コンテンツへ移動 サイドバーへ移動 フッターへ移動

パワハラと指導の違いとは:目的と手段がチェックポイント

2022年4月1日から労働施策総合推進法に基づく 「パワーハラスメント防止措置」(通称・パワハラ防止法)が中小企業の事業主にも義務化されます。そのパワハラについて、どういう時にパワハラとなり、どういう時にはパワハラとならないのかについて、例を用いながら説明します。

  • パワハラ防止法が中小企業の事業主にも義務化P1
  • パワハラ防止法が中小企業の事業主にも義務化P2

上記は厚労省のチラシです。

1.パワハラとは

支配する男性

パワハラとは厚生労働省は「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義しています

具体的には以下の6つになります。

  • 身体的な攻撃
  • 精神的な攻撃
  • 人間関係からの切り離し
  • 過大な要求
  • 過小な要求
  • 個の侵害

2.パワハラと指導の違いのチェックポイント

パソコンを見ている二人の女性

これまで大企業だけに適用されていたこのパワハラ防止法が日本の8割を占めるといわれる中小企業にも義務として求められます。よって、非常に多くの人が影響を受けることになります。

企業側は「これを言ったらパワハラなのかな?」とついつい労働者への指導に躊躇してしまいますし、労働者も「いったい自分が言われたことはパワハラなのだろうか?」と考えてしまうでしょう。

そこで「パワハラとは?」を整理するために、以下の2つのチェックをするとクリアになってきます

  • 言動の目的と手段を天秤にかける
  • 天秤にかけた言動を評価する

3.パワハラの例、指導の例

電話で怒る男性

次に実際に起こりうる例を取り上げて、パワハラにあたるのか、それとも指導の範囲にあたるのかを見ていきたいと思います。

例1)建築現場で現場監督から「馬鹿野郎!」と言われた。

現場の状況が「労働者の頭上に鈍器のようなものが降ってきた」ということでしたら、労働者の「命を守る」という“目的”の“手段”として、現場監督が「馬鹿野郎」と大きな声とあえて乱暴な口調で注意喚起をした、となります。

目的と手段を天秤にかければ、労働者の命を守る手段として、現場監督の発言は「妥当」です。よってパワハラの可能性は低い、といえます

例2)オフィスで営業成績が上がらない従業員に上司が「馬鹿野郎」と言った。

営業成績を上げるという目的の手段として「馬鹿野郎」は妥当でしょうか?成績を上げて欲しいという目的でしたら「馬鹿野郎」という言葉ではなく「あなたの成績は今ここなのだから、ここを改善してほしい」と指導助言することが合理的な手段といえるでしょう。

よって、オフィスで営業成績を上げるための目的の手段としての「馬鹿野郎」はパワハラと言われてしまう可能性があります

例3)建築現場で作業がなかなか進まない労働者に対して「馬鹿野郎」と言った。

建築現場でも、作業を進めてほしい、という目的に対して「馬鹿野郎」は妥当ではありません。この「馬鹿野郎」によって作業が進むとは考えにくいからです。それよりも「この時点では遅れているのだから、このように作業をしてほしい」という助言、指導という手段が合理的、となるでしょう。

よって、この場合にはパワハラと認定されてしまう可能性があります

4.パワハラについて相談する

ミーティングする男女

パワーハラスメントは「言われた方がパワハラと感じたらパワハラ」ではありません。一人一人の感じ方は違いますし、ましてや「時代が」「言い方の問題が」では空中戦になってしまい、水掛け論になってしまいます。企業で気持ちよく働くために、常に「自分の言動はこの仕事を達成する目的のための手段として妥当だろうか?」ということを考えてみてください。

もちろんパワハラであれば、改善しなければなりませんし、被害者のケアもしなければなりません。当オフィスではパワハラについての相談や、パワハラ被害者のケアやカウンセリングも行っています。希望者は以下からお申し込みください。