イライラする原因とは?背景に潜む心の病との関係や解消法について
本記事では、イライラする原因や解消法について紹介します。
仕事でイライラして「同僚に強く言ってしまった」「家族にあたってしまった」という経験はありませんか?仕事や日々の生活などが忙しい現代人は、ストレスを抱えがちのため、普通に生活しているだけでもイライラがたまってしまうでしょう。そして、そのイライラした気持ちを他の人にぶつけてしまった際に、自分に対して嫌悪感を抱き、さらにイライラしてしまうという無限ループに陥ってしまいます。イライラする原因を探って、自分に合った解決法を見つけていきましょう。
目次
1.イライラする原因には何が考えられる?
まずは、イライラする原因について考えていきます。イライラする原因には、外的な要因や内面的な要因があり、それぞれが影響していることも。具体的にどういった原因があるのか見ていきましょう。
(1)ストレス
人がイライラする主な原因は、ストレスといわれています。大人に限らず、子どもにもストレスはかかります。
家から一歩外に出れば、人間関係や仕事のトラブルなど、さまざまなストレスがかかるといっても過言ではないでしょう。もしかすると、家の中でもストレスの原因となる出来事があるかもしれません。
またなかには、「自分はそれほどストレスだと感じていない」という方もいますが、自覚しないままストレスを抱え込んでいるケースもあるため、注意が必要です。ストレスは1つとは限りません。2つ3つと複合的にストレスが絡み合って、イライラにつながることもあります。
(2)睡眠不足
睡眠不足もイライラの原因になります。睡眠不足によって交感神経が優位になることで、アドレナリンといったホルモン分泌が増加するためです。アドレナリンが増えると、活動的になる反面、攻撃性も強くなります。
また、睡眠不足によって集中力が低下したり心の余裕がなくなったりするために、イライラにつながることもあるでしょう。
(3)ホルモンバランスの乱れ
睡眠不足を原因とするホルモン分泌以外に、女性ホルモンのバランスが乱れることでイライラすることもあります。
特に女性は、生理によってホルモンバランスが崩れやすくなっており、生理前に現れる月経前症候群(PMS)が原因となっているケースも。月経前症候群によって、食欲不振や倦怠感などの不調が起こるだけでなく、情緒不安定になることもあるためです。
また、閉経前後の更年期に起こる不調によってイライラしてしまうこともあります。この更年期障害は、女性だけでなく男性にも起こり得ることです。
(4)精神障害の影響
うつ病などの精神的な不調が原因で、イライラすることもあります。精神的な不調は、大人になってから発症することもありますが、過去の体験が原因となっていることも。
こういった心に抱えた不調を上手く表現できなかったり、周りに理解してもらえなかったりすることで、イライラとして表に出てしまうこともあるでしょう。
(5)栄養不足
栄養状態も人の感情を左右します。過度なダイエットや多忙により栄養バランスのとれた食事を摂れていないと、ミネラルやビタミンが不足してイライラすることも。
反対に、糖分を摂りすぎてインスリン分泌の乱れが起こり、空腹時にイライラしてしまうというケースもあります。
(6)脳の損傷
脳卒中や他の脳の病気、事故による頭のケガによって脳が損傷しているために、イライラしてしまうことも。脳が損傷すると「記憶する」「判断する」「注意を払う」など、人間ならではの高度な脳の働きが低下します。
こういった高次脳機能障害によって怒りやすくなったり、相手の気持ちがわからなくなったりして、イライラにつながるというわけです。
2.イライラすることを放置するとどうなる?
イライラすることを放置すると、人間関係が悪化するだけではなく、他人にイライラすることに疲れたり、イライラしている自分に嫌悪感を抱いたりすることもあります。
さらに状況が悪化すると、一人になりたいと考えるようになり、うつ病や適応障害、パニック障害などの精神疾患に進行する可能性が高まるでしょう。
状況を悪化させないためには、イライラすることを放置せず、適度にイライラを解消しながら原因を突き止める必要があります。
3.イライラを解消する方法とは?
ここでは、イライラを解消する方法について見ていきましょう。
(1)ストレッチなどで身体をほぐす
イライラすると、身体に力が入り緊張状態になります。緊張状態が続くと、呼吸が浅くなったり身体が凝り固まったりするため、強いストレスを感じるでしょう。
そういった場合には、ストレッチなどで意識的に身体をほぐすと、気持ちがリラックスします。そして、ストレッチによって血流が良くなり、脳にも酸素が届きやすくなるでしょう。
(2)深呼吸や瞑想をする
深呼吸は、誰でも手軽に行えるイライラ解消法です。いろいろな物事を考えることで、強いストレスを感じている方もいるでしょう。深呼吸をして心を落ち着かせ、物事を考えない無の時間を作るようにしてください。
いわゆる瞑想にあたる行為です。瞑想によって、心を落ち着かせる効果と、血流を良くしたり酸素を脳まで届けたりする効果が期待できるでしょう。
(3)睡眠時間を確保する
睡眠不足は脳の働きを低下させ、ストレスに弱い身体にします。十分な睡眠をとることで、自律神経のバランスが整い、ストレス回復につながるホルモンが分泌され、イライラ解消につながるでしょう。
一般的に成人の場合、1日に7時間ほどの睡眠が必要といわれています。睡眠時間が極端に少ない場合も多い場合も、将来の死亡率が高まるという研究結果があるため、適度な睡眠時間を確保しましょう。
(4)栄養状態をチェックする
食生活の乱れが気になる方は、まずは血液検査で栄養状態をたしかめることをおすすめします。極端に不足している栄養素があれば、積極的に摂取したりサプリメントを用いたりすると良いでしょう。ただし基本は、栄養バランスの整った食事を摂ることが大切です。
また、ダイエットによる過度な食事制限によってイライラするケースも。この場合、自分が好きなものを食べることで、β–エンドルフィンが分泌され、心を落ち着かせることができるといわれています。
栄養バランスが整った食事を摂り、適量の自分が好きな物をよく噛んで食べると、脳を刺激して心を安定させる効果も期待できるでしょう。
(5)日光に当たる
昼夜逆転の生活をしている方や、デスクワークなどで光を浴びる機会が少ない方もいるはずです。太陽光を浴びると脳内物質のセロトニンが分泌され、精神を安定させる効果が期待できます。
朝起きて日光に当たる、お昼ご飯を外で食べるなどの工夫をして、積極的に日光に当たると良いでしょう。
(6)病院を受診する
イライラが長く続く場合や、いつもと何かが違うと感じた場合は、身体の病気や精神障害を引き起こしている可能性があります。不安を抱えて生活するよりも、病院を受診しましょう。治療や薬によって緩和することもあります。
また、自分では気づかないケースも。家族や周りの方で、様子がいつもと違うと感じた場合は、病院の受診をすすめるのもおすすめです。
(7)カウンセリングを受ける
イライラの原因が、仕事面や金銭問題など明確になっている場合もありますが、過去のトラウマによって引き起こされているケースもあります。
こういった場合、自分一人で解決することは難しいでしょう。専門のカウンセラーや医師に相談することで、原因を突き止め、症状を改善していくことができます。
また、仲の良い友人にストレスの原因を話すことで、イライラを解消するという方法もありますが、反対にストレスになることも。カウンセラーや医師であれば、専門的なアドバイスをもらえるため、効率的に問題解決できる可能性が高いでしょう。
プライベートな話ができる友人がいない方にも、カウンセリングはおすすめです。カウンセラーであれば、客観的に話を聞いてもらえます。カウンセラーのように専門的な知識を持った信頼できる人に話を聞いてもらえれば、気持ちも軽くなるでしょう。
また、カウンセリングの中の一つの技法にアンガーマネジメントがあります。これはイライラや怒りを手順を踏んで、解消・克服する専門的な技法です。アンガーマネジメントをカウンセラーと一緒に取り組むことも効果的です。アンガーマネジメントの詳細は以下のページをご覧ください。
4.まとめ:自分なりのイライラ解消法を見つけよう
些細なことでイライラする、そのイライラを他の人にぶつけてしまうということが起きた場合は、自分の許容範囲を超えつつあることの予兆といえます。
休養をとったり、運動をしたりするなど、自分なりのイライラ解消法を見つけましょう。原因が見当たらないケースでは、病院を受診するのもおすすめです。過去の出来事や精神的なストレスがある方は、心のケアが必要である可能性も。
当オフィスには、さまざまな問題に対応できるカウンセラーが在籍しております。一人で抱えずお気軽にご相談ください。