コンテンツへ移動 サイドバーへ移動 フッターへ移動

スーパービジョンにおけるスーパーバイザーとの関係性

スーパービジョンにおいて、スーパーバイザーとスーパーバイジーの関係は非常に濃密になることがあります。そのことがスーパービジョンという訓練を受ける上でとても重要になります。なぜならスーパービジョンは単に知識を伝達してもらうことだけが目的ではなく、スーパービジョンという関係の中で実際の生々しい葛藤や情緒を体験することが重要だからです。こうした体験はカウンセラーとして実体験に基づいた知恵を得ることに大いに寄与します

ここではその関係性の中のパラレルプロセスと心の中のスーパーバイザーについて書きます。スーパーバイジーとしてこの2つのトピックを知っておくと、スーパービジョンを受ける際に参考になるでしょう。

1.パラレルプロセス

パソコンを見ている男女

パラレルプロセスという言葉はあまり聞きなれないかもしれません。パラレルとは平行という意味です。これはカウンセリング関係とスーパービジョン関係において、両者が同様の、もしくは似たような進展をすることを指します

例えば、カウンセラーとクライエントの間で愛憎をめぐる葛藤がテーマになっていたとします。そのカウンセラーがスーパーバイジーとしてスーパービジョンを受けた時、スーパーバイザーとの関係においても愛憎をめぐる葛藤が展開する、ということです。もちろん、その反対もあります。スーパーバイザーとの関係の中でテーマになっていることが、クライエントとの関係に持ち込んでしまう、ということもありえます。

さらに肯定的なプロセスの場合もあります。上記の安定化の中で述べたように、スーパービジョンのなかで抱えらえる体験をしたスーパーバイジーが、カウンセラーとしてクライエントを抱えられるようになる、ということもパラレルプロセスの観点から理解することもできます

いずれにしても、どちらが原因でどちらが結果というようにはっきりと割り切れるものではなく、連動していると理解する方が妥当かもしれません。

2.心の中のスーパーバイザー

走る男女

スーパービジョンは永遠に続き、永遠に指導をしてもらえる、ということはありません。それは幻想でしょう。いつかはスーパービジョンが終了し、自立したり、別の視点のスーパーバイザーを見つけることになります。

スーパーバイザーとの対話などを通してケースの理解を深めたり、技法を習得したり、抱えられたりすることにより、スーパーバイジーはスーパーバイザーを内在化します。取り入れといっても良いでしょう。子どもが両親をモデルにし、両親の様々な面に同一化し、取り入れ、内在化することと似ているでしょう

P,ケースメントは「心の中のスーパーバイザー」「心の中のスーパービジョン」と呼びました。

(参考:パトリック・ケースメント(著) 松木邦裕(訳)「患者から学ぶ-ウィニコットとビオンの臨床応用」岩崎学術出版社 1991年

カウンセリングをしているとき、カウンセラーはもちろんスーパーバイザーに直接相談することはできません。しかし、カウンセラーの中に内在化されているスーパーバイザーとの内なる対話を通し、別の視点を探索し、ある種の客観性を持つことができます。それがカウンセリングの進展の転換点となります。こうした内なる対話の原型はスーパービジョンといえるでしょう

3.スーパービジョンを受けたい

カウンセリングをする男女

スーパービジョンを受けることはカウンセラーの訓練としてはとても重要な意味があります。スーパービジョンについてさらに詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。

また当オフィスでスーパービジョンを受けたいという方は下のボタンからお申し込みしてください。


この記事をSNSでシェアをする