■概要
フロイトが創始した精神分析は、初期の頃にはエディプスコンプレックスが理論の軸となっており、そのため父子関係が非常に重視されていた。しかし、その後、メラニー・クラインによる児童分析の研究が進み、対象関係論が隆盛するようになった。それにともなって早期の母子関係についての理解が進むようになり、父子関係よりも母子関係に比重が置かれるようになっていった。
母子関係を重視した精神分析家としてウィニコットとボウルヴィが挙げられる。ウィニコットは小児科医であり、精神分析家でもあるが、メラニー・クラインからスーパービジョンを受けており、その影響を強く受けていた。しかし、次第に独自の見解を発展させるようになり、結果的にクライン派から離脱した。ウィニコットはホールディング、ほどよい母親、スクイグルゲーム、遊ぶことなど独自の理論や技法を発展させ、現代の精神分析においても強い影響を与えている。
もう一人、母子関係を重視した精神分析家にボウルヴィがいる。ボウルヴィもウィニコットと同じようにメラニー・クラインにスーパービジョンを受け、精神分析家になった。しかし、内的空想に重きを置くクラインや精神分析から次第に距離を取り、母子関係の現実的な側面に着目するようになった。その中でアタッチメント理論やマターナル・デプリベーションについての理論を発展させた。
現代は、ウィニコットやボウルヴィが生きた時代から既に半世紀が経とうとしているが、児童虐待や不登校、発達障害など子どもの問題は非常に注目を集めている。彼らの理論を用いることによって、こうした現代的な問題について理解を深め、関わっていくことができるだろう。
このセミナーでは母子関係を特に重視したウィニコットとボウルヴィを取り上げる。この二人の理論を振り返り、臨床実践にどのように活用していくのかについて学ぶ。精神分析に興味がある人はもちろん、精神分析にはあまり馴染みが無くても児童臨床や母子に関わる支援をしている人にも役立つ内容となっている。
以下はレジュメの一部です。
以下はセミナーの様子の一部です。
■本セミナーで学べること
- ウィニコットの理論と臨床
- ボウルヴィの理論と臨床
- 子どもの臨床について必要なこと
- 精神分析的な母子理解 等々
■講師
細澤仁 先生
- 所属:フェルマータ・メンタルクリニック、アイリス心理相談室
- 資格:精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、日本精神分析学会認定精神療法医・スーパーバイザー
- 出身大学:神戸大学医学部 卒業
- 経歴:神戸大学大学院医学系研究科助手、兵庫教育大学大学院学校教育研究科教授を経て、現職。
書籍情報
- 単著:
- 編著:
- 翻訳:
■収録時間
約5時間
■アーカイブ視聴期間
アーカイブ視聴期間:無期限
■参加費
5,000円
- 体調不良、急用、家庭の用事など個人的な理由であってもキャンセルの場合には返金します。
- 支払い方法はクレジットカード、コンビニ払い、銀行振込、ペイジー(Pay-Easy)等があります。
- 自治体などで請求書払いが必要な方はこちらの[請求書払いの申し込みフォーム]からご連絡ください。
■アーカイブ視聴について
アーカイブ視聴はVimeoを用いています。視聴可能かどうかはこのテスト視聴のページをご覧ください。映像と音声がうまく再生できていればアーカイブは視聴可能です。
■参加資格
臨床心理士、公認心理師、医師、心理職、カウンセラー、精神保健福祉士、社会福祉士、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、看護師、保育士、教師などの資格をもつ対人援助の専門家、大学院生、一般の方など。
母子臨床や精神分析などに興味を持っていればどなたでも参加可能です。
■臨床心理士更新ポイント
臨床心理士の更新のためのポイントを2条(4)の項目(2ポイント)で申請する予定です。また、アーカイブ視聴でもポイント取得可能です。
■申し込み期日
なし
■参加方法
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