概要
「他職種連携」は、公認心理師法第42条に規定されている通り、さまざまな現場において必要不可欠です。互いの専門性や資源を提供し合うだけでなく、共通の目的を設定し、力を合わせて業務を遂行していく関係性が求められます。しかし、実際には連携が常に円滑に進むとは限らず、柔軟な対応や適切な判断が必要とされます。連携のあり方は領域や地域によっても多様であり、葛藤を伴う場面も少なくありません。頭では理解していても、他責的になったり、自己嫌悪で苦しくなった結果、孤立してしまうこともあるでしょう。本研修では、他職種連携における「支えられる感覚」に焦点を当て、学びを深めていきたいと考えています。
前半では、4名の心理士が医療・教育・福祉の現場で経験した成功や失敗のエピソードを紹介し、それぞれの立場から「連携とは何か」について語ります。どのような人や関係に支えられてきたのか、他職種や他機関との距離感、抱え込まない姿勢の重要性など、現場で直面した課題や工夫を共有し、理解を深めていきます。
後半では、架空事例を用いて登壇者が関係者会議のデモンストレーションを行います。実際に誰と、どのように連携していくのがよいのかについて、参加者の皆さんとともに議論していきます。
本研修を通じて、連携がさまざまな繋がりに支えられて成り立つ営みであることを再確認し、私たちが日々受け取ってきたものに改めて気づく時間を、皆さんと共有したいと考えています。
本セミナーで学べること
- 医療・福祉・教育の連携について学び、孤立しないためのヒントを得る。
- 他職種・他機関と共通の目標を設定し、業務を行うことの重要性について学ぶ。
- 成功や失敗の事例から現場での工夫と課題を理解する。
- デモンストレーションを通して実践的な連携の方法を学ぶ。
講師
宮城なぎさ 先生
- 資格:臨床心理士
- 経歴:大学院博士前期課程修了後、乳児院、精神科単科病院及び精神科デイケア、長期療養病棟(重症心身障害児者)、行政の貧困対策支援、クリニック等で勤務している。
山下美佳 先生
- 所属:心の海を味わう心理相談室 TAYUTAU
- 資格:臨床心理士、公認心理師、生殖心理カウンセラー
- 経歴:社会人経験後、大学院を経て心理職に転職。療育や発達外来、乳幼児健診、総合病院のメンタルヘルス等を経て、現在は行政の母子父子自立支援員としてひとり親家庭の支援にも従事。
八木橋沙有美 先生
- 所属:かしみあ心理相談室
- 資格:臨床心理士、公認心理師
- 経歴:大学院修了後、教育センター、大学学生相談室、就労移行支援施設、不登校支援施設、予備校などで心理士として勤務。現在は開業心理士として活動する傍ら、スクールカウンセラーとして従事。
馬場翔吾 先生
- 所属:千葉市立青葉病院 児童精神科
- 資格:臨床心理士、公認心理師、CPCSレベル1、SEP
- 経歴:大学院博士前期課程修了後、現職にて勤務。2023年より勤務を続けながら、千葉大学大学院医学薬学府認知行動生理学4年博士課程に在学。
講師の別セミナー
セミナーの紹介
レジュメの一部
セミナーの様子の一部
動画の内容
本セミナーでは、心理職をはじめ、医療・福祉・教育・行政など幅広い領域の専門職を対象に、他職種連携の実際とその意味について、具体的な事例をもとに取り上げています。連携を理想論として語るのではなく、現場で生じる「うまくいかなさ」や葛藤、判断の難しさにも目を向けながら、実践に即した形で考えていきます。
まず、他職種連携の範囲は専門機関同士の協力だけにとどまらず、本人や家族、地域住民、民生委員などを含む幅広いネットワークに及ぶことを紹介しています。また、連携は会議やカンファレンスの場だけで行われるものではなく、家庭訪問や玄関先でのやり取りなど、日常的な支援場面の中にも生じることを具体的に解説しています。
さらに、他職種連携を単なる情報共有や役割分担としてではなく、「責任を一人で抱え込まないための構造」として捉える視点を取り上げています。責任を分散することは無責任になることではなく、互いの専門性を信頼し、敬意をもって役割を委ね合うことです。そうした関係が、当事者を支えるためのより強固な支援のネットワークにつながることを考えていきます。
また、支援がうまくいかなかった場合や判断に迷った場合に、それを一人で抱えるのではなく、他職種とともに振り返り、制度や地域資源を探しながらリカバリーの可能性を検討していくことの重要性についても扱っています。他職種連携は当事者を支える仕組みであると同時に、支援者自身が孤立せず、臨床や支援を継続していくための基盤にもなります。
連携を一方向の依頼や情報提供としてではなく、互いに補完し合い、循環していく関係として捉えることも本セミナーの重要なテーマです。自分にできることは引き受け、自分だけでは対応できないことについては率直に助けを求めること、さらに連携相手の専門性や立場、置かれている状況を理解しようとする姿勢についても解説しています。
加えて、他職種連携の先にある「地域づくり」という視点についても取り上げています。当事者が「ここにいてよい」「困ったときには助けを求めてもよい」と感じられる環境をつくることは、個々の専門職による支援を超えた重要な課題です。連携を通して、地域全体で人を支える基盤をどのようにつくっていくのかを考えます。
本セミナーでは、成功事例だけではなく、失敗や試行錯誤も重要な素材として扱っています。他職種連携にはあらかじめ完成された技法やマニュアルがあるわけではなく、実践の積み重ねの中から形づくられていく側面があります。現場で生じた経験をどのように振り返り、共有し、次の支援へとつなげていくのかという視点も紹介しています。
他職種連携を、単なる「他機関との連絡」ではなく、当事者を支えるネットワークづくり、支援者同士が支え合う関係、そして地域の基盤をつくる営みとして捉え直す内容となっています。医療・福祉・教育・行政など、さまざまな領域で他職種との連携に携わる方が、日々の実践を振り返り、よりよい連携のあり方を考えるために役立つセミナーです。
視聴時間
約5時間00分
オンデマンド視聴期間
2028年1月17日(月)まで
参加費
5,500円
- 体調不良、急用、家庭の用事など個人的な理由であってもキャンセルの場合には返金します。
- 支払い方法はクレジットカード、コンビニ払い、銀行振込、ペイジー(Pay-Easy)があります。
- 自治体などで請求書払いが必要な方はこちらの【請求書払いの申し込みフォーム】からご連絡ください。
オンライン開催
オンデマンド視聴はVimeoを用いています。視聴可能かどうかはこのテスト視聴のページをご覧ください。映像と音声がうまく再生できていればオンデマンドは視聴可能です。
参加資格
臨床心理士、公認心理師、医師、心理職、カウンセラー、精神保健福祉士、社会福祉士、言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、介護福祉士、看護師、保育士、教師などの資格をもつ対人援助の専門家、大学院生、一般の方など。ブリーフセラピーや家族療法、精神分析などに興味を持っていればどなたでも参加可能です。
臨床心理士更新ポイント
本セミナーは、ライブ配信・オンデマンド視聴のいずれも、臨床心理士資格更新における2条(4)の項目(2ポイント)に関する研修機会として取り扱っています。資格更新に必要な参加証明等の手続きについては、受講された臨床心理士の方へご案内します。
申し込み期日
2028年1月17日(月)まで
参加方法
- 下の「セミナーに参加する」ボタンを押す
- ページが移動したら、「購入手続きに進む」ボタンを押す
- 名前、所属、メールアドレス、資格を記入し、支払い方法を選択する
- 選択した支払方法に従ってお支払いをする
- メールが届いたら、その中に記載された視聴案内のPDFファイルをダウンロードする





