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神奈川県横浜市港北区大豆戸町311-1
アークメゾン菊名201号

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文明なんていらない

文化の中の居心地悪さ

この「文化の中の居心地悪さ」という論文はフロイトが1930年に書いた後期の論文であり、文化論・宗教論のジャンルに属する。人間にとっての文化とは何か?について考察している。フロイトは文化とは人間の生存システムを維持するための装置であり、その代償として不快さや気持ち悪さを常に抱えざるをえなくなっていると論じている。死の欲動の概念が精神分析に導入されて以来、悲観的な人間理解になりつつある中で書かれた論文である。

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全ての生物が行き着く果て

快感原則の彼岸

これまでの欲動論を改訂し、死の欲動の概念を精神分析に初めて持ち込んだのがこの論文「快感原則の彼岸(1920)」である。フロイトは反復強迫、外傷夢、エルンスト坊やの遊びから死の欲動を着想した。死の欲動とは生命体が無機物に戻っていくという普遍的な営みのことである。

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子どもの空想

空想の性質と機能

スーザン・アイザックスが1948年に書いた「空想の性質と機能」についての要約と解説。アイザックスやクライン派にとっては空想は乳児の最早期から活発に作動している心的機能である。精神分析状況においても常に存在し、それは転移と分かちがたく結びついている。本論文はこうした基礎理論の考えを提起している。

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傷つく子ども

大人と子どもの間の言葉の混乱

S,フェレンツィの1933年の論文「大人と子どもの間の言葉の混乱-やさしさの言葉と情熱の言葉」についての要約と解説を書いています。彼は当時の心的空想論が中心の精神分析の中で心的外傷を神経症の原因の中心に据え、それに伴って精神分析家の能動性や逆転移など技法論の改革を行いました。

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生まれることの大変さ

出生外傷

オットー・ランクが1924年に書いた「出生外傷」という本の要約と解説である。これまでフロイトがエディプスコンプレックスを発達の中心に添えていたのを、ランクは出生外傷に置き換え、定式化しなおした。またそれによって精神分析技法も大幅に変え、短期精神療法への草分け的存在へとなっていった。

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リビドーをかきたてる

心的障害の精神分析に基づくリビドー発達史試論

フロイトの第一世代の弟子であるアブラハムがその死の前年に書いた「心的障害の精神分析に基づくリビドー発達史試論(1924)」についての要約と解説である。フロイトの発達論をさらに細分化し、かつ対象関係的な視点を織り交ぜ、後年のクライン派や対象関係論学派の橋渡しとなった人物である。

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今を感じる

転移:全体状況として

ベティ・ジョセフの1985年の論文「転移:全体状況として」についての要約と解説です。ベティ・ジョセフはポスト・クライン派の精神分析家で、心的平衡、エナクトメント、全体状況としての転移などの概念を整備し、Here and nowの転移解釈の重要性をさらに打ち出した重要人物です。

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