オンラインカウンセリング

1.オンラインカウンセリングとは

オンラインカウンセリングとはインターネットや電話などの媒体を介して遠方の人同士でカウンセリングを行うことです。インターネットカウンセリング、遠隔カウンセリング、非対面カウンセリングなどと呼ばれることもあります。

電話は20世紀の前半から、インターネットは20世紀後半から一般に広まり、日常生活にとって欠かせないものとなりました。そうした媒体を当然のようにカウンセリングに取り入れられ、活用させることも増えていきました。

また、インターネットも日進月歩で、さまざまな形態が次々と開発されていっています。インターネットの初期にはメールでのカウンセリングが主でしたが、最近ではSkypeなどのビデオ通話を用い、対面に近い形態になってきています。もしかしたら近い将来にはホログラムや3Dなど立体に近い映像になっていくこともあるかもしれません。そして、それらもカウンセリングに取り入れられることになっていくでしょう。

最近ではこうしたテクノロジーとは最も無縁と思われてきた精神分析でも、Skypeなどをつかってカウチを用いた自由連想という古典的な形態の精神分析が実施されているようです。

2.オンラインカウンセリングの種類

(1)電話カウンセリング

主に音声のみを介してカウンセリングを行います。人間のコミュニケーションは言葉を介して情報のやり取りや共有を行うことが多く、そうした意味ではこの電話によるカウンセリングでかなりのコミュニケーションをとることは可能でしょう。また、電話では、言葉の内容以外に、音程の高低、言葉の強弱、会話のスピード、ニュアンス、語気など非言語的な事柄もコミュニケーションにのせることができます。そうしたことも電話カウンセリングの重要な要素となります。

(2)メールカウンセリング

インターネットの初期には回線が脆弱で、大容量のデータをやり取りすることはできませんでした。今のような画像や動画を一つ送るだけでも大変時間がかかりました。そのため、メールという媒体はテキストのみを送受信するだけなので、容量も少なく済み、簡単な伝達であればメールはとても便利でした。

こうしたメールを介してカウンセリングをメールカウンセリングと呼びます。メールカウンセリングでは、会話のようにリアルタイムで進んでいくものではなく、時間のある時にゆっくりと、じっくりと考えながらメールの文面を作成します。ですので、頭や思考を整理し、分かりやすく伝達することが可能となります。

(3)チャットカウンセリング

チャットとはメールのようにテキストのやりとりをしますが、メールよりも文面は短文で、それをリアルタイムで送り合うため、会話に近い形態となります。テキストによる会話といっても良いでしょう。こうしたチャットをカウンセリングに活用することをチャットカウンセリングと呼びます。

キーボードを打つスピードによって会話のスピードがかわってきますので、タイピングスキルがあまりにも差があるとスムーズな会話になりにくいかもしれません。

(4)ビデオ通話によるカウンセリング

2010年代以降は、徐々にインターネットの回線が強化され、大容量のデータ通信が可能になってきました。また常時ネット接続の光回線やWiFiなどの無線通信による使い放題の回線が出現しました。これにより、容量を気にすることなく、思う存分にデータの送受信ができます。こうしたインターネット事情から大容量が必要なビデオ通話が急速に成長していきました。

音声だけではなくビデオで相手の映像がみえるため、対面に近い形態となっています。ただ、まだまだ実際に会っているよりも人工的、機械的な感触があったり、タイムラグが発生したりするので、リアリティはやや低いかもしれません。しかし、今後もインターネットは5G時代に突入しますので、こうしたリアリティも徐々に高まっていくことでしょう。

現在の主要なプラットホームは、GoogleMeetSkypeZoomMicrosoftTeamsなどがあります。

(5)スマートフォンやタブレットの活用

これまではインターネットするのはパソコンでしたが、21世紀になるとスマートフォンやタブレットが出現し、外出先でも自宅と同様にインターネットに接続できるようになりました。街中には当然のようにWiFi回線が行き交っているため、データ容量を気にしなくてもよくなりました。こうした環境により、外出先でスマートフォンやタブレットをもってカウンセリングを受けるということができるようになっています。これはある意味ではカウンセリングの敷居を下げたと言えるかもしれません。

3.オンラインカウンセリングの技法

オンラインカウンセリングもカウンセリングの応用の一つなので、カウンセリングで使用している技法をある程度はそのまま転用することができるでしょう。カウンセリングの技法には傾聴、沈黙、うなづき、あいづち、繰り返し、承認、保証、要約、質問、助言、明確化、解釈、自己開示があります。媒体の違いによって多少は異なるかもしれません。例えば、メールやチャットでは傾聴や沈黙といったことが基本的には使えません。また電話では相手の姿が目に見えないので、沈黙を続けていると、聞いてもらっているのかどうかクライエントとしては分からなくなるでしょう。さらに、解釈などは伝えるニュアンスやタイミングが非常に重要なので、タイムラグが時折発生するようなビデオ通話では使いづらいかもしれません。

また、技法とするかは別として、カウンセラーとしてクライエントを尊重し、クライエントの苦悩を抱え、できる範囲で手助けをするといった姿勢はオンラインカウンセリングでも同様でしょう。

4.オンラインカウンセリングのメリット

オンラインカウンセリングのメリットを以下に列挙します。

  • 時間や場所を選ばない
  • スケジュールの調整がしやすい
  • 来所する時間や交通費を節約できる
  • 地方や僻地、海外の人でも利用できる
  • 移動が困難な身体障害者の方でも利用しやすい
  • 外出ができない対人恐怖やパニック障害などの人にとっては利用しやすい

などがあります。これまでカウンセリングの敷居が高く、アクセスが容易ではなかった人にとっては、オンラインカウンセリングは非常にたくさんの利点があります。特に2020年のはじめから新型コロナウイルス(COVID-19)による感染拡大が深刻となり、不要不急の外出は控えるように要請されています。このような事態においてはオンラインカウンセリングは非常に役立つものでしょう。

5.オンラインカウンセリングのデメリット

一方でオンラインカウンセリングにもいくつかのデメリットがあります。

  • タイムラグが発生する
  • 緊急の時に対応ができない
  • セキュリティの問題がある
  • 機器の不具合が発生しやすい
  • 媒体によっては設定や準備が難しい
  • コミュニケーションの情報量が制限される
  • 距離を遠く感じるため、親近感を持ちにくい
  • オンラインカウンセリングに依存的になってしまう
  • インターネットに不慣れな人にとっては使いづらい
  • 情報量が限られるのでカウンセラーにとって見立てがしづらい

などがあります。こうしたデメリットは方法によっては工夫によって克服できるものもありますが、テクノロジーの向上を待たねばならないものもあります。もちろんデメリットがあるから使わない、ということではなく、デメリットを考慮した上で、利便性とのバランスを見て、必要な分だけ使用すると良いでしょう。

6.オンラインカウンセリングのエビデンス

最近のカウンセリングや心理療法ではエビデンスというものが重視されています。エビデンスが特権的で、絶対的なものではありませんが、参考になることは多いでしょう。そうしたエビデンスの観点からオンラインカウンセリングを検討してみます。

カウンセリングにおいては非言語的なコミュニケーションがとても重要ですが、非言語的なコミュニケーションが制限されるオンラインカウンセリングは有効性に欠けるのではないかと思われがちです。しかし、Barakら(2008)は「クライエントは電話やインターネットによるセラピー形態に満足しており、対面式のカウンセリングと比較して治療同盟を豊かに形成できないことを示す明確なエビデンスはない」としています。また、Mallen(2003)は「コンピュータを介したコミュニケーションにより、個人的な情報を実際に開示しやすくなることを示している」と述べています。

電話カウンセリングでは、LeachとChristensen(2006)によると「電話を活用した介入の効力に関するメタ分析によると、うつ不安障害摂食障害薬物依存の治療および統合失調症の入院頻度の減少において、統制群よりも有意に効果的であった」ことを示しています。さらには、Mohr(2005)は「フォローアップ時にもその効果は持続している」というエビデンスを示しています。

インターネットセラピーでは、パニック障害と不安障害に大きな効果量を示しており、対面式のカウンセリングとほぼ同等で、全体的に大きな違いはないことが明らかとなっています(Barakら 2008、Carlbring 2005)。

こうした点からすると、オンラインカウンセリングには効果があることをしめす研究やエビデンスがそれなりに積み重なってきているといえるでしょう。

【参考】ミック・クーパー(著) 清水幹夫、末武康弘(監訳)「エビデンスにもとづくカウンセリング効果の研究-クライアントにとって何が最も役に立つのか-」岩崎学術出版社 2012

7.オンラインカウンセリングのセキュリティ

web会議システムを使うことで、対面では起こらないようなセキュリティの問題が発生します。不正な第三者による情報漏洩やプライバシーの侵害などがしばしば起こっています。特に今よく使われているZoomなどではセキュリティの重大な問題が指摘されています。セミナーなどで使う分には良いのかもしれませんが、極めて高度なプライバシー保護が必要となるオンラインカウンセリングなどでは使用を控える方が良いかもしれません。

使用するプラットホームのセキュリティがどのようになっているのかを知っておくことは重要です。SSLなどの暗号化はされているのか、接続IDが使い回しではないのか、IPアドレスなどで使用者を制限されているか、などは確認ポイントです。

また、個人でできるセキュリティとして、オンラインカウンセリングの場合には公衆WiFiなど使用しない、セキュリティソフトを常駐させる、怪しいメールを開封しない、出所不明のソフトをインストールしない、などは可能です。

また、HIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act)というものがあります。1996年にアメリカで策定されたもので、日本語に直訳すると「医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律」となります。これは医療情報を電子化を推進することと、それに伴うプライバシーの保護とセキュリティ保護を推奨する法律です。

ここにはいくつかの基準が書かれていますが、これをクリアする技術や制度を使用することが求められています。

オンラインカウンセリングで使用するweb会議システムの内、このHIPAAの基準を満たしているプラットホームはGoogleMeetなどありますが、数は限られています(GoogleMeetのセキュリティ)。ちなみに、先ほどのZoomは現段階では満たしておりません。

8.オンラインカウンセリングを受ける手順

当オフィスではセキュリティの関係からHIPAAの基準を満たしているGoogleMeetもしくは電話によるカウンセリングを実施しています。料金は1回50分12,000円です。申し込みからカウンセリング実施までの手順を説明いたします。

  1. メール(info@s-office-k.com)、電話(045-642-5466)、メールフォームから申し込みをする。
  2. 予約日を決定する。
  3. 案内のメールが送られてくるので、同封された問診票と同意書に必要事項を記入し、返送する。
  4. 料金を期日までに振り込みする。
  5. GoogleMeetによるカウンセリングの場合には以下の手順となります。
    • スマートフォン、タブレット、webカメラのついたパソコンのいずれかをご用意ください。
    • Googleのアカウントを取得する。(Googleアカウントの取得はこちら
    • スマホやタブレットの場合にはアプリをインストールする。
      • (インストールはこちら、android系の場合、iPhone系の場合)
      • (パソコンの場合にはインストール不要です)
    • 当日の入室アドレスをこちらから送信します。
  6. 当日の予約時間ちょうどぐらいに送られてきたアドレスをクリックしてください。電話の場合には電話を心理オフィスKにかけてください。
  7. カウンセラーとカウンセリングに取り組みます。

以上となります。GoogleMeetの設定については分からない場合には電話やメールでご連絡ください。説明させていただきます。

9.オンラインによるスーパービジョン

心理オフィスKではスーパービジョンを行っていますが、遠方にお住まいであったり、新型コロナウイルスのために外出自粛をしている方にはGoogleMeetでスーパービジョンを行っています。GoogleMeetによるスーパービジョンをご希望の方はメール(info@s-office-k.com)、電話(045-642-5466)、メールフォームから申し込みをしてください。

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