愛着障害に対する誤った治療法
一部で愛着障害の治療と称して、誤った方法を実施しているところがあるようです。この記事ではそうした事について解説します。
1.育てなおしの倫理的問題
一昔前ですが、育てなおし・抱っこ療法などというものが流行ったことが一時期あります。簡単に言うと、子どもの頃に愛情が少なかったから、それを取り戻すために子どもにするような世話や抱っこを大人のクライエントに施すという方法です。今でもそういうことを本気で必要と思っている方もおられるかもしれませんが、ほとんどの場合、失敗に終わっているようです。
時にはクライエントに性的接触をした、ということで訴訟にもなった事例もあります。成人の女性を成人の男性が抱っこするのですから、そのようなことが当たり前ですが起こります。
2.臨界期
心理学・発達心理学の専門用語に「臨界期」というものがあります。簡単にいうと、発達過程の中で学習できなくなってしまう時期をさします。例えば言葉の習得であれば3〜4歳程度と言われており、その時期までに言葉が習得できないと、後々に習得することは難しくなります。
愛情にも、このような「臨界期」があるのかもしれません。子どもの頃に愛情が得られなかったからといって、大人になって同様の愛情を与えることで健康になる、というのはなかなか難しいのかもしれません。
当オフィスではこうした誤った治療法である育て直し・抱っこ療法はもちろん行っておりません。愛着障害の治療やカウンセリングには、科学的に検証された認知行動療法やEMDR、親支援などを行っています。
3.愛着障害についてのトピック
愛着障害についてのいくつかのトピックです。さらに詳細に知りたい方は以下をご覧ください。
4.愛着障害について相談する
愛着障害は確かに幼少期の愛着の問題や課題から生じています。しかし、だからといって、治療者が過去に与えてもらえなかった愛着や愛情を供給することで問題が解決するものではありません。
当オフィスでは心理学的に、精神医学的に妥当性のある方法で愛着障害のカウンセリングや相談を行っています。カウンセリングをご希望の方は以下からお申し込みください。