開業臨床の自由と孤独と責任と
2015-07-01に横浜市でカウンセリング機関を開業しました。それから2年が経ちました。この2年で考えたこと、振り返ったこととして、主に開業にまつわる、自由、孤独、責任についてを書いてみたいと思います。
1.開業後の状況
なんとかかんとか開業臨床、開業カウンセリングを2年間やり抜くことができました。まだまだと言えばまだまだですが。
最初はあまりクライエントさんも多くはなかったのですが、最近は徐々に増えてきており、上限に設定している1日8ケースという日も多くなってきました。1日限定8名様のみというのも、どこかこだわりのある料理屋さんみたいですが、カウンセリングでは単純に時間と体力がそれ以上用意できないから、なんですけどね。
また、最近では教育分析や個人分析、スーパービジョンを求めて現場の臨床心理士やカウンセラーが尋ねてくることも増えてきました。
2.孤独を満喫
オフィスには基本的には他の人がいないので、クライエントさんがいなければ、ずっと一人です。当初は一人は寂しくなるかなと予想してましたが、あまりそんなことはなく、反対に一人であるという自由を満喫することができています。
私もどこか人づきあい下手みたいなところがあるので、組織や人間関係の中でうまく立ち回るということが多少苦手なのです。チームで仕事をするということもこれまでしてきましたし、今も一部していますが、肩に力が入っているところもあるようです。そうしたことからすると、一人オフィスにいて、クライエントさんとだけ1対1で会う方がよりパフォーマンスも発揮しやすいのかもしれません。よく言えば一匹狼、悪く言えばコミュ障でしょうか。
3.全てを一人で担う
あと、開業すると、事務作業なども自身でしなくてはなりません。事務員さんを雇うほど大きくはありませんし。この事務作業というのがなかなか骨が折れるものです。以前に大学勤めをしている時には膨大な事務作業をしていましたが、あそこで私には事務能力がないということが本当に分かりました。臨床やカウンセリングの方がよほど性に合っています。
ちなみに掃除も私がしています。マメな方ではないので、サボり気味ですが。一時は家事代行サービスなどで掃除だけでもしてもらえないかと考えましたが、総合的な判断で断念しました。狭いオフィスなので、自分でやれ、という話ですね。
最初は日中はこれまで勤めていた精神科などで仕事をし、開業は夜だけ、土日だけでしていました。それが徐々にクライエントの増加に伴い、日中の仕事をやめ、軸足を開業臨床、開業カウンセリングにうつすようになってきました。今では、開業での仕事の方が多くなりました。収入の多くが開業に依存するようになりつつあります。そうなると必然的に不安定になります、しかし、これまで非常勤掛け持ち、フリーランスで仕事をすることが多く、毎年のように職を探していたので、そう思うと、どっちもどっちかと思います。
4.直接お金のやり取りをすること
お金と言えば、精神科などで勤務をしていると、直接クライエントさんとお金のやり取りをすることはありませんでした。スクールカウンセラーなどではカウンセリングは無料なのでお金のやり取り自体がありません。開業ではその場で直接手渡しでお金を頂戴します。この意味合いは思っていた以上に重要で重たい意義があるように思います。
確立した契約関係の元で、クライエントさんからすると信頼してお金を渡しているので、それ相当の見返りをダイレクトに期待するでしょう。決して安くはない金額ですし。そして、私はそれにそこそこ答えていかねばなりません。これはプレッシャーであると同時に、モチベーションにもなります。この手ごたえは自分自身で開業をしないと体験できなかったことでしょう。そうした意味では貴重な経験をさせてもらっているように思います。
5.不摂生
ただ、開業では夜23時まで仕事をすることがあり、そこから片づけて家に帰り、食事をとるとなると簡単に深夜0時を超えてしまいます。夜遅くの寝る直前のご飯ほどお腹周りにダメージを与えることはありません。おかげさまでビールはほとんど飲まないのにビール腹みたいになってしまいました。悲しいことです。
それはともかく、この2年で思ったこと、感じたことをつらつらと書きました。また、これからの1年2年3年と問題がない限り続けていこうと考えていますので、皆さま、よろしくお引き立てのほどお願いいたします。