概要
厚生労働省による最新のデータ「令和6年度(2024年度)過労死等の労災補償状況」によると、労災補償の支給が決定された事案のうち、「上司等から身体的攻撃・精神的攻撃などのパワーハラスメントを受けた」ことが原因とされるものが最も多く挙げられています。「パワハラ」がトップとなるこの傾向は平成28年度(2016年度)から続いており、労災に限らず、勤労者のメンタルヘルス不調の背景として「ハラスメント問題」は主要な要因の一つとなっています。心理職がこうした相談対応にあたるケースも少なくありません。
ハラスメントに関しては現在、男女雇用機会均等法および労働施策総合推進法などによって、企業に防止対策の実施が義務づけられています。つまり、組織として「必ず取り組まなければならない対策」が法的に定められているのです。そのため、心理職がこの法的枠組みを十分に理解せずに独自の判断で対応してしまうと、被害を受けた社員が組織と心理職との間に挟まれ、より苦しい立場に追い込まれてしまう危険性があります。
一方で、心理職としては企業の防止対策の実際に対してもどかしさを感じることもあり、どこまで関与すべきかの判断は容易ではありません。
そこで本セミナーでは、心理職として知っておくべき関連法規や企業のハラスメント防止対策の枠組みを整理し、その上で、心理職がどの範囲まで関わることが望ましいのかについて、一緒に検討していきたいと思います。
本セミナーで学べること
- 企業におけるハラスメント事例
- ハラスメント防止対策を定める法律
- 各種ハラスメント概念の整理
- 企業が防止対策で行わないといけないこと
- 心理職が関わる際の注意点
講師
松本桂樹 先生
- 所属:株式会社ジャパンEAPシステムズ取締役、神奈川大学客員教授
- 資格:臨床心理士、公認心理師、精神保健福祉士、1級キャリアコンサルティング技能士、健康経営エキスパートアドバイザー、両立支援コーディネーター等
- 経歴:昭和44年生まれ。東京都出身。東京学芸大学大学院修了後、精神科クリニックに入職。心理職として勤務する傍ら、法人理事長より日本初のEAP専門機関であるジャパンEAPシステムズ(JES)立ち上げの特命を受け、サービスメニューを作成し、名だたる企業と契約を取り交わして事業を軌道に乗せた。相談室長、事業本部長、代表取締役社長を歴任し、現在は取締役兼ビジョン・クラフティング研究所所長として主に若年層の職場適応や管理職の支援、専門家のスーパービジョンなどに携わっている。
- 書籍:
セミナーの紹介
レジュメの一部
動画の内容
本セミナーでは、ジャパンEAPシステムズの松本桂樹先生を講師にお迎えし、職場におけるハラスメント防止対策とメンタルヘルス問題について、法的な枠組みと現場実務の両面から取り上げています。心理職や対人支援職が企業・組織の中でハラスメント問題に関わる際に必要となる基礎知識と、実際の対応のポイントを整理しています。
まず、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、マタニティ・ケアハラスメントなど、事業主に防止措置が求められている各種ハラスメントについて、その定義や法的な位置づけを解説しています。特にパワーハラスメントについては、「優越的な関係を背景とした言動」「業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動」「就業環境が害されること」という判断の枠組みをもとに、業務上の適切な指導とハラスメントをどのように区別していくのかを具体例とともに紹介しています。
また、企業におけるハラスメント対応の基本的な流れや、相談窓口を含めた一元的な相談体制の重要性についても取り上げています。問題が顕在化してから対応するだけでなく、勤怠の変化、業務能率の低下、職場での様子の変化などから早期に兆候を捉え、適切な支援や組織的対応につなげていく視点を解説しています。
実際の相談事例をもとに、ハラスメント被害を訴える側への支援だけでなく、行為者とされる側にどのように対応するのかについても検討しています。行為者への事実確認や指導、教育的な働きかけをどのように位置づけるのか、また心理職や相談担当者がどの段階で企業や人事・労務部門などの関係部署と連携するのかといった、実務上の論点についても紹介しています。
さらに、ハラスメントとメンタルヘルス問題との関連について、精神障害の労災認定や企業の安全配慮義務といった観点から解説しています。ハラスメントへの対応が当事者個人への支援だけで完結するものではなく、組織全体のリスク管理や職場環境の改善にも直結する問題であることを整理しています。
心理職や対人支援職が企業領域でハラスメント相談に関わる際には、相談者への心理的な配慮だけでなく、法的定義、社内手続き、組織の役割を踏まえて対応する必要があります。本セミナーでは、臨床的な視点と制度・組織の視点をどのようにつなぎながら支援していくのかを、具体的な事例を通して考えることができます。
ハラスメントの基本的な理解から、早期発見、相談対応、行為者への対応、関係部署との連携、メンタルヘルスや労災との関連までを幅広く扱っており、企業・組織におけるハラスメント対応を実践的に整理できる内容となっています。
収録時間
約2時間00分
オンデマンド視聴期間
無期限
参加費
2,200円
- 体調不良、急用、家庭の用事など個人的な理由であってもキャンセルの場合には返金します。
- 支払い方法はクレジットカード、コンビニ払い、銀行振込、ペイジー(Pay-Easy)があります。
- 自治体などで請求書払いが必要な方はこちらの【請求書払いの申し込みフォーム】からご連絡ください。
オンライン開催
オンデマンド視聴はVimeoを用いています。視聴可能かどうかはこのテスト視聴のページをご覧ください。映像と音声がうまく再生できていればオンデマンドは視聴可能です。
参加資格
臨床心理士、公認心理師、医師、心理職、カウンセラー、精神保健福祉士、社会福祉士、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、看護師、保育士、教師などの資格をもつ対人援助の専門家、大学院生、一般の方など。産業臨床、ハラスメント対策、メンタルヘルスなどに興味を持っていればどなたでも参加可能です。
臨床心理士更新ポイント
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申し込み期日
無期限
参加方法
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