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超自我

S,フロイトは、こころの構造や働きを解明しようとする中で、局所論モデル(意識・前意識・無意識)や構造論モデル(自我・イド・超自我)を提唱しました。超自我は、構造論モデルの中で出てきた概念で、養育者などの良心・社会的規範・道徳的価値観などをこころの中に取り込んで配置された部分を指しています。また大部分は無意識にあると考えられています。

以降、S,フロイトが考えていた時期よりも幼い時期に、超自我というほどまとまりを持っていないけれども超自我の前駆体のようなものが観察されることや、最早期から赤ちゃんの攻撃性が関連してより残忍な超自我が形成されることが論じられてきました。

S,フロイトの述べた超自我は、自分の中にあるけれども自ら気づきにくい場合も多い、「~すべき」「~すべきでない」と命じてくる部分とイメージしていただければと思います。超自我が生きにくさに関連している場合があり、心理療法で、超自我が緩和されることによって生きやすくなることがあります。

<参考文献>

  • 小此木啓吾(訳)「自我とエス」 井村恒郎、小此木啓吾(訳)「フロイト著作集6」人文書院 1970: 263-299. / Freud,S.: Das Ich und das Es. 1923.
  • 狩野力八郎(監訳) 池田暁史(訳)「精神力動的精神療法-基本的テキスト-」 岩崎学術出版社 2012. / Gabbard GO: Long-term Psychodynamic Psychotherapy: A Basic Text, Second Edition. Washington D.C. and London UK: American Psychiatric Publishing, 2010.
  • 藤山直樹(著)「超自我」 小此木啓吾(編集代表)「精神分析事典」 岩崎学術出版社, 2002: 340-341.
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