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ジョアン・リビエール

ジョアン・リビエール(Joan Riviere, 1883–1962)は、イギリスの精神分析家であり、メラニー・クラインの理論の形成と普及に重要な役割を果たした分析家の一人です。彼女は当初フロイト派の精神分析の訓練を受けましたが、後にクラインの理論に強い関心を持ち、その理論的発展を支える中心的な人物となりました。また、フロイトの著作の英訳にも関わり、精神分析の英語圏への紹介にも貢献しました。

リビエールの最もよく知られた論文は、1929年に発表された Womanliness as a Masquerade です。この論文では、女性らしさがしばしば無意識的な防衛として機能する可能性があることが論じられました。彼女は、一部の女性が知的能力や社会的成功によって男性と競争することへの不安を抱く場合、その不安を和らげるために女性らしさを強調する振る舞いを示すことがあると指摘しました。このような振る舞いを、彼女は仮装としての女性らしさと呼びました。

またリビエールは、クラインの理論を理解し広めるうえで重要な役割を担いました。とくにクラインの研究を英語圏の精神分析家に紹介し、その理論的議論の形成に深く関与しました。彼女はクラインの論文の編集や紹介にも携わり、クライン派精神分析の成立において橋渡し的な役割を果たしました。

臨床的には、リビエールは転移や防衛の微細な表れに注目し、患者の不安や罪悪感がどのように対人関係の中で表現されるのかを分析しました。彼女の研究は、対象関係論の発展や精神分析におけるジェンダーの理解にも影響を与えています。

このようにジョアン・リビエールは、理論的研究、翻訳活動、クライン理論の普及という複数の側面から精神分析の発展に貢献した分析家として位置づけられています。

文献

  • Riviere, J. (1929). Womanliness as a Masquerade. International Journal of Psycho-Analysis, 10, 303–313.
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