「精神疾患の家族にカウンセリングを受けて欲しい」「いじめで心が傷ついた家族への接し方が分からない」など、家族のことで悩んでいませんか。カウンセリングでは、家族の困り事を扱うことも可能です。ここでは、家族の困りごとの代表例や家族向けのカウンセリング、メリットについて解説します。
ご家族が精神疾患をお持ちであったり、いじめで傷ついていたりする場合、その症状やお悩みの改善には、ご本人がカウンセリングを受けることが有効です。しかし、その一方で、本人はカウンセリングを受けたくないと思っているケースも多くございます。そのような場合はまず家族がカウンセリングを受けるという方法もあります。
目次
1.よくある家族の困り事とは
カウンセリングで扱う困り事には、自分の性格の問題、心の病気、人間関係、学校や職場への適応など自分に関することが多くありますが、家族のことで以下のような困り事も挙げられます。
- 発達障害の家族がいるが、カウンセリングを受ける気がない
- うつ病の家族への接し方が分からない
- 引きこもりの家族を見ては自分を責めてしまう
- 家族の精神疾患の治療方針を相談したい
- 家族の問題行動について相談したいが、人目を気にして相談できない
- 家族にカウンセリングを勧めたいから自分がまず試してみたいなど
など
家族の困り事を改善したい気持ちから「家族にカウンセリングを受けさせたい」と思う人もいますが、当人よりも困り感を感じている人からカウンセリングを受ける方が効果的な場合が多いです。
2.「家族の困り事」とは自分の悩みでもある
家族の困り事は一見家族に問題があるように思えますが、家族のことで悩み続けるうちにイライラや疲れやすさ、不安、不眠など、実は自分の心身にも影響を及ぼすことがあるため自分の悩みでもあります。
また、家族の困り事のため「本人がカウンセリングを受けないと意味がない?」と感じたり、自分が相談することを躊躇ってしまったりしては、悩みを抱え込んでしまうケースもありえます。家族の困り事を抱え込んでしまうことで気分の落ち込みや自責、無力感などを感じ、心理的に孤立してしまうと自分のメンタルに更なる悪循環が生じかねません。
いきなり家族を変えようとするのではなく、まずは自分が第三者に頼り、自らの悩みを軽減していくことが大切です。
3.家族向けカウンセリングを受けるメリット
家族の困り事の場合、本人の困り感やカウンセリング意欲は低いことが多いですが、その家族がカウンセリングを受けることでメリットもあります。家族のことで悩んでおり、家族向けカウンセリングを受けてみようか検討している人は、以下のメリットを参考にご覧ください。
メリット1:家族への関わり方を相談できる
精神疾患や心理学の理論を学んだプロのカウンセラーに相談することで、家族への声のかけ方や距離の取り方など関わり方を考えることができます。
特に、家族は他の誰よりも身近な存在であることから、どうにかしてあげたい気持ちやコントロールしたい気持ちが強まりやすいです。熱意や思いは大切ですが、同時に冷静さや平静さも大事です。第三者に相談して関係性を見直すことで、冷静さを取り戻し、効果的な関わり方を学べるという効果があります。
メリット2:本人に向けたアドバイスを聞ける
家族が代わりに相談することで、本人への関わり方だけでなく、本人のカウンセリングや医療機関の受診に向けたアドバイスを聞くことができます。本人を「来させる」指示ではなく、家族の今までの関わり方を労いながら本人が「行ってみようかな」と思える態度や言葉かけの提案をします。
メリット3:本人への理解が深まる
うつ病や発達障害といった精神疾患の特徴、いじめやハラスメントによる心の傷は人によっては理解が難しく、甘えや怠けと捉えることもあります。特に身近な存在を客観的に見ることは難しく、家族の心の病気に気づけないこともあるでしょう。
家族がカウンセリングを受けることで心の病気の特徴を知り、本人への理解を深めることができます。病気の特徴や症状を知ることで本人への態度が変わったり、家族の悩みが軽減されたりすることもあります。
メリット4:自分の心のケアができる
家族の悩みを1人で抱えてしまうと「自分がしっかりしなきゃ」「誰かに相談したいけど相談して良いのか分からない」など、自分を追いつめたり不安が増したりするなかで、家族の心身の健康も崩れてしまう危険性があります。
家族の心を支えるには自分の心の健康が必要です。家族の悩みについて相談すると、その中で自分の心をケアできるメリットがあります。
4.当オフィスでのカウンセリング
当オフィスでのカウンセリングでは、家族の悩みを聴きながら専門家としての見立てや対応、精神疾患の特徴などをお伝えします。困り事によっては数回のカウンセリングで効果を感じることもありますが、家族の問題や状況を整理し、理解を深めていくには継続的な取り組みも役立つでしょう。
家族向けのカウンセリングでは以下のようなご相談が可能です。
- 引きこもりの本人に代わって日常での困り事の対応を考える
- 精神疾患のある家族への接し方のアドバイスを受ける
- 本人を専門家や医療機関につなぐための相談をする
- うつ病の家族につられて気分が落ち込むため、自分の心のケアをする
- 家族に対するストレスがあり、専門家に聴いてもらう
- 家族の心の病気について、専門家から正しい知識を聞く
など
当オフィスで受けられるカウンセリングの種類には、対面で話し合う形式と、GoogleMeetや電話を利用したオンライン形式があります。オンラインの利用であれば、家族を通して本人がカウンセリングをする際の心的なハードルを下げやすいメリットもあります。また、土日祝も含めて毎日9時~22時まで開室しているため、都合の良い時間帯での相談が可能です。
またカウンセラーは多数在籍しているので、問題のタイプや相性によって、適切なカウンセラーが担当することができます。
5.家族向けカウンセリングを受けたい人へ
家族に精神疾患や問題があると、つい本人にカウンセリングを受けさせたいと思うケースもあります。しかし、本人を支援するにはまず家族の理解や心の健康が重要となります。そのためには、家族自身が心の専門家である臨床心理士や公認心理師に相談することも有効です。
当オフィスでは、心理的な問題を抱いている家族への支援や発達相談など家族向けのカウンセリングも行っております。家族の悩みを抱えて苦しい思いを感じている人は、お問い合せください。