公認心理師必携 精神医療・臨床心理の知識と技法

現場はもっと難しいよ

下山晴彦、中嶋義文(編集)「公認心理師必携 精神医療・臨床心理の知識と技法」 医学書院 2016年を読んだ感想を書きます。

1.問題別介入プロトコルの部

ほぼ認知行動療法のことについてしか書いていませんでした。あと、こうした教科書だから仕方ないのかもしれませんが、それぞれの精神疾患のピュアな症状のみを呈している事例だけしか掲載されていませんでした。

実際の現場では複雑な家族歴と生育歴で複雑化してる事例の方が多いと思うので、現場や現実からやや乖離しているかもしれません。

2.パーソナリティ障害や解離性障害

あと、パーソナリティ障害や解離性障害など現場ではよく出会いますが、そうした対応が困難を極めるクライエントさんについては掲載されてなかったでした。そこは公認心理師の業務ではない、対応ができないから載せてないのかもしれません。しかし、まぁ、分量が限られているので、全部は載せれないだけかもしれません。

3.身体疾患に伴う心理的問題

この本の中の「身体疾患に伴う心理的問題」では、糖尿病や癌、高次脳機能障害などが取り上げられていました。この分野は僕は殆ど関わったことがないので、軽く知る良い機会になりました。従来の話を傾聴して、共感して、解釈して、心の変容を促すという手技には当て嵌まらないところが難しいところでしょうか。

4.プロトコルの適用が困難な事例への対応

「プロトコルの適用が困難な事例への対応」では、複雑な生育歴を持つパーソナリティ障害や虐待などが取り上げられているかと期待しました。しかし、そうではなく、単に最初の見立て違いによって治療が進展しなかったが、再見立てをし、別の治療をしたらうまくいった、というまとめると単純な事例の話のようでした。

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