ドナルド・メルツァー

ドナルド・メルツァーは、メラニー・クラインに訓練分析を受けましたが、彼女の死によって訓練分析は打ち切られます。彼女の使用する精神分析用のカウチを譲り受けるなどポストクライン派の精神分析家と評されます。

彼の理論としては、精神分析のプロセスを整理し、転移や投影同一視、抑うつ不安といった心の動きがどう展開され、母子関係にパラレルに関連しているかを対象関係論的に表したことが挙げられます。この過程で、既存の自己を毀損する根源的な不安、つまり自己変容への抵抗が生じると、攻撃や破壊が理想化され、健康な人格の側面をも乗っ取り支配してしまうようなシステム的に機能する自己愛構造体こそが、精神分析を停滞させ、破壊する原因となりうると論じました。

また、その他にも芸術や美、夢、自閉症、空間など多くの領域を精神分析観点から考察し、研究を行いました。訓練分析家の資格剥奪や在籍協会の脱退などから、彼の業績がタブー視されていた時期もありましたが、現在は再評価されています。

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