【初回は料金半額】【夜22時まで開室】【土日も開室】【対面でもオンラインでもカウンセリング可】

発達障害のその後の成長について

成長を見守る

発達障害や発達障害グレーゾーン、発達のアンバランスを持つ子どもは成長できるのだろうか、成長しないのでは、と不安を抱える保護者やご家族も多いかもしれません。

この記事では、発達障害をはじめ、特性をもつ子どものその後の成長について説明します。子どもの成長を支えるためには、障害の診断がつくかどうかにかかわらず、特性に応じた早期からの支援を考えましょう。

1.発達障害をもつ人にとって「成長」とは?

発達障害をもつ人にとって「成長」とはどのような内容を指すのでしょうか。ここでは、「成長」の指す内容、一般的な成長(定型発達)の過程、発達障害の成長が定形発達とどう違うか、について触れていきます。

その前に、そもそも発達障害とは何なのか?については以下のページをご参照ください。

発達障害のカウンセリング・相談
発達障害は、自閉症、注意欠陥多動性障害、学習障害、知的障害などの広範な遺伝的負因による障害です。発達障害は心と身体の成長や発達がうまく作動しなかったり、アンバランスになったりします。発達障害の原因、特徴、症状、治療、支援について解説します。

(1)「成長」とは?

「成長したい」「子どもの成長を願う」といったように、日常会話の中でも自然に使われる「成長」という言葉ですが、実は「成長」の意味はひとつではなく、さまざまな捉え方ができます。

発達障害に含まれる「発達」も「成長」と似た意味を持ちますが、どちらも一般には、子どもから大人になるまでの心身の変化を指します。あえて区別するなら「発達」は質的な変化や機能的成熟、「成長」は身長や体重などの量的な増大をいいます。

ですが日常的には、区別なくどちらもお互いを含んだ意味、つまり、子どもから大人になること、大人に向かうことを「成長」「発達」と呼ぶことが多いのではないでしょうか。

では「大人」とはどのようなもので、子どもとの境界線はどこにあるのでしょうか。

身体(生物)としての「大人」、社会人としての「大人」、心理的な「大人」の3つに分けると以下のようになります。

大人の種類説明
身体(生物)としての「大人」身体(生物)としては、第二次性徴を迎え、生殖能力を獲得した時点が「大人」の入り口です。それ以前は「幼体」、以降は「成体」と呼ばれます。
社会人としての「大人」社会的な共同体の一員として、社会の存続を担うのが「大人」です。一般には就労、家事、子育てなどの営みによって社会参加することを指します。
心理的な「大人」感情や対人関係に分別があり、心理的に成熟した状態です。「あの人は大人っぽい」「大人気ない」という時の「大人」像のことです。

このように、「大人」が指す内容は見方によって変わってきます。特に、社会的・心理的な「大人」の意味合いは文化や社会に大きく影響を受けますし、家族や個人の価値観によってもその解釈は変わります。

同様に「成長」にも、見方によって異なるさまざまな意味があるのです。

(2)一般的な成長(定型発達)の過程

ここでは、一般的にいわれる成長過程についてお伝えします。社会の平均的な発達水準で発達することを「定型発達」といいますが、子どもが大人になるまでの定型発達の流れは、おおむね以下の通りです。

a.乳幼児期

養育者と一対一の親密な関係を築き、それをベースとして感覚を分化させ、情動や関心、動作や行為を共有していきます。言葉の力も育ち、他者と認識を共有できるようになり、第三者を含む関係に入りはじめます。その中で、自分だけの見方だけではなく、他者の視点に立てるようにもなっていきます

また、しつけを通じて欲求・衝動のコントロール力を身につけはじめます。

b.児童期

小学校に入り、学術的な知識・技能を学びます。さらに、教師や仲間集団との本格的なかかわり合いの中で、礼儀や思いやりなどの社会的なふるまいを身につけます

c.思春期・青年期

身体的には第二次性徴を迎え、他者(一般的には異性)への愛情に関心が高まります。心理・社会的には養育者から離れ、徐々に自立に向かっていく時期です

d.成人期

養育者のもとから離れてひとりで社会に出て、新しい家族のユニットを作っていきます。

発達障害や発達のアンバランスをもつ子どもは、全般的あるいは部分的に、この流れからの遅れが見られます。

(3)発達障害の成長は定型発達とどう違う?

発達障害を持つ子どもの成長過程は、定型発達とどのように違うのでしょうか。ここではその共通点と違いに触れていきます。

発達する流れは、発達障害を持つ場合も定型発達と同じです。ただ発達障害が定型発達と違うのは、精神機能が発達するペースが全般的に、あるいは部分的にゆっくりである点です。

ここでは自閉スペクトラム症を例にとって、差の現れ方を説明します。

a.乳幼児期

0歳ではまだ差がはっきりしませんが、2歳ごろから差が現れ始め、4歳ごろには明らかな差が出て周囲から気づかれはじめます。養育者がつながりを感じにくかったり、幼稚園でみんなと場を共有して一緒に遊べなかったりします。

b.児童期

他者の視点に立つ力がまだ獲得されていないため、自分の視点だけでの一方的なやりとりになりがちです。

知的な発達におくれのない場合は小学校高学年から他人の視点に立てるようになりますが、生のかかわり合いよりは知的な考えが頼りなので、やりとりには硬さや不器用さが出ます。

c.思春期

定型発達と同様、他者(一般的には異性)への関心が芽生えますが、近づきすぎるなど、かかわり方には幼さが出ます。

d.成人期

就職や一人暮らしに際して、食事や衛生管理、危機管理など日常的な技能に困難を抱えることがあります。職場では仲間への関心はあるものの、かかわり方が不器用なために友人ができにくい、といった場合もあります。

(4)発達の伸びがゆっくり

このように、発達障害の子どもは定型発達と同じ流れをたどって成長するものの、全般的あるいは部分的な精神機能の伸びがゆっくりであるために周囲とのずれが生じます。

成長のペースが周囲とずれることは、本人の生きづらさを生む場合もあります。例えば、場違いになる、いじめられる、友達ができない、といった体験をすると、本人は被害感や孤独感、不全感を抱きかねません。

2.発達障害の成長が気になったら?

発達障害や、発達のアンバランスを持つ子どもの成長が気になりはじめたら、どのように対応すれば良いのでしょうか。

ここではご家族をはじめ、幼稚園や学校の先生など、周囲の方に知っていただきたいポイントをお伝えします。

(1)早期発見・早期支援へ

周囲との差が気になり始めたら、早めに支援につなぐことが大切です。大切なのは、発達障害の診断がつくかどうかにかかわらず支援を頼ることです。

発達障害グレーゾーンなどで診断に至らない場合でも、発達のアンバランスがあれば何らかの生きづらさを抱える可能性があるためです。

診断がおりなければ「治療」は受けられませんが、相談、療育などの「支援」は受けられますし、そこには家族など周囲の方への支援も含まれます。

子どもの成長にともなって、子どもを取り巻く環境は変化します。

子どもの生まれ持った特性を踏まえ、ライフステージに応じて本人に合った環境や支援が用意されれば、発達のアンバランスがあっても本人のペースで成長していきます。

相談や支援の場を利用して、発達のゆっくりな部分を支え伸ばす環境を整えることが、本人の健全な成長を助ける第一歩です。

3.発達障害の成長に向けた支援とは?

発達障害の成長に向けて、実際にはどのような支援が行われるのでしょうか。ここでは、専門家による支援の方向性と支援内容を紹介します。

(1)当事者への支援

当事者に対しては特性に応じた支援が組み立てられます。選択されるアプローチは、困りごとの背景にあるメカニズムや事情によってさまざまです。

ここでは支援のアプローチの方向性として、本人の持つ力を支え引き出すアプローチと、新たな力を身につけるアプローチを紹介します。

a.本人の力を支え引き出すアプローチ

本人の持つ力を支え、引き出すためのアプローチです。

本人の理解のペースに沿ったスモールステップの学習支援や、自己理解が可能になってきたらどんなことが苦手か、苦手なことにどう対処するか、考える過程に寄り添う支援などがあります。

b.新たな力を身につけるアプローチ

本人がもともと持つ力に加え、新たなスキルを獲得するためのアプローチです。

ソーシャルスキルトレーニングで対応のレパートリーを増やし「どうしたらいいかわからない」ことによる混乱を防ぐ支援、などがこれにあたります。

本人の特性にあった適切な支援を受けることができれば、本人の成長に向かう力が引き出されていきます。

(2)周囲の人や環境への支援

本人の力が発揮されるためには、人を含めた環境側の受け入れ体制も重要です。ここでは周囲の人に対する支援と、物理的環境に対する支援の2つに分けて簡単に紹介します。

a.周囲の人に対する支援

周囲の理解や適切な配慮が得られるように働きかける支援です。保育者や教師へのコンサルテーションや、保護者への相談対応やペアレント・プログラムなどがあります。

b.物理的環境に対する支援

物理的環境の調整により、適応的に過ごしやすくする支援です。刺激が多いと注意集中が困難な子どもや音刺激で混乱する子どもには静かな環境を用意する、といった対応です。

(3)支援者が大切にするポイント

ここでは、発達のアンバランスを抱える子どもの成長を支えるにあたって支援者が大切にするポイントを2つ、お伝えします。

a.できることや成功体験を大切にする

日頃から苦手に目を向けられやすく、不全感を抱きやすいのが発達障害の子どもたち。得意なことや適応的な部分、できたことに注目し、成功体験を重ねると、自信がついていきます。

そうして心にゆとりができてくれば、苦手に目を向け、苦手への対処を考える力も培われます。

b.苦手をなくすのではなく、苦手を抱えながらの生きやすさを目指す

発達のアンバランスを持つ場合、発達支援でおくれが気にならなくなる場合もありますが、何らかの不器用さが残る場合も多いです。

苦手をなくす方向だけではなく、苦手や弱点を抱えながらも生きやすくなる方向を探ることも、支援の大切なポイントです。

3.発達障害の成長が心配な方の相談やカウンセリング

発達障害や、発達のアンバランスをもつ人の成長について説明しました。発達のアンバランスを持つ子どもの成長が気になりはじめたら、障害の診断がつくかどうかにかかわらず、特性に応じた早期からの支援につながることが大切です。

成長を助ける支援の一手として、相談やカウンセリングも是非ご検討ください。当オフィスでの相談やカウンセリングをご希望する方は以下の申し込みフォームからお問い合わせください。

カウンセリング申し込みフォーム

また、成長や発達の程度を知りたい方は心理検査を受けることができます。心理検査のご希望の方は以下の申し込みフォームからご連絡ください。

心理検査申し込みフォーム

4.参考文献

【執筆者情報】

  • 北川 清一郎
  • 資格:臨床心理士、公認心理師、日本精神分析学会認定心理療法士など
  • 所属学会:日本心理臨床学会、日本精神分析学会、日本EMDR学会、日本臨床心理士会、日本公認心理師協会など
  • 役職:神奈川県臨床心理士会代議員、日本臨床心理士会委員などを歴任
  • 経歴:精神科や心療内科、教育センター、児童相談所、就労支援施設などでの臨床経験は約20年になる。また、臨床心理系の大学などでの非常勤講師を歴任。執筆した論文は多数。メディアや雑誌での出演経験も豊富。
  • 詳細な紹介・経歴
社会問題
フォローボタン
心理オフィスK