スーパービジョンと教育分析の共通点と相違点
この記事ではスーパービジョン(スーパーヴィジョン)と教育分析の共通点と相違点についてまとめています。両者には同じ部分もあるので、時に混同されてしまいますが、全く別物です。
1.スーパービジョンと教育分析の異同
スーパービジョンと教育分析の異同について表にまとめてみました。
教育分析 | スーパービジョン | ||
---|---|---|---|
共通点 |
目標 |
臨床家としての能力の向上 | |
機能 |
精神的なサポートを得る | ||
臨床の学びを深める | |||
相違点 |
目標 |
自分自身を知る | ケースやクライエントのことを知る |
検討の対象 |
臨床家自身 | ケースやクライエント | |
取り組み方 |
臨床家自身の内面の探索 | ケースやクライエントとの面接過程を検討 *臨床家自身の内面はそこまで触れない |
|
頻度 |
基本的には週1回以上の高頻度 | 隔週や月1回などの低頻度でも可能 |
両者の共通点は、臨床家としての力量の向上や精神的なサポートを得ることです。こうしたことを達成するためにスーパービジョンや教育分析を行いますが、両者ではその方法論に大きな違いがあります。
一番の違いはスーパービジョンでは検討する対象がケースやクライエントである一方、教育分析では臨床家自身の内面や個人史などです。スーパービジョンでも臨床家自身の内面に全く触れないということではありませんが、深く入り込むことはありません。
これには歴史的な経緯も関係していますが、数十年前にはスーパービジョンと教育分析はそれほど区別されておらず、スーパービジョンの中でも臨床家の内面を深く掘り下げたり、教育分析でケースのことを検討したりすることもあったようです。ただ、それだと、境界が曖昧になり、二重関係的になりがちだったため、次第にスーパービジョンと教育分析は別のものとされるようになりました。
このことについては以下のページに詳細を書いています。
2.スーパービジョンと教育分析のどちらを選択すれば良いか分からない
私のオフィスではスーパービジョンと教育分析をしておりますが、時折、スーパービジョンを希望してこられても、ニーズを聞くと教育分析であったり、その逆であったりすることもしばしばあります。別にそれは悪いことでも間違ったことでもないので、お話を伺って、ニーズをお聞きし、スーパービジョンか教育分析のどちらか適当な方をご案内しています。
このあたりは通常のカウンセリングのように、ニーズを聞いて、それを満たせるようなことをアレンジするということになります。
ですので、スーパービジョンと教育分析がどちらが適当なのかが分からない場合には、まずはお会いし、何を希望するのか、どういうニーズがあるのかを聞いて、選択してもらえたら何も問題はありません。
3.スーパービジョンと教育分析についてのトピック
4.スーパーヴィジョンや教育分析を受けたい
私どものオフィスでスーパービジョンや教育分析を希望される方は以下のページからお申し込みください。どちらを希望すれば良いか分からない場合には、暫定的にどちらかを選択し、備考欄に不明であることを明記していただければ大丈夫です。