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神奈川県横浜市港北区大豆戸町311-1
アークメゾン菊名201号

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オンラインセミナー「精神分析的リエゾン・コンサルテーション」

(株)心理オフィスKの公開セミナーとして「精神分析的リエゾン・コンサルテーション−象を見つけるフィールドワーク−」をZoomを用いてオンラインで開催します。システムの問題や用事、体調不良などで参加できない時には返金いたします

■概要

日本精神分析学会では「精神分析とは何か」という議論が活発です。しかし、何をもって「精神分析的」とするのかは大変難しい問いです。私も自らが行うリエゾン・コンサルテーション活動は果たして精神分析的なのかと何度も自問してきました。そんな中、哲学者ネルソン・グッドマンの「いつ藝術なのか」という記述に出会いました。問うべきは、ある作品が藝術かどうかではなく、その作品が藝術となるのはいかなる場合かだというのです。それを援用すれば、ある臨床活動が精神分析かどうかではなく、精神分析的になるのはいかなる場合かという問いになります。私は、リエゾン・コンサルテーション活動が「象をみえるようにするフィールドワーク」であるとき、それは精神分析的であると考えます。

米国の精神科医Lipowski, ZJによれば、リエゾン・コンサルテーションとは「総合病院において精神科以外の領域で精神科医(精神保健福祉士や精神科看護師)の行う診断、治療、教育、研究のすべての活動を含む臨床精神医学の分野」のことです。対して、私が「リエゾン・コンサルテーション」と呼んでいるものは、象によって機能不全に陥った集団(組織)に出向き、その機能回復のための支援を行うこと(後述)を指しています。その原点は、造血幹細胞移植チームでのリエゾン経験にあります。

「精神科医がいるのが当たり前な病棟」を作るというコンセプトで始まったその活動を通して、私はその活動がもつ「集団(組織)支援」という側面に気づきました。そして、同様の支援を必要とする集団(組織)は、総合病院以外にもたくさん存在するのではないかと考えるようになりました。結果、学校精神保健、産業精神保健へと活動領域を広げていきました。現在は、自らの勤務先である総合病院を「働きやすい職場」にすることに取り組んでいます。

“elephant in the room”という慣用句は、存在は明らかなのに、みんなが話題にするのを避けている重要な問題を意味します。見て見ぬふりをするとか、タブーという使われ方をすることもあるようです。私たちを取り巻く世界では、そんな象により交流が滞り機能不全に陥った集団(組織)がそこここにあります。私はそんな集団(組織)に出向き、機能回復のための支援を行っています。

「みえてはいるが誰れもみていないものをみえるようにするのが、詩だ」は、詩人長田弘の言葉です。私の行っている支援は、長田のこの言葉に喩えられるように思います。とはいえ、私には、長田のように人の心に響き渡る言葉を紡ぐ能力はありません。私は、集団のメンバーが私の言葉に耳を傾けようと思ってくれる、そんな信頼関係を築くことを通して、メンバーが象に目を向け、それについて話し合うように支援します。

では、集団のメンバーが耳を傾けようと思ってくれる信頼関係とはどのようなものなのでしょうか。その関係構築の過程はフィールドワークに喩えることができると思います。社会学者の岸政彦は質的調査がめざすのは「他者の合理性」を理解し、その人々の「隣人」になることだと述べています。「他者の合理性」とは、「一見すると不合理な行為選択の背後にある合理性やもっともな理由」のことです。自分のことをその水準で理解してくれる「隣人」の言葉であれば、人は耳を傾けようと思うのではないでしょうか。また、社会学者の佐藤郁哉は、「調査者が調査の対象となる社会に『とけこんで』いく」過程には無駄が多く、しばしば困難にぶつかると述べています。しかし、その無駄や困難の一つ一つが他者の靴を履くことにつながります。

日本精神分析学会での「精神分析とは何か」という議論は、精神分析を深掘りすると共に、その応用範囲の拡大という動きにもつながっています。その動きは、演題申込要項の「設定」として、個人精神療法・個人心理療法と並んで、精神分析的理解に基づく応用的実践という項目が設けられたことにも表れています。講演では、臨床素材を用いて体験に近い話をします。それを通して、参加者の皆さんがご自身の臨床実践が「いつ精神分析なのか」を考える機会にしていただければと考えます。

■講師

白波瀬丈一郎 先生

  • 所属:東京都済生会中央病院 健康デザインセンター
  • 資格:精神科医、日本精神分析学会認定スーパーバイザー、博士(医学)
  • 略歴:慶応義塾大学医学部卒業。慶応義塾大学医学部精神神経科教室入室。2014年より慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室特任准教授、慶應義塾大学ストレス研究センター副センター長。2020年より東京都済生会中央病院。
  • 著書:精神力動的精神医学【第5版】―その臨床実践(岩崎学術出版社)、短期精神療法の理論と実際(星和書店)、メンタライゼーションと境界パーソナリティ障害(岩崎学術出版社)など

■日時

2021年8月1日(日)10:00~16:00(休憩12:30~13:30)

■オンライン開催

Zoomをもちいたオンラインセミナーとなります。必要なものはパソコンもしくはスマートフォン、タブレット等です。

スマートフォンとタブレットの場合にはあらかじめアプリをインストールしておく必要があります。ダウンロードは以下のアドレスから可能です。

参加方法は非常に簡単で、事前にこちらから送るURLアドレスをクリックすれば、セミナーに入室することができます。

また、当日のセミナーは録画します。セミナー申し込み者のみ後日に録画を視聴することができます。

Zoomのダウンロードはこちら

■参加費

7,500円

  • お申し込み後のキャンセルは可能です。参加費の返金に応じます。
  • システムの問題、急用、体調不良で当日十分に視聴できない時には返金します

■参加資格

臨床心理士、公認心理師、医師、心理職、カウンセラー、精神保健福祉士、社会福祉士、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、看護師、保育士、教師などの資格をもつ対人援助の専門家、大学院生など。

■臨床心理士更新ポイント

臨床心理士の更新のためのポイントを2条(4)の項目で申請する予定です。

■申し込み期日

2021年7月29日(木)まで。

■参加申し込み

このセミナーは終了しました。たくさんのご参加、ありがとうございました。これ以外にも様々なセミナーを企画しています。ご興味あれば以下のセミナーの一覧をご覧ください。