうかを確かめるために、意図的に試し行動を取ってしまうことです。例えば、無理に距離を取ったり、意図的に反発したりすることがあります。これは、愛情に対する不安を解消しようとする行動ですが、相手にとっては負担になることも多く、結果的に関係が不安定になったり、傷つけ合うことがあります。

愛着障害の恋愛について相談する

相談する女性

愛着障害の人が恋人関係において起こりえることと、その対処法について書きました。愛着障害の人の言動に振り回されてしまうこともあるかもしれませんが、それだけ気持ちが不安定で、不安になっているからだと理解できると良いかもしれません。

しかし、なかなか向き合うことが難しい場合も多いので、そういう時には臨床心理士や公認心理師といった専門家に相談すると良いでしょう。

当オフィスでは愛着障害の対応に長けたカウンセラーが在籍しています。恋人の愛着障害について相談したい方は以下からお申し込みください。