オンライン精神分析研究会-トラウマ再考-

(株)心理オフィスKの主催の研究会として「オンライン精神分析研究会-トラウマ再考-」をZoomを用いたオンラインで開催します。システムの問題や用事、体調不良などで参加できない時には返金いたします
●テーマ
トラウマ再考
●概要
精神分析研究会では、これまで精神分析関連の論文を取り上げ、議論してきました。11年目となる2023年度は精神分析とトラウマを取り上げることにしました。フロイトは元々はトラウマ論から出発し、ヒステリーの治療を行ってきました。ヒステリーの原因は性的トラウマがある、という考えでした。しかし、その後、フロイトはトラウマは空想の産物であると転換し、内的空想論に傾倒していきました。それによって精神分析が発展したともいえます。
フロイトの弟子であるフェレンツィはフロイトが捨て去ったトラウマ論を再度取り上げ、その理論と技法を組み立てました。さらに、フェレンツィと同時代のランクや、その後のバリントもトラウマ論を中心に添え、理論を発展させました。ただ、そうした分析家は精神分析サークルから異端扱いされ、辺縁に追いやられるという憂き目に合うことになりました。トラウマ論は精神分析サークルの中で鬼門であると言えるでしょう。
20世紀後半になるとトラウマは実際にあり、そのことによってさまざまな問題が生じていることは明白な事実となっています。そうした趨勢を再度取り入れるように、精神分析は再びトラウマに取り組むようになっていきました。
今年は精神分析とトラウマというテーマです。こうした歴史の流れを追いかけるように、精神分析から見たトラウマ、トラウマ治療としての精神分析について文献を講読しながら考えていきたいと思います。
研究会では参加者で分担して担当論文を要約してもらいます。そして、それを元に参加者全員で議論します。ちなみに現在では絶版になってしまっている書籍もありますので、お持ちでない書籍についてはこちらでコピーを用意します。
(*今年度は症例検討会は行いません)
●スケジュールと取り上げる論文
日時 | 文献 | |
---|---|---|
2023年 | 4月12日 | S,フロイト ヒステリーの精神療法のために(1895) |
5月10日 | O,ランク 出生外傷 1~2章(1924) | |
6月14日 | S,フェレンツィ 大人と子どもの間の言葉の混乱(1933) | |
7月12日 | D,W,ウィニコット 出生記憶、出生外傷、そして不安(1949) | |
8月9日 | D,W,ウィニコット 反社会的傾向(1956) | |
9月13日 | M,バリント 外傷と対象関係(1969) | |
10月11日 | S,ホクスター 被虐待児とのかかわりにおいて喚起される感情(1990) | |
11月8日 | P,ケースメント 転移における外傷体験(1990) | |
12月13日 | S,スリナリ トラウマにおける同一化過程(1998) | |
2024年 | 1月10日 | D,ベル 外的損傷と内的世界(1998) |
2月14日 | S,リード 自閉症とトラウマ(1999) | |
3月13日 | D,オレンジ トラウマ、沈黙、そして解離(2019) |
●収録論文の一覧
- ヒステリー研究 フロイト全集2 岩波書店
- S,フロイト ヒステリーの精神療法のために(1895)
- 出生外傷 みすず書房
- O,ランク 出生外傷 1~2章(1924)
- 精神分析への最後の貢献 岩崎学術出版社
- S,フェレンツィ 大人と子どもの間の言葉の混乱(1933)
- M,バリント 外傷と対象関係(1969)
- 小児医学から精神分析へ 岩崎学術出版社
- D,W,ウィニコット 出生記憶、出生外傷、そして不安(1949)
- D,W,ウィニコット 反社会的傾向(1956)
- 被虐待児の精神分析的心理療法 金剛出版
- S,ホクスター 被虐待児とのかかわりにおいて喚起される感情(1990)
- さらに患者から学ぶ 岩崎学術出版社
- P,ケースメント 転移における外傷体験(1990)
- トラウマを理解する 岩崎学術出版社
- S,スリナリ トラウマにおける同一化過程(1998)
- D,ベル 外的損傷と内的世界(1998)
- 自閉症とパーソナリティ 創元社
- S,リード 自閉症とトラウマ(1999)
- トラウマと倫理 岩崎学術出版社
- D,オレンジ トラウマ、沈黙、そして解離(2019)
*お持ちでない書籍については、こちらでコピーを用意します。
●日時
毎月 第2水曜日 19:00~21:05(年間12回)
*アーカイブは年間を通して、視聴可能です。
●講師
北川 清一郎
- 所属:(株)心理オフィスK代表取締役
- 資格:臨床心理士、公認心理師、日本精神分析学会認定心理療法士、他
- 大学院:関西大学大学院修了
- 学会:日本心理臨床学会、日本精神分析学会、日本精神分析的心理療法フォーラム、他
- 社会活動:日本心理臨床学会代議員、神奈川県臨床心理士会代議員
- 経歴:関西大学大学院で臨床心理学を修了。その後、精神科、精神病院、総合病院、教育センター、公立学校SC、児童相談所、EAP、大学相談室などを経て、2015年7月に(株)心理オフィスKを開業。
●オンライン開催
Zoomをもちいたオンライン開催となります。また、研究会ではディスカッションもありますので、原則的にカメラやマイクはONにできる環境をご用意ください。
研究会の様子はアーカイブで視聴可能です。
●参加資格
臨床心理士、公認心理師、医師、精神保健福祉士、社会福祉士、介護福祉士、言語聴覚士、作業療法士、理学療法士、キャリアコンサルタント、看護師、教師、保育士、臨床心理士養成大学院の院生など。精神分析に興味のある方は誰でも参加可能です。
●臨床心理士のポイント
臨床心理士の更新のためのポイントを2条(4)の項目で申請する予定です。
●日本精神分析学会
日本精神分析学会の認定グループに指定されており、認定資格を得るための要件を得ることができます。
●費用
11,000円
- 振り込み後のキャンセルは可能です。参加費の返金に応じます(初回の日時まで)
- システム上のトラブルなどで十分にセミナーに参加できなかった場合には返金保証を行います(初回の日時まで)
- 支払い方法は銀行振込、コンビニ払い、クレジットカードがあります。
●アドバイザー
岡達治 先生(岡クリニック院長、日本精神分析学会認定精神療法医・認定スーパーバイザー)
●参加方法
参加希望者は以下のpeatixの申し込みフォームからお申し込みしてもらえたらと思います。