アダルトチルドレンに適した仕事とは
この記事では、アダルトチルドレンにとって向いている仕事や継続しやすい業務は一体どういったものなのかを説明していきます。
目次
1.アダルトチルドレンとは
アダルトチルドレンとは、アルコール依存症の親を持つなど不安定な家庭環境で育ち、親子関係において数々のトラウマを抱えながら不幸な子ども時代を過ごしたことが多い人をいいます。アダルトチルドレンは、そうしたことが影響することによって成人になった以降も普段の生活において少なからず息苦しさや苦難を自覚している人たちのことを意味します。
根本的に人間のパーソナリティは幼児期などにおいて、身近な存在である家族を中心とする人間関係の相互作用の中で形成されていくものです。ところが、アダルトチルドレンの場合には、子どもが安心して生活できないほど日々緊張と不安を目の当たりにする家庭内で育ってきたため、人格的にも様々な問題を長期に渡り抱えることが往々にして認められます。
アダルトチルドレンの詳細は以下のページをご覧ください。
2.アダルトチルドレンに適した仕事とは
アダルトチルドレンの方々にとって、真に向いている仕事や安心して継続できる仕事は一体どういった種類のものでしょうか。
(1)仕事をする上で気を付けるポイント
アダルトチルドレンには何をしても楽しいと思えない、親密な人間関係を築けない、あるいは相手に依存してしまっていかなる手段を用いてでも他人から認められたくて逸脱した行動をとってしまう、依存的な恋愛関係を築いてしまう、過剰に自分を追い詰めて罪悪感を抱いてします、など様々な偏った行動傾向があります。
ですので、そうした中でどの行動なら変化させやすいか、あるいはどの場面でどんな言動を選択するかということを基にして自分に向いている仕事を探して、本当の意味で居心地の良い職場環境を追求する必要があります。
アダルトチルドレンは深在意識として他人から嫌われるのに不安感が強いためについ嘘をつきやすい性格になりがちです。ですので、仮に何かの仕事で上手くいかなかった際には、自分自身でそうしたアダルトチルドレン特有の習性を認識した上で努力して同僚に真っ直ぐ失敗を伝えたり、上司や部下にも素直に謝罪することが重要です。
(2)一人でする仕事
アダルトチルドレンは自分自身が社会に見捨てられることに対して強い恐怖心を抱くために周囲の人々が期待するように行動する傾向があり、いつも他人の評価を気にしすぎる点が特徴的です。そのため、例えば農作業やプログラマー、漫画家など一人でもスムーズに作業工程が進む労働環境が適していると考えられます。
(3)スキルとコミュニケーションを使う仕事
アダルトチルドレンは他人から愛情を求め、人から褒められたい願望が強く、多忙で派手な仕事を選ぶ人が多いですが長続きしません。
アダルトチルドレンの方にとっては根本的には、スキルの習得が大切であり、技術を身に付ければ自分で自我を認められることにも繋がります。
これらのことから、人から感謝されやすく、手に職をつけて、しかも他人と会話もできるような例えば美容師さんやマッサージ師などの仕事が向いているともいえます。
(4)社会貢献する仕事
また、アダルトチルドレンに適した仕事の一つとして、人から必要とされ一緒になって頑張ってくれる仲間が多い仕事が挙げられます。
例えば、インターネット上でブログを開設したり、自分の経験などに基づいてツイッターやインスタグラムを更新するような作業はアダルトチルドレンの人にとっては社会に貢献しているという実感が得られやすく、働きながらも副業として活用しやすくコミュニティを広げることが出来ます。
(5)イレギュラーの少ない仕事
また、イレギュラーなことが少ない仕事を選ぶことをお勧めします。なぜならば、規則正しく、なるべく変化の少ない労働環境を見つけることが出来れば、アダルトチルドレン特有の感情を理性でコントロールすることもできやすくなるからです。
3.アダルトチルドレンについてのコラム
アダルトチルドレンをさらに詳しく知りたい方は以下のページをご覧いただけたらと思います。
4.仕事のことで相談するには
最後になりますが、アダルトチルドレンを克服していくには、上手にカウンセリングなどを利用して、ありのままの自分と向き合い直して、徐々に自尊心を育てていく必要があります。
そうして時間をかけてゆっくり目標に向かって進んでいくことで、自分の価値を自ら本当の意味で認めることができ、結果的に自分に適した仕事を探すことが出来て、満足できる良好な日々の生活を実感することができるようになるでしょう。
また、仕事の上で悩んでしまった時にはカウンセリングを受けることで問題を打開することができるかもしれません。当オフィスでカウンセリングをご希望の方は以下からお問い合せしてください。
5.参考文献
この記事は以下の文献を参考にして執筆いたしました。
- 塚原貴子ら:アダルト・チルドレン特性と対人関係でのストレスの自覚の程度との関係 : 看護学生と他学科学生との比較, 川崎医療福祉学会誌 15(1), pp-95-101, 2005.
- 緒方明:アダルトチルドレンと共依存, 誠信書房, 1996.
- 八木秀夫:家族における相互作用と個人のシステム境界の形成―接触と分離のバランス―, 仁愛大学研究紀要 人間学部篇9, pp25-33, 2010.
- 本間真宏ら:対人援助ということ, 東京家政大学研究紀要48(1), pp97-107, 2008.