概要
セルフコンパッション(self-compassion)とは、自分に対して思いやりを向ける態度のことであり、近年の心理支援の取り組みの中で注目されている概念です。その構成要素として、以下が挙げられています。
- 自分へのやさしさ(self-kindness)
- 共通の人間性(common humanity)
- マインドフルネス(mindfulness)
こうしたセルフコンパッションの獲得や向上に着目した心理プログラムも開発されています。これらのプログラムは、第三世代の認知行動療法の一つとして実践が進められています。
しかし、自分に対して思いやりのある態度をとることは、メンタルヘルスの不調を抱える方だけでなく、現代社会で生活する多くの方々にとっても難しい場合があります。さらに、自分に思いやりを向けることに対して恐れを抱く方も少なくありません。この傾向は、他者に手を差し伸べることが求められる対人援助職の方々においても例外ではなく、時には自身を犠牲にしてしまうこともあります。
本セミナーでは、セルフコンパッションの学術的な理論に加え、最新の研究動向から読み取れる効果の紹介を行います。また、セルフコンパッションの態度を高めるためのワークを体験していただくことで、関連する技法を実践的に理解していただくことを目指します。
- 個人ワークがあります。可能でしたらゆっくりと座って静かにワークが出来る場所でご参加ください。
本セミナーで学べること
- 自分に対して厳しさを向けることの恩恵と弊害
- セルフコンパッションに関する学術的背景・理論
- コンパッションへの恐れに関する理論
- セルフコンパッションに基づくワークの基礎的な実践法
講師
雨宮怜 先生
- 現職:筑波大学体育系助教
- 資格:臨床心理士、公認心理師、公認コーチングアシスタント、認定スポーツメンタルトレーニング指導士、等
- 経歴:桜美林大学卒業し、国際基督教大学大学院修了後、精神科クリニックで臨床を行いつつ、筑波大学大学院で博士号(体育科学)を取得。その後は筑波大学体育系で教員となる。
- 受賞歴:日本スポーツ心理学会優秀論文奨励賞、日本マインドフルネス学会最優秀研究賞、他多数
- 研究テーマ:マインドフルネス、バーンアウト(燃え尽き症候群)をはじめとした心理的問題・精神疾患、体育(スポーツ)心理学、臨床心理学、自己調整
以下は雨宮怜先生が講師をしている別のセミナーです。
セミナーの紹介
レジュメの一部
サンプル動画
動画の内容
本セミナーでは、筑波大学体育系の雨宮怜先生を講師にお迎えし、心理支援におけるセルフコンパッションの理論と具体的な活用方法について取り上げています。セルフコンパッションとは、苦痛や失敗に直面したときに自分自身へ思いやりを向ける態度であり、「自分へのやさしさ」「共通の人間性」「マインドフルネス」という3つの要素から構成されます。単に自分を甘やかすこととは異なる、その基本的な考え方を学術的な研究を踏まえて解説しています。
まず、現代社会で生じやすい自己批判や「もっと頑張らなければならない」という態度に目を向けます。完全主義や過度な努力、バーンアウトなどとの関連を取り上げながら、自分に厳しくすることが常に成長や成果につながるとは限らないことを整理しています。また、自己批判によって脅威・防御システムが作動し、ストレス反応や反すう、孤立感などにつながるという身体的・心理的なメカニズムについても紹介しています。
セルフコンパッションについては、「自分を甘やかして怠け者になるのではないか」「自分に厳しくしなければ成長できないのではないか」「利己的になってしまうのではないか」といった、よくある誤解についても検討しています。さらに、セルフコンパッションが必要だと理解していても、自分にやさしさを向けること自体に抵抗や恐怖を感じる「コンパッションへの恐れ」についても取り上げ、なぜそうした反応が生じるのかを考えていきます。
心理支援への応用としては、Mindful Self-Compassion(MSC)、Compassion Focused Therapy(CFT)、慈悲の瞑想(Loving-Kindness Meditation)など、コンパッションを基盤とする代表的なアプローチを紹介しています。セルフコンパッションと抑うつ、不安、ストレス、ウェルビーイングなどとの関連についての研究知見にも触れながら、心理臨床の中でどのように位置づけ、活用していくのかを解説しています。
さらに、理論だけではなく、セルフコンパッションを実際に体験するための具体的な方法も数多く紹介しています。自分の身体にやさしく触れる「スージング・タッチ」、呼吸や五感を使って「今ここ」に注意を向けるマインドフルネス、自分自身に思いやりのある言葉をかける方法、大切な人や自分にコンパッションを向ける瞑想、自分への手紙を書く方法などを通して、自分に対する態度を実践的に見直していきます。
一方で、セルフコンパッションを実践することで、かえって過去のつらい体験や強い感情が浮かび上がる「バックドラフト」が生じる場合もあります。本セミナーでは、そうした反応を無理に抑え込むのではなく、身体感覚への注意、グラウンディング、やさしい刺激などを用いながら対処する方法についても紹介しています。また、セルフコンパッションには、自分をなだめ受け入れる側面だけでなく、自分を守り、必要な行動を起こす側面もあることを解説しています。
セルフコンパッションは、クライエントへの心理支援だけでなく、心理職・対人援助職自身にとっても重要なテーマです。クライエントの感情に触れ続ける支援者が、自分自身の反応や苦しさにも思いやりをもって対応することは、バーンアウトの予防だけでなく、治療的プレゼンスやクライエントとの共鳴にも関わります。一方、「もっと自分を認めなければならない」と新たな課題を押しつけてしまえば、それ自体が自己批判になりかねません。セルフコンパッションを万能な方法としてではなく、一人ひとりに合わせた支援の選択肢として用いる姿勢についても扱っています。
自分に厳しくすることの意味と限界、セルフコンパッションの理論と研究、コンパッションへの恐れ、具体的な実践方法、そして心理支援への活用までを、知識と体験の両面から整理した内容となっています。クライエントへの支援にセルフコンパッションを取り入れたい方はもちろん、自分自身のセルフケアや臨床家としてのあり方を見直したい心理職・対人援助職の方にも参考になるセミナーです。
収録時間
約5時間00分
オンデマンド視聴期間
無期限
参加費
5,500円
- 体調不良、急用、家庭の用事など個人的な理由であってもキャンセルの場合には返金します。
- 支払い方法はクレジットカード、コンビニ払い、銀行振込、ペイジー(Pay-Easy)があります。
- 自治体などで請求書払いが必要な方はこちらの【請求書払いの申し込みフォーム】からご連絡ください。
オンライン開催
オンデマンド視聴はVimeoを用いています。視聴可能かどうかはこのテスト視聴のページをご覧ください。映像と音声がうまく再生できていればオンデマンドは視聴可能です。
参加資格
臨床心理士、公認心理師、医師、心理職、カウンセラー、精神保健福祉士、社会福祉士、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、看護師、保育士、教師などの資格をもつ対人援助の専門家、大学院生、一般の方など。
セルフコンパッションなどに興味を持っていればどなたでも参加可能です。
臨床心理士更新ポイント
本セミナーは、ライブ配信・オンデマンド視聴のいずれも、臨床心理士資格更新における2条(4)の項目(2ポイント)に関する研修機会として取り扱っています。資格更新に必要な参加証明等の手続きについては、受講された臨床心理士の方へご案内します。
申し込み期日
無期限
参加方法
- 下の「セミナーに参加する」ボタンを押す
- ページが移動したら、「購入手続きに進む」ボタンを押す
- 名前、所属、メールアドレス、資格を記入し、支払い方法を選択する
- 選択した支払方法に従ってお支払いをする
- メールが届いたら、その中に記載された視聴案内のPDFファイルをダウンロードする




