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公認心理師現任者講習会に参加して-前篇-

 2018-03-19から2018-03-23まで渋谷において国際心理支援協会の主催で開催された公認心理師現任者講習会に参加しました。ここでは1日目(医療保健、教育の関係行政論)と2日目(福祉の関係行政論、心理支援)の感想を書いています。

目次

  1. 一日目:保健医療と教育に関する関係行政論
  2. 二日目午前:福祉に関する関係行政論
  3. 二日目午後:心理支援

1.一日目:保健医療と教育に関する関係行政論

 こんな機会でもなければ法律には絶対に触れないことなので、勉強にはなりました。

 討議は3人グループで、僕を含めて皆臨床心理士だったので、ある程度の共通基盤があるので話しやすかったです。事例検討ではとりあえず連携すると言っておけば6〜7割正解する感じでしょうか。他職種連携、地域連携が公認心理師の最大の業務のようです。これまでリエゾン心理士って呼ばれていたのにおおよそ当てはまります。公認心理師という資格名ではなくて、リエゾン心理士って資格名にしておけば誤解がなかったのかもしれませんが。公認心理師は、臨床心理士から心理療法を抜いて、リエゾンや他職種連携、地域連携に特化させた資格と見て良いでしょう。それプラス多少の心理支援ができる程度と言えます。チーム医療やチーム学校(この用語って流行っているんですか?)の一員としての役割が重視されています。

 保険医療と教育の分野における関係行政論では、それぞれの法律を概説できるように、というのが達成目標のようです。細かい条文や数値などはそこまで必須ではなさそうです。講義ではテキストの文言を講師が延々と読み上げるのが大半で、それに対してちょこちょこと解説を入れる。噂のDVD視聴は無く、肉声での読み上げなので、まだマシでした。それでも睡魔が襲っきましたが。

 また、ところどころのグループ討議があるので、そこまで退屈せずに聞けました。そして、それなりに話はできました。グループの3名とも臨床心理士だったのは大きいかったです。

 事例検討では、ダメ出しすればキリがないので、敢えてバカになり、そこは突っ込まないほうが無難です。チームの一員として没個性になり、アセスメントして、連携して、リファーして、ということしていれば、厚労省の期待する公認心理師役割は果たせそうです。これで正答率8〜9割はいきますね。

 1日目の昼食は贅沢をしてすしざんまい外部リンクでお寿司を食べました。

お寿司

2.二日目午前:福祉に関する関係行政論

 2日目の午前は福祉に関する関係行政論についてであり、講師は甲南大学外部リンクの福井義一先生でした。以前に研究会で一緒だった以来で懐かしかったです。先生は覚えてないかもしれませんが。この講義ではテキストや条文の読み上げはなく、ずっと解説をされていました。ちなみにグループ討議は全く無しでした。

 こうした関係行政論を見ると、公認心理師は国の施設で働くことが前提となっていることが分かります。それはそれで今後国民が公認心理師に接する機会が増えていくでしょう。それによって国民が困った時には心理に相談できるという認識がさらに普及されるかもしれません。しかし、その時、国の施設での公認心理師はちょっとした相談にはのれますが、がっつりと心理療法はできません。そうなると必然的に開業カウンセラーがカウンセリングを担うことになってくることになるでしょう。

 それはカウンセラーに相談する、カウンセリングを受けるという文化の醸成、そこまでではなくとも広報にはなるでしょう。ただ、形のない相談は無料、という文化も日本にはあります。相談は無料、カウンセリングは無料という固定観念がさらに助長される懸念も一方ではあります。

 相談は無料、カウンセリングは無料という認識が広まると、結果的に心理療法やカウンセリングという営みや文化にはマイナス要因になりかねないかもしれません。それは心理療法やカウンセリングの担い手にも、ユーザーにも不利益になるでしょう。

3.二日目午後:心理支援

 心理力動的心理療法と認知行動療法とその他の心理療法の話でした。1つのものを習得するだけでもかなりの長期間かかるので、これら全部を習得するのは非現実的です。そのため、せいぜい、それぞれがどういった療法なのかの知識がある程度が到達目標となるでしょうか。

 心理力動的心理療法、精神分析の細かいところでそれは違うだろうと思うことは多々ありますが、専門的な議論をする場でもないので、見ない振りをしました。学部の授業レベルと思ったら許せます。

 それぞれの心理療法やカウンセリングの特徴と効果の限界を知り、クライエントさんを適切な心理療法やカウンセリングをしているところに繋ぐ、リファーする、連携する。そのために必要な知識を知ることがおそらく公認心理師には求められているようです。決して、公認心理師自身が心理療法やカウンセリングをマスターすることではないようです。ちなみに連携は臨床心理士の4つの業務でいうところの臨床心理学的地域援助に相当します。これまで多少は携わったことはあるが、経験少ない領域のところなので、まあまあ面白かったところもありました。公認心理師に期待される役割の最もたるところでしょうか。

 2日目は全体的にグループ討議は少なめ。心理支援という馴染みあり、また興味ある領域の勉強だったため、睡魔は少なかったです(無かったわけではなく)。討議するグループは高齢者関連で仕事している臨床心理士の方と、臨床心理士ではないが精神科で心理として働いている方でした。色々と話し合え、またコミュニケーションが取れ、情報交換ができたのは良かったです。

 テキストの心理支援の項目の中で、加速化体験力動療法や感情焦点化療法とか専門家でも知らない人がいるようなマイナーなものを持ち出し、重要な治療法である、と紹介されていました。そんなわけはないだろうと思いますが、執筆者に岩●茂先生がいたので、無理矢理入れたのでしょう。一般の方やこれから学ばれる方が誤解されないと良いのですが。

 心理支援の項目の中のカルテ記載についてですが、記載する際には、SOAP(問題指向型診療録)を用いて、情報共有ができるように、客観的に書くのは必要です。一方で、それだけだと臨床家としての、カウンセラーとしての訓練や成長には繋がりません。SOAPとは別にカウンセラーの主観的体験や情緒的交流の記載を含めたプロセスノートを書くと良いと思います。プロセスノートには他職種とは共有しがたいカウンセラーのみが感じ取れるもので良いでしょう。そうした自身の主観的体験を掘り起こし、再体験することはカウンセラーの心的スペースの拡張に繋がるでしょう。そうした営みがカウンセラーとしての成長になります。

 2日目が終了し、講習に来ていると噂をされている催眠術師や占い師、スピリチュアルカウンセラー、設置加算を目論む為に来させられた医療機関の受付や事務さん、などはグループで一緒にはならなかったです。このあと3日間あるから、その中で会えるかどうかでしょうか。

 2日目の昼食は、贅沢にも、ねぎし外部リンクで牛タン三種盛りスペシャル定食(厚切り白たん、うす切り白たん、うす切り赤たんが入ってる)を食べました。1880円のクオリティはありました。麦飯とトロロも美味かった。午後の英気を養えました。

牛タン定食

 以上が公認心理師現任者講習会の1日目と2日目の感想でした。次は3日目と4日目を中篇として、さらに5日目を後篇として書きます。

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公開:2018-03-29 更新:2018-05-14
研究会  北川 清一郎

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