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家から出たくない…そんな時の心理状態と対処法は?

出たくないわけではない

今回は「家から出たくない」という気持ちのメカニズムや対処法をわかりやすく解説したいと思います。これを知っておくことで、自分自身のメンタルヘルスにつながり、また周りの人の不調に対応する際の参考にもなるでしょう。

1.家から出たくないという心理

(1)どうして外に出たくないのか

「外に出たくない」というのは、本当にそれ自体が悩みなのでしょうか。他にも似たような言葉に「ずっと寝ていたい」「布団から出たくない」「朝がこなければいいのに」「部屋の中にいたい」など、日常的な会話でもよく耳にするものがありますが、このようなことを口にする方々は、本当にこの言葉通りのことを思っているのでしょうか。

きっと、その悩みを深くみていけば、「学校に行きたくない」「会社にいきたくない」「家族と顔を合わせたくない」「嫌な予定がある」などと様々な問題が浮き上がってくることになるでしょう。もし、ただ会社が嫌なだけだったのに、外の世界全てが嫌になったかのようなきもちになってしまうのは、とても苦しいことです。

心理学において「般化」という概念があります。例えば、注射が嫌いな子どもが、注射だけでなく医者にも恐怖を覚え、更には病院というところまで嫌いになり、病院に連れていこうとする母親にも嫌悪感を示すというようなケースです。つまり、本来嫌いだったものだけでなく、それに付随するあらゆることに恐怖や不安を示すようになるということです。

社会生活においても同じことがいえます。嫌なことがひとつあるだけでも、外の世界が全て敵にみえるようになるのは何ら不思議なことではありません。「外に出たくない」という言葉の裏側ではこのようなことが生じているのではないかと考えられます。

(2)「外に出たくない」というのは精神疾患の前兆か

考えなければならないのは、「ただ外に出たくないだけ」なのか、それとも「精神疾患の病状のひとつとしてひきこもりが生じているのか」という点です。後者の場合はより早く介入しなければかなり深刻なことにもなります。

「外に出たくない」というきもちを生じさせるような精神疾患を少しまとめておきます。

a.うつ病

まず考えられるのはうつ病です。これを見分けるひとつの指標が1日の変動です。もし、「外に出たくない」「もうなにもしたくない」「外にでる気力がない」と感じる気持ちが朝方に一番強く、夕方になればましになるならば、うつ病の可能性があります。

ひきこもりのケースでは、昼夜逆転が頻繁にみられますが、これもただの昼夜逆転なのか、うつ病としての睡眠障害かみわける必要があります。

b.適応障害

次に考えられる精神疾患として適応障害があげられます。こちらも、うつ病と同様に気分の沈みがみられますが、うつ病よりもストレスの原因が明確な場合に適応障害と診断されます。

「会社に行けば嫌な上司がいるから外に出たくない」「今日は嫌な予定があるから外に出たくない」といった日が続くと、適応障害の前兆として考えられるでしょう。

c.統合失調症

最後に統合失調症です。ただしこの統合失調症に関しては、本人に病識がない場合がほとんどです。「外に出たくない」というよりは「外に出ると自分は殺される」「自分は誰かに監視されている」などと感じられているかもしれません。

特に思春期に発症しやすいものですので、単なる不登校やひきこもりと思っていたら取り返しのつかないような状況になっていたなんてことにもなりかねません。本人が自分自身で自分の状況が把握できない病でもありますので周りの人の気づきが大切になります。

2.家から出たくないときどうすればいい?心理学的な対応

(1)まずは無理をしないで

カウンセラーの立場からコメントするとなると「出たくなければ無理をして外に出る必要はない」と、まずはそうお伝えすることになるでしょう。しかしながら、この言葉は「出たくなければ出なければいいだけでは?」とも受け取ることができます。必ずしもその人に寄り添った言葉ではありません。

本当に外に出る必要がなければ、その人は「外に出る」ということに悩まないわけですから。外に出なければならないと思っているからこそ、その人は悩んでいるわけです。そういった人に「外が嫌なら家の中にいればいい」というのは残酷で、何の解決にもなりません。

(2)出なければならないと思っていることを自分でほめる

「外に出たくない」「外に出られない」という状況にある自分を責めるのではなく、「外に出たくないけど、出なくちゃいけないと思っている」という点に着目してみてください。その点から見ると、出なければならないと思っていることは、出ることの一歩であると捉えなおすことができます。それは非常に大事な思いです。

これは、自分自身が引きこもりがちになったときにもそうですし、周りの人(パートナーや子ども)が引きこもりがちになったときにも大切な視点です。

(3)家から出たくないと家族がそうなってしまった場合

引きこもりの対応には心理学においても様々な立場があるのですが、一昔前は「急かさない」という対応が大前提となっていました。例えば「学校に行きたくない」という不登校の子どもに対しては、学校や登校を意識させるような言葉を一切投げかけずに、本人のペースに任せただ待つ、という対応がとられていました。ひきこもりに関しても同様で、外に出そうと働きかけるより、ひきこもりの本人が外に出ようと思うまでそっとしておくというケースが多くありました。

しかし、最近になって少し変わってきています。「待っているだけじゃだめ」という考えに基づいた対応がカウンセラーの中でも共有されるようになってきています。ただし、これは無理に外に引っ張り出すということを指すのではありません。待つだけではよくないですが、かといって口うるさく「出てきなさい」というのもよくありません。それではどうすればいいのでしょうか。

(4)認知行動療法的介入

「待つ」だけじゃない対応が普及し始めたのは認知行動療法の影響があります。認知行動療法的な介入では、スモールステップが重視されます。

外に出るまでには様々な段階があります。前日から考えるとこのようになるでしょう。

  1. 早めに眠る
  2. 目を覚ます
  3. 布団から出る
  4. 顔を洗う
  5. 歯磨きをする
  6. 着替える
  7. 荷物の準備をする
  8. 外に出る

この時、いきなり8番を目指すとしんどくなります。「外に出る」ことを目標とすると、外に出られなかった場合、全てが失敗体験として残ってしまいます。しかし、このように細分化し目標を立てておくと、「布団からはでられたから3番まではクリアしたんだ」と成功体験にもなります。「大きなところではなく小さなところの変化から」という認知行動療法の考えをもっておくことは自分自身のメンタルヘルスにも大切なことです。

3.カウンセリングの利用について

(1)カウンセリングに行くことすらしんどい

外に出たくない、という人にとって、カウンセリングを自分で予約しカウンセリングの当日に相談室に足を運ぶというのは、それ自体がとてもおっくうに思われるかもしれません。もし、深刻なひきこもりのケースならば、カウンセリングに足が運べるようになれば、もうそれだけで十分なのではないかとすら思われます。

(2)カウンセリングを受けるということ

カウンセリングというと、相談室でカウンセラーに対して悩みを話し、それで心が軽くなり悩みが解消されるというようなイメージをもっておられる方が多いと思いますが、実際のところは、カウンセリングの中身よりも、毎週同じ時間に同じ相談室に行き同じカウンセラーに会うという行為そのものが治療的な意味をもつとされています。

特にひきこもりのケースではこの点が重要視されます。「外に出たくない」という気持ちが悪化する前に、カウンセリングルームという場所に碇をおろしておくというのは、長い目でみるととても有効な対処法であると思います。

また、先にも述べたように、「外に出たくない」という感情が精神疾患と関係している可能性もありますので、カウンセラーと繋がっておくことで、もしものときすぐに病院につながることもできます。

4.「外に出たくない」と思った時に相談する・カウンセリングを受ける

今回は「外に出たくない」というきもちについてまとめました。この気持ちは内面からのSOSかもしれません。「こんなことで相談してもいいのか」と思われないで、大きな不調につながる前にお話を聴かせてください。

当オフィスでのカウンセリングではこうした問題についても対応しています。相談やカウンセリングをご希望の方は以下の問い合わせフォームからご連絡を頂ければと思います。

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【執筆者情報】

  • 北川 清一郎
  • 資格:臨床心理士、公認心理師、日本精神分析学会認定心理療法士など
  • 所属学会:日本心理臨床学会、日本精神分析学会、日本EMDR学会、日本臨床心理士会、日本公認心理師協会など
  • 役職:神奈川県臨床心理士会代議員、日本臨床心理士会委員などを歴任
  • 経歴:精神科や心療内科、教育センター、児童相談所、就労支援施設などでの臨床経験は約20年になる。また、臨床心理系の大学などでの非常勤講師を歴任。執筆した論文は多数。メディアや雑誌での出演経験も豊富。
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