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ドメスティックバイオレンスの特徴

ドメスティックバイオレンス(DV)とは配偶者の間で行われる身体的、心理的、性的、経済的な暴力のことです。ここではそのドメスティックバイオレンスの特徴について書いていきます。

1.ドメスティックバイオレンスの現状

以下の図1は警視庁のドメスティックバイオレンスに関する相談件数ですが、平成25年以降は年々増加傾向にあるようです。これだけをみると、相談する人が増えていることがわかりますが、実際に被害にあった人がどれくらい周りに相談できているかを考慮する必要があります。

図1 ドメスティックバイオレンス被害の相談件数(警視庁)

図1 ドメスティックバイオレンス被害の相談件数(警視庁)

表1はドメスティックバイオレンス被害にあった時、誰かに相談したり、助けを求めたのかどうかの割合を示しています。全体をみると、半数の人が相談でき、半数の人は相談できずにいるということになります。男女別でみると、男性の方が人に相談する割合が少なく7割もの人が相談できずにいるようです。ドメスティックバイオレンスは男性から女性におこなわれるもの、というイメージが影響しているのかもしれません。女性も4割の人が相談できていません。

このデータは、ドメスティックバイオレンスにあっていると認識している人のデータです。つまり、自分はドメスティックバイオレンスの被害者だとわかっていてもこれだけ多くの人が周りに相談できずにいることになります。暴力を受けているのにも関わらず、自分がされていることはドメスティックバイオレンスに当てはまらないのではないかと耐えている人を含めると、更に相談できていない人の数が増えることになります。

この記事を読んでいる人の中にもそういった方がおられるかもしれません。被害にあっていると確信できなくても、被害にあっているかもしれないと相談されてみてください。

表1 ドメスティックバイオレンス被害の相談割合
総数 女性 男性
相談した 47.1% 57.6% 26.9%
相談しなかった 48.9% 38.2% 69.5%

2.ドメスティックバイオレンス被害者はなぜ逃げられないのか、相談できないのか

壁に向かって泣く女性なぜ半数ほどの人が相談できていないという現状があるのでしょうか。ドメスティックバイオレンスの被害を周りに訴えることができない人の中には、以下のような心理状態に陥っている人が多いのではないでしょうか。

(1)第三者に伝わりづらく、言いにくい

ドメスティックバイオレンスは多くの場合家庭の中で起きています。ドメスティックバイオレンス加害者が家の外や公共の場、あるいは会社などでも暴力的にふるまっている人であれば、周囲からわかってもらいやすいですが、多くの場合、社会生活上問題がないように過ごしています。家庭でドメスティックバイオレンスが行われている様子を周囲の人が直接みることはありませんし、想像することすらも難しいでしょう。仮に通報したとしても警察が到着した際に落ち着いた様子で居られると、先ほどまでの様子をその場で証明することができません。

それゆえ、「人にいっても信じてもらえないのではないか」「逆に自分がヒステリックになってるだけとおもわれないだろうか」などと思い、周囲に訴えることができなくなってしまいます。特に経済的なドメスティックバイオレンスの場合にはさらにそれが顕著です。

被害者をこのような心理状態に陥れ、周囲に助けを求められないようにすること自体も加害者の策略である場合があります。孤立してしまうと、余計に加害者は被害者の行動を支配しドメスティックバイオレンスをエスカレートさせていく可能性があります。

(2)暴力に対し自分が悪いからと考えるようになる

ドメスティックバイオレンスはほとんどの場合反復して行われます。何度も繰り返されていると、「自分の対応が間違っていたから怒らせてしまったんだ」「自分がちゃんとしていれば、こんなことにはならなかった」と自分を責めるようになってしまいます

一人で抱えていると、自分のせいだと思うようになってしまい、自分のせいだと思うようになると、余計に人に相談できなくなる、という悪循環が生まれてしまいます。

(3)逃げることへのハードルを高く感じてしまう

一般の人からすると「暴力をふるう方が絶対に悪いのだから、逃げれば良いじゃないか」と単純に考えられがちですが、世間や親せきの目、子どもの将来などを考えると逃げるということが難しく感じられるようになります。また、逃げると一言で言っても、どこに逃げればいいのか、逃げた後どうなるのか、被害者にとっては逃げるという行為も怖いことです。

それゆえ、最終的にドメスティックバイオレンスがあったとしても、現状を維持する方が良いと思うようになり、逃げずに一人で抱え込むという選択をしてしまいます

経済的なドメスティックバイオレンスの場合には逃げた場合の生活費などの金銭にすぐに困ってしまいますので、さらにハードルを高く感じてしまいます。

(4)精神疾患を併発してしまい、気力や体力が奪われる

慢性的にドメスティックバイオレンスや暴力を受けることにより、様々な精神疾患に罹患してしまいます。特に多いのがPTSD(Post Traumatic Stress Disorder 心的外傷後ストレス障害)です。症状としては、侵入体験、回避、麻痺、過覚醒、認知と気分の過度な変化の5つほどが表れます。また時には解離症状を呈してしまうこともあります。その他にも不安障害や気分障害、解離性障害、アルコール依存症などの精神疾患も見られます。

このような状態になってしまうと、ドメスティックバイオレンスに抵抗したり、今の環境から逃げるエネルギーすらもなくなってしまう可能性があります。「暴力される場面がフラッシュバックする」「一日のうちに何度も思い出され、思い出すたびにつらくなる」「思い出すと動悸がする」「警戒しておちつけない」「何度もその夢をみる」「なかなか眠れない」「周りに関心がなくなって楽しいと思うことがない」このような症状がみられた場合、必ず相談してください。

3.ドメスティックバイオレンスは子ども影響する

子どもにとって両親間の暴力を目撃することは直接的間接的に多大な損傷を与えてしまうことがあります。ドメスティックバイオレンスや暴力を目撃することも児童虐待の1つであると最近はされています。また、ドメスティックバイオレンスがある家庭の子どもは直接的に、身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、ネグレクトに晒されるリスクが増加します

また、暴力をモデルとし、子ども自身が暴力的になったり、権力・支配構造に敏感になり、積極的にそれに加担したりしてしまうこともあります

虐待やドメスティックバイオレンス目撃に継続的に曝露されてから大人になると、子ども自身がパーソナリティ障害などの精神疾患に罹患したり、いわゆるアダルトチルドレンになってしまったりもします

4.ドメスティックバイオレンスについてのトピック

5.ドメスティックバイオレンスについて相談する

ドメスティックバイオレンスは、一人で解決したり、改善したりすることが大変難しい問題です。専門のカウンセラーに相談することで道が開けていくことはしばしばあります

当オフィスでもドメスティックバイオレンスについて相談にのることができます。ご希望の方は以下の申し込みフォームからお問い合わせください。