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大人の愛着障害

ここでは大人の愛着障害について解説します。

子どもだけではなく、大人の愛着障害の場合にも、対人関係が極端に乏しいか、極端に近づきすぎるかをしてしまいます。また、自信や自尊心を持つことができず、いつも自己否定したり、びくびくしてしまったりしてしまいます

1.大人の愛着障害とは

幼少期の愛着障害に気づくことができず症状が改善されないまま、大人になってから対人関係や仕事等の社会生活に悩む人も多く、このようなケースを大人の愛着障害と呼びます。

大人の愛着障害は、他者と信頼関係を築くことが苦手になり、自分に自信がないことや感情のコントロールができない特徴も見られます。対人関係が極端に乏しいか、極端に近づきすぎるかをしてしまいます。また、自信や自尊心を持つことができず、いつも自己否定したり、びくびくしてしまったりしてしまいます

まとめると、大人の愛着障害には以下のような特徴があります。

  • 他者を信用できず、人を極端に避けたり接近したりして適度な距離がとれない
  • 親や養育者を恨んだり、極端に人の顔色を窺ったりしてしまう
  • 自分に自信をもてず、傷つきやすい
  • 全か無かの思考になりやすい
  • 自己肯定感が低い
  • 物事において自ら決断することができない

大人になってこのような特徴がみられ、子どもの頃の養育者との情緒的関わりの乏しさや虐待体験、両親の不仲等のエピソードもみられると大人の愛着障害の可能性があります。

ちなみに表面的な症状で不安障害、うつ病、パーソナリティ障害などの診断がつけられていることもあります。

2.大人の愛着障害と間違われやすい障害

大人の愛着障害はうつ病、不安障害等の二次的な障害につながりやすい特徴もあります。また、人との距離の取り方が極端に近かったり、遠かったりするなどは発達障害とも間違われやすいです。

特に、衝動性や情緒不安定さ、対人関係で非常に密着した距離の取り方などは以下の境界性パーソナリティ障害とも混同され、診断をつけられてしまうこともあります。

3.大人の愛着障害の原因

大人の愛着障害は、幼少期における親からの養育やコミュニケーション等が不十分または過度であることが原因です。幼少期に親等の養育者との間で適切な愛着の形成ができず、それが幼少期に解決できず、大人になるまで問題を持ち越してしまっていることも原因と言えます。

こうしたことはマルトリートメントの問題であると言えます。マルトリートメントについては以下をご覧ください。

4.大人の愛着障害の相談と治療

(1)大人の愛着障害の治療

愛着障害というと、幼少期における養育者との愛着形成の不十分さを補うために、実の親との愛着形成のやり直しや育て直しのような体験を要するイメージがあるかもしれません。しかし、そうではなく、現在の友人や恋人、パートナーと親密な関係を築き、心の拠りどころをもつことで克服が可能です

大人の愛着障害は対人関係に優劣を感じ、自己評価が低いことも多いため、肯定的受容の性質をもつカウンセリングも有効です。

カウンセリングでは「良い人」を演じやすい傾向がありますが、悲しみや怒り等ネガティブに渦巻く感情を扱っていくことが大人の愛着障害克服のポイントでしょう

(2)大人の愛着障害への接し方

大人の愛着障害の人は、過去の養育者とのコミュニケーションの過不足が背景にあると気付かず、現在の対人関係で「人とつながれていない気がする…」、「関係が上辺な気がする…」と悩むことが多いでしょう。

大人の愛着障害の人は、表面的には良好な対人関係をもつ人もいますが、顔で笑って心で泣く傾向があります。

そのため、本人が今困っていることや本当はどう感じているかを聞いてみてください。友人や恋人、パートナーであれば、時にはぶつかったりネガティブな思いも受け止めてあげたりして、より親密な関係を築くことができると大人の愛着障害の克服につながります。お互いに信頼し合えるように対等に接し、本音を話し合える関係性を築いてみましょう

また、家族が関わるときは、本人を否定せずに少しずつ気持ちを聴いてあげる関わりが大切になります。

(3)本人が気をつけられること(恋愛編)

恋愛関係では恋人やパートナーと通じ合いたいと思いながら、繋がれない孤独さを感じたり、接近しすぎて相手を困らせたり、自己評価の低さから相手を試して振り回したりしてしまいます。

大人の愛着障害は幼少期の養育者との関係性が繰り返されている可能性が高いです。そのため、まずは子どもの頃の関係性を振り返り、自分の対人関係パターンを知りましょう。そして、過去と現在の関係性を切り離した関わりを意識してみてください

今まで感情に蓋をし続けてきたのであれば相手に素直になり、人を信用できないと疑ってきたのであれば、思い切って「この人なら信頼できるかも」と現在の関係性に注意を向けてみることが大切です。

大人の愛着障害の恋愛の課題については以下のページをご覧ください。

(4)本人が気をつけられること(仕事編)

仕事の付き合いで「職員との距離感が分からない」、「顔色を窺いすぎて疲れる」等コミュニケーションに悩むことも多いでしょう。

大人の愛着障害の人は自己否定の強さから被害的になったり、他者に過剰にへりくだる行動をとったりしやすいです。それでは余計に対人関係への苦手意識が強まるため、無理に関わろうとせずにあえて人と距離を置くことや相槌だけでやり過ごす関わり方も身に着けてみましょう

5.愛着障害についてのトピック

愛着障害についてのいくつかのトピックです。さらに詳細に知りたい方は以下をご覧ください。

6.反応性愛着障害について相談する

大人の愛着障害の原因として、幼少期の愛着の未形成は大きな関係がありますが、幼少期の養育者との関係にこだわりすぎてはいけません。当時の自分の苦しみを養育者に理解してもらったり、養育者の価値観を変えたりすることは難しく、やり直しもできません。それらに失望して、落ち込むことで、対人関係の構築や維持はより困難になる場合もあります。

振り返りは確かに大切な作業ですが、過去を客観視し、過去に意味づけすることで体験の捉え直しもできます。1人で悩まず、カウンセラーや信頼できる身近な人と共に、過去を整理しつつ現在の悩みの改善を進めましょう。

愛着障害のカウンセリングや相談をご希望の方は以下からお申し込みください。